--- Title: 短編台本 運命の扉 Author: sigurud0180 Web: 'https://mimemo.io/m/ZYrNkl1en5lQqA5' --- 3〜4人(♂2人 ♀1人 不問1人) [アルヴィス] シグルド殿 晴れての凱旋、めでたいことだ [シグルド] これはアルヴィス卿、 わざわざお迎えいただきおそれいります ところで、陛下はどちらに? [アルヴィス] 陛下は重いご病気で、 もはや身を起こすことも叶わぬ… よって、今では私が 政務の全てを代行している [シグルド] そうだったのですか それはお気の毒なことです 私の事でも、陛下には随分 ご心痛をおかけしました 後ほど王宮に参り、 お詫びを致します。 [アルヴィス] それには及ばぬよ。 [シグルド] えっ? [アルヴィス] 卿には反逆者としてここで死んでもらう 王に目通りは叶わぬ。 [シグルド] な、なんと…アルヴィス卿、 それはどういうことです!? [アルヴィス] フフフ…今頃気づくとは、 貴公も甘いな 貴公は父親のバイロン卿と共謀して、 王家の簒奪(さんだつ)を謀った その事実に何ら変わりはないのだよ 私は王女ディアドラの夫として、 貴公を討伐せねばならぬ シグルドよ、悪く思うなよ [シグルド] 王女ディアドラ!? それは… [アルヴィス] そうか、貴公はまだ知らなかったな 冥土の土産に 我が妻を紹介しておこう ディアドラ、来なさい (バーハラ城から、ディアドラと兵士がシグルドのほうに歩いてくる) [アルヴィス] ディアドラ、この男が君の父上を殺した バイロン卿の息子、シグルドだ 恨み言の一つでも言ってやれ。 [ディアドラ] この方が…シグルド…様… [シグルド] え? ディアドラ!?…まさか… [ディアドラ] ……!…何故そのように…私を… [シグルド] ディアドラ、そうだね…!君なんだね…!! ああっ… [ディアドラ] 私を…ご存じなのですね… [シグルド] 君は…!君は私のー [アルヴィス] もういい ディアドラ、下がっていなさい この男は危険だ 反逆者として処罰しなければならない [ディアドラ] でも…この方は… お願い!もう少しお話をー [アルヴィス] ダメだ、おい誰か、姫を安全な場所へ! [ディアドラ] 待って、アルヴィス様…!もう少しだけ… (ディアドラがバーハラ城に連れ戻される) [シグルド] ま、待て!! ディアドラ!! アルヴィス、頼む! あの人は、私のー [アルヴィス] もういい、何も言うな! よし、全軍に告ぐ 反逆者シグルドとその一党を捕らえよ 生かしておく必要はない その場で処刑するのだ!! [シグルド] アルヴィス…!貴様!! [ナレーター] バーハラ軍がシグルド軍に対して、メティオを放った [シグルド] お前たち!? アルヴィス!何故この様な真似をするんだ!? 私の妻であるディアドラの事も全て話してもらう!! 聖剣ティルフィングに宿りし聖戦士バルドよ… 私に力を!! [ナレーター] そして、アルヴィスがシグルドに対して、ファラフレイムを放つ [アルヴィス] よもや、貴様に話す必要など…無い!! 伝説の魔法戦士、ファラが生み出せし 神聖なる業火に灼かれよ!! ファラフレイム!!! [シグルド] ぐわあああああああ!!! ディ…ディアドラ…!! [アルヴィス] シグルドよ、所詮貴様はディアドラ見つけるための犬だったのだよ 全軍!反逆者シグルドとその一党を討ち取った!! 城へ帰還せよ! [ナレーター] かくして、ひとつの時代は終わった イザークへの遠征に端を発した グランベルの動乱は 一人の若者を数奇な運命へと導き そして、幾多の悲しい物語と共に 儚くも消えた… 戦い途上において、傷つき倒れた者や シアルフィの公子、シグルド また、最後まで シグルドと共にありながら バーハラでの戦いに敗れて、 生死不明の者達… 若者達は、理想を求めて戦った しかし、その夢も叶わぬまま 戦場に散った。 彼らの戦いが一体、何であったのか? そして、光は…………… ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 第五章 運命の扉より。