「お前より、あの娘さんに事情を聞いた方が早いかもな」
安場佐田の店長、佐田義治はアルバイトの花森健人に言った。
「店長ホント、申し訳ありません。ただ俺も気が動転していて、全くうまく説明ができません」
「そりゃあ、俺もお前に上手く説明しろとは言わんよ。殊更に責めるつもりもない。だが、お前には説明する必要はある」
平行線に伴う沈黙。胸が苦しい。こんな奇怪な話を、受け入れてもらえるとは思えない。半泣きになりながら、辛うじて言葉を捻り出す。
「俺だって…それができるなら、したいですよ」
それが文字通りの泣き言と分かってはいた。だが状況に振り回され、混沌に喘ぐ自分自身が、そう言わずにいられなかった。
「今の状況は、飯を放り投げて片付けもしていないようなもんだぞ」
その例えは、健人に間違いを確かに教えていた。何より説明責任としても、佐田が自分を気にかけてくれている意味でも、もう限界だった。
「先日の、有害鳥獣っていうんですかね？ああいうの…俺、あれから逃げられないんすよ」
　
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この後ゾルドーが安場佐田に襲来。キーモンをゲットした初樹と蓉子の力もあってこれを退ける。佐田には事情をここでより深く明かすことになる。