04#hym

三が日は実家にいたので声を聞いていなかった。
昨日の夜はどうだったっけ、たくさんきいていた。眠る前、9時頃には布団に入って、従兄弟編を全部聞いた。何度か眠りそうになりながら、意識を声にあずけていた。

今までは、私の脳内では、こたつのサムネイルの作品が、全部ごちゃっとまとまっていて、さして従兄弟編とそれ以外との区別をしていなかったのだけれど、それは間違っていたことに気づいた。
従兄弟編と書いてあるものにしか共通しないモチーフがあった。従兄弟編ははやまさんの中できちんとシリーズ化されていたものだったのだと、今更気づいて少し恥ずかしかった。

本当は、昨日の夜に書き留めたいと考えていた。書きたい気持ちが止まらなくて、今、書いている。

今朝は、8時頃に目が覚めて、声を聞いていた。
声を聞きながら二度寝した、何度も、起きては、声を聞き、心地よくなって、眠った。
以前はそんなことなかったと思うけど、めーな音声を聞いていても、心地よくなって眠ってしまった。
山田シリーズって、山田の気持ちとかヒロインの気持ちとか想像しながら聞くのが常なのだけど、ゆびかきのはそういうことあんまりしなくても、ただただ意識を預けているだけで聞ける(してもきけるけど)。
だから、きもちいいね、って耳元で囁かれて、ふわふわしたいい気持ちになって。
相手もいい気持ちになってることに安心して、さらに気持ちよくなって、心と心が近づいたような、そんなトランス状態に、繰り返し入った。

声を聞いていると、私は私の身体があることを忘れる。
私に私の顔があることを忘れ、私が私であることを忘れる。
それはとても素晴らしい体験だと思う。
私の身体も、顔も、存在も、誰からも愛されることはない現実を逃れることができるから。

夢とうつつの間で、永遠にそうしていたいと思った。
けれどそんなことは許されなくて、意識は夢から遠ざかる。昼前までそうしていたことに罪悪感を覚えたあとで、現実に帰った。

END

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