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ある加湿機能付きエアコンの話

先日、諸事情によりエアコンのセールストークを聞いたのですが、なかなかふざけた話がございましたので、ちょっと真面目に考えてみようかと思い立ちました。

セールストークの曰く:エアコンの機能

そのエアコンは、加湿機能がありながら、水をタンクに入れる必要がないのだそうです。というのは、外気から水分を集めて加湿するためです。

以下、この機能が果たして現実的なものなのか、少し考えてみたいと思います。

問題の設定

加湿器がいる時期というのはたいてい冬場の太平洋側なんかで乾燥している時期と言えましょう。ですので、

  • 外気の気温:5度
  • 外気の湿度:50%
    と設定しても、さほど非現実的な値ではありません(大体、東京の1〜2月相当)。

最初、部屋が

  • 部屋の最初の気温:10度
  • 部屋の湿度:50%
    だったとして、これを10度から20度にあげ、部屋の湿度を50%に保つとした場合のことを考えてみましょう。

簡単のため、部屋の容積を50立方メートルとします(天井高2m強、13畳サイズ)。

水分の量を考える

中学校の理科で習った通り、湿度というのは、飽和水蒸気量に対する実際に含まれる水蒸気量の割合です。(水蒸気圧で定義するほうが多いのですが、ここでは簡単のため水蒸気量で、)

水蒸気量の計算にはいくつかの近似式がありますが、ここは飛ばして、Wikipediaに書いている値を取ってくると

  • 20度:17.2g/m^3
  • 10度:9.39g/m^3
  • 5度:6.79g/m^3
    となっています。

最初の部屋の状態は50立方メートル・10度・湿度50%ですので、
9.39(g/m^3)*50(m^3)*0.5=234.75g
の水分が含まれています。

一方で、目指す部屋の状態は、20度で同じ湿度ですので
17.2(g/m^3)*50(m^3)*0.5=430g
の水分が含まれていることになります。

したがって、この状態にするためには、外気から430-234.75=195.25gの水分を取ってくる必要があります。

一方、外気は5度で湿度50%ですから、1立方メートルあたり、3.395gの水分が含まれています。そのため、57立方メートルほどの外気全ての水分を取ってこなければ、この湿度は実現できません。(実際には、全ての水分を吸い込むというのは不可能でしょうが…)

実現は現実的か?

エアコンの室外機がどれぐらいの幅の空気を吸い込めるのかはわかりませんが、仮に幅3m、高さ2mの空気を吸い込めるとしましょう。これは、室外機の幅・高さの各3倍以上という、かなりエアコンに有利と思われる設定です。
この時、57/6=9.5ですので、室外機から9.5m先の空気を吸い込んできていることになります。つまり、4tトラックの頭から後ろまで、水分を全て吸い込むぐらい強い吸い込みをしなければ実現できません。

こんな強い吸い込み源がベランダにおけるわけがありませんから、この機能、大した加湿ができるわけはないよなぁ…というところです。

## 追記:風と時間
風で空気が滞留しないことと、時間をかけて吸い込むことを考えれば妥当な値になるのでは?とのコメントをもらいました。なるほど、確かにその効果を入れれば時間かかるとはいえできそうですね。

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