--- Title: 魔術師 Author: sagitta_luminis Web: 'https://mimemo.io/m/Mzm71lmgQwGKLYj' --- 「不死の呪い」。 それはすなわち、消えることのない自我。 帝が何度入れ替わり、星が何度滅びようとその身は世界に留まり続け、終わらない“生”を強要される。 彼は数奇な魔術師であった。 しかしどんなに稀有な、優れた魔法であろうとそれは奇跡には及ばない。願いは遂げられず、手の届かなかった孤独な未来を歩むことしか許されない。 もしこの世に奇跡があるのなら、魔術師が望むことはたったひとつ。 「自分という精神の消滅」———すなわち“自殺”。 しかし奇跡など「不死の呪い」を於いて他に存在しない。 奇跡がないのなら……魔術師は、その魔術を以て壮大な『計画』を練り上げた。 ---- 『エクリプス』 魔術師が作成した知的生命体。人の絶望を糧として魔力を蓄える種族。個々に人格があり、人と同じようにコミュニケーションを行える。しかし魔術師にとっては友と呼べる存在などではなく、ただ『計画』を果たすための駒として運用している。 『影魔』 エクリプスが影から生成した即席の魔物。死体を魔力源とし、破壊活動や強敵への対処などに使用される。 『不死の呪い』 魔術師が持つ特性。喉を切っても死なず、太陽に焼かれて骨まで蒸発しても次の瞬間には全身が再生している。魔術師には制御できない特性であるため『呪い』と呼び、魔術とは区別している。