【ルクスカーデン王国】

幾重にも存在する異世界のうちのひとつ。魔法の文明が発達した王国。通称「耀夜の国」。国民の殆どが普通の人間だが、魔法の力を持つ国王一族がいつも民を守護しているため、悠久の時を越え栄え続けている。この国では魔法でインフラ整備されており、誰もが魔法の恩恵を受けて生活している。魔法に彩られた暮らしは豊かで魅力的だが、万が一魔法がなくなってしまうと生活ができなくなるというリスクも抱えている。

「耀夜の国」という別称は国の気候に由来している。
ルクスカーデンの空には太陽のような明るい天体がないため昼夜の概念がなく、夜が一日中続く。しかし星々の光がよく届く立地にあるため地球での夜より遥かに明るく、また全方位から光がさすため影ができることもない。

国王一族は遥か昔にこの地へやってきた魔法使いの系譜であり、“ボイジャー※”と呼ばれていた。初代の国王は貧弱な農村だったこの地に突如現れ、たった一人で国を起こし人々をまとめあげたその手腕から、王としての人望も魔法使いとしての実力も相当なものだったとされている。
ボイジャーとしての血は子へ孫へと継承するたびに薄まってしまう(=代を継ぐ度に国王の魔法力が衰えていく)ため、国の存続を危惧した8代目国王ニコラウスが王冠には魔法の知識を、宝珠には魔法技術を、そして王笏には魔力をそれぞれ納め、代々の国王に継承させることにした。そして代々の国王もそれに倣い、自分が持てるだけの知識と技と力を3つの宝器に託して後世へ残してきた。そのおかげで国王の力は弱まれど、国としての衰退は起こらず栄華の道を歩んできた。

時は流れ、世代を重ねた3つの宝器は強力なものとなった。世代を超えて結集されたその力に敬意を示し、やがて「三種の神器」と呼ばれるようになる。それは国内外を問わず、その力を求めて他国や異世界の種族から戦争を仕掛けられることも。戦争になると国民は基本的に非力なため国王が独りで戦場に立つしかなく、戦争が多いとそれだけ国王の負担も大きくなってしまう。それでも国王が戦争で負けたということは過去一度もなく、誰ひとり戦火に巻き込まない国王の姿勢に人々は尊敬の念を持っていた。

ある時、ノクスケイデンと呼ばれる異世界から侵略者“エクリプス”がやってくる。エクリプスは人の心につけ込み、瞬く間に他国を制圧。その勢いのまま大軍を率いてルクスカーデンに攻め込んできた。当時の国王エドウィンは戦争の直後で疲弊しており、このままでは自身どころか王国ごと彼らに支配され、滅亡してしまうと悟る。三種の神器を手に単独で迎え撃ったがやはり及ばず、せめて国民たちや魔法の力を悪用されないよう王国をまるごと封印した。

※ボイジャー
名前が「旅人」を意味するように、魔法使いの中でも空間跳躍魔法に優れた魔法使いの一族。初代国王はその空間跳躍魔法で次元を超え、異世界からやってきたとされている。初代国王はボイジャーであり、2代目の国王はボイジャーと人間のハーフ。3代目はクォーターで…と続くため純血は初代国王のみ。ただし国王の系譜をまとめてボイジャーと呼称することもある。

END

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