エピソード1 誕生日
(メンバーも4人集まり。
活動をしていた彼女たちだったが。
問題となるのは活動場所。
軽音部の部室は交代で使うから、どうしても練習時間は限られてしまう。
かなちゃんは経験者だけれど。
2年組の練習時間は足りないのだ。
そんな折、最近は多少話すようになった父との食事の際に出た話で。)
欲しいもの?ギターはもう買ったし。
まあ、誰にも気にせずにいつでも使えるスタジオなんてあったら便利かなーって。
いきなりどうしたの?
(彼女の誕生日は11月10日。
これを聞かれたのが9月ということもあって、気が付いてなかったが。
これは父親なりのリサーチだった。
その結果……)
え?
これって……
(ある日、学園に迎えに来た高そうな車。
それに乗せられて、学園と自宅の中間あたりのビルに来ていたが。
そこにあったのは……豪華なスタジオだった。
防音完備。
将来を見据えてとバーカウンターまで用意されて。
なんだったらここでライブも開けるようになっていた。)
……ありがとう、お礼は言っておくね。
(そんなそっけない回答だったが。
他の3人が父親を取り囲んで、大喜びでわちゃわちゃしていたので良しとしよう。)
あー、娘はどこかいってましょうか?
何だったら2時間ほど時間を潰してきても。
(この言葉には双方からお𠮟りが来たが。
何はともあれ、ちぇりーらびっつは本拠地を手に入れたのだった。)
(なお、将来のライブを見据えて控室なども用意されつつ。
ちぇりーらびっつはSTAFF ONLYと書かれた扉の奥に専用の控室まで用意してあって。
冷蔵庫のほかに、マッサージチェアと酸素カプセルまで準備してある厚遇だったのだ。)
とりあえず、Ave Mujicaのポスターを貼っておきましょうか。
あとはこれね。
(そう言って笑いながら張り出したのは。
うさうさが言っていた言葉を改めて書き出した一枚の紙で。)
『目指せ!両国国技館!』
(まあ、土俵は女人禁制なんだけどネ。)