新クレギオンPrivateReaction『人参と片想い』 version 3
新クレギオンPrivateReaction『人参と片想い』
# 新クレギオンPR『人参と片想い』
「クリーム・シチューなんだけど……どう、かな?」
エプロン姿のエルミリアが心配そうに尋ねる
「うん、美味しいよ。合成じゃない本物の野菜を食べるのは久しぶりだ」
レフは涼やかな笑みを浮かべ答える
「本当?良かったー じゃあ私もいただきまーす!」
安堵の表情になったエルミリアがエプロンを外して自席について食べ始める
「これは船の中で栽培してるの?」
「そう、モーブっていう仲間が育ててて。それを分けてもらったの」
「ああ、ライガー代表の護衛をしていた彼か。それで君は毎日こうして料理を?」
「ううん。毎日は作ってないよ、時々。今日はお客様を呼んだから……特別なの」
エルミリアは少し恥ずかしそうに答える
「特別?」
「そう、レフさんだけ特別」
「レフでいいよ。オリョールの仲間も皆そう呼んでいる」
「本当? じゃあ、これからはレフって呼ぶね」
エルミリアは嬉しそうに声を弾ませる
ふと、レフのお皿を見るとシチューはほとんど食べ終わっていて
何故か、人参だけが端っこのほうに寄せられている
「レフは人参嫌いなの?美味しくなかった?」
「シチューは美味しかったよ。人参も嫌い……じゃない。好きではないけれど」
レフが真顔で答えたのが可笑しかったのか、エルミリアもくすっと笑い、こう答える
「私もね人参嫌い……じゃないけど好きじゃなかったの」
「今は好き?」
「うん。今は好き、かな?
小さい頃、じいじにね『人参を食べないと美人さんになれないぞ。人生の半分損するぞ』って言われて、それはやだなぁ、って思って食べてたら、食べられるようになってたの」
「君のじいじはずいぶん酷いけど、面白いことを言うんだね」
レフは苦笑する
「むー じゃあ、レフの人生の半分もらってもいい? 私、美人さんになりたい」
エルミリアはちょっと意地悪そうに言う
「それはできない。ボクの人生はボクのものだから」
レフはそう言うと残していた人参をなんとか平らげたのだったレフはそう言うと残していた人参をなんとか平らげたのだった
(つづく)
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「クリーム・シチューなんだけど……どう、かな?」
エプロン姿のエルミリアが心配そうに尋ねる
「うん、美味しいよ。合成じゃない本物の野菜を食べるのは久しぶりだ」
レフは涼やかな笑みを浮かべ答える
「本当?良かったー じゃあ私もいただきまーす!」
安堵の表情になったエルミリアがエプロンを外して自席について食べ始める
「これは船の中で栽培してるの?」
「そう、モーブっていう仲間が育ててて。それを分けてもらったの」
「ああ、ライガー代表の護衛をしていた彼か。それで君は毎日こうして料理を?」
「ううん。毎日は作ってないよ、時々。今日はお客様を呼んだから……特別なの」
エルミリアは少し恥ずかしそうに答える
「特別?」
「そう、レフさんだけ特別」
「レフでいいよ。オリョールの仲間も皆そう呼んでいる」
「本当? じゃあ、これからはレフって呼ぶね」
エルミリアは嬉しそうに声を弾ませる
ふと、レフのお皿を見るとシチューはほとんど食べ終わっていて
何故か、人参だけが端っこのほうに寄せられている
「レフは人参嫌いなの?美味しくなかった?」
「シチューは美味しかったよ。人参も嫌い……じゃない。好きではないけれど」
レフが真顔で答えたのが可笑しかったのか、エルミリアもくすっと笑い、こう答える
「私もね人参嫌い……じゃないけど好きじゃなかったの」
「今は好き?」
「うん。今は好き、かな?
小さい頃、じいじにね『人参を食べないと美人さんになれないぞ。人生の半分損するぞ』って言われて、それはやだなぁ、って思って食べてたら、食べられるようになってたの」
「君のじいじはずいぶん酷いけど、面白いことを言うんだね」
レフは苦笑する
「むー じゃあ、レフの人生の半分もらってもいい? 私、美人さんになりたい」
エルミリアはちょっと意地悪そうに言う
「それはできない。ボクの人生はボクのものだから」
レフはそう言うと残していた人参をなんとか平らげたのだった
(つづく)