会議のときにパソコンを閉じよう、という話がある。パソコンは悪くない。メモを取るのに必要だったり、そもそもの資料がパソコンの中やネットの中にあったりするのだから。残念なのは、発言するときにそのままパソコンを見ながら話す人が多かったり、誰かが話しているときにその人の顔や表情ではなくパソコンの画面を見てしまっていることなのではないか。
パソコンは便利だし、別に会議にパソコンを持ち込むのはいいと思う。メモだって取るし、資料だって見る。ただ自分が話すときや誰かが話しているときに、視線を上げてまわりの人を見たり、話している人の顔を見たりすること。それができればいいと思う。目は口ほどにものを言うなんて話もあるが、目の動きだったり、顔の表情だったり、それを含めて伝わるものがないわけでもないのだ。
あと肝心なのは、パソコンを見ながら話すとどうしても下を向く感じになってしまうのでくぐもって声が聞こえてしまうということ。音はまっすぐに進むのだから、話すときはまっすぐ、前を見ないともったいない。せっかくいいことを話しているのに、なんだか沈鬱に聞こえてしまうときがあったりもする。リモートでビデオ会議で話したりするときなんて、マイクがそもそも声を拾いづらくなる。何を言ってるのかよくわからなくなってしまったりする。もったいないよ、そういうのは。
そしてそうしてまっすぐに発せられた声は、まっすぐその人のことを見て聞くときに一番うまく届く。こうして書くと当たり前のことが、いつしか忘れられてしまっている。そんな気がする。
だからまっすぐ前を向いて、話したり聞いたりするのがいいんじゃないかなと思う。パソコンは合間にうまく使えるようにしよう。パソコンを使わなくてもできることもあるかもしれない。何より同じ場で(たとえビデオ会議だったとしても)伝わること、伝えられることは最大限に感じ取ってほしいし、そういうところに鈍感なのはいろいろもったいない。何よりまっすぐに前を向かないと、声だけではなくて気分が明るくならない。それはその人だけでなく、その場の空気全体に影響を与えてしまう。どうせなら明るく行きたいじゃない、そうでしょ?
正直なところぼくも言うほどはできていないかも。でもなるべく前を向いて話したいし、明るい声を聞き取っていきたいと思うのだ。