4 Nintendo SwitchのUX設計的な意味でグッときたところメモ #UX #設計 みんなに公開

いつか買おうとは思っていたけど別にすぐ買うつもりはなかったNintendo Switch、たまたまいいタイミングでヨドバシ.comで売っているのを見つけて購入したのだけど、これがUXの設計がよくできたハードに思えたので、メモがてらUX的な目線でのレビューを書き残しておいてみる。

前提

まず、このゲーム機は、間違いなく子供とその親の事を真剣に考えて作られているゲーム機だ。
大きなお友達の事も無視しているわけじゃないが、一番大事にしているのは子供とその親で、その目線で見ないとSwitchの設計のよさは十分に理解できないように思う。

子供目線で

携帯機であり据え置き機

これはまあSwitchの最大のコンセプトなので言わずもがな。
家の中では、たとえばゲームしていて、お姉ちゃんが見たいテレビの時間になったら、自分はドックからSwitchを取り出してテレビを譲り、ゲームはそのまま続けることができる。そのまま自分の部屋に持っていって遊んでもいい。

これは「家庭の中で敵視されない」という、wiiの頃から任天堂が取り組んでいた事の一つの完成形だろうし、「うちはテレビないよ」っていう若者とか、「自分の部屋にはテレビない」っていう子も多くいる状況への対応でもあるのだろう。

テーブルモード、おすそわけ

DS全盛の時代、ちょいちょい公園だとかで子供たちが固まってDSをしている様子を目にして、個人的にずっと気になっていた事があった。それは「DS持ってない子ってどうしてるんだろう」という事だ。

DS時代のゲームって、遊びの輪の中に入るためにはDSを持っている事が必須なゲームが多く、ゲームを買ってもらえない家の子って、もしかしてあの遊びの輪の中には入れてもらえないのかな。それが気になっていた。

思い返してみると、自分が子供の頃、友達の中でファミコンを買ってもらえる子って必ずしも多くはなく、だいたいちょっとお金に余裕のあるファミコンを持っている子の家に遊びに行って、色んなゲームで遊んでいた。

DSがゲームの主流になると、ゲーム機の特性上、ゲームは「1人一台」持っている事が前提になってくる。DSで友達と遊ぶなら、当然DSを持っている子と遊ぶ事になるし、持っていない子とは遊べない。

その事は、「遊びたければDS買え」という圧力となり、DS本体やDSソフトの売上に貢献したかもしれない。だが、子供同士の関係を考えたら、それは決していい状況とは言えなかったんじゃないかな、と思う。

それに対して、Switchではお裾分けやテーブルモードで、「一つのゲーム機でみんなで遊ぶ」という、据え置き機と同じ遊び方が、色んな場所でできるようになった。
これによって、ゲーム機を買ってもらえない子も、遊びの輪の中に入りやすくなるはずだし、Switchを持っている子は友達作りのきっかけにもしやすくなるだろう。

これって小さなことのように見えて、子供にとってはとても大きくて重要なUXの改善なのではないかと思う。

これによって売上という意味では、DSなんかより台数は売れなくなるかもしれない。しかし、台数よりもこういう事を大事にするというのは、とても「正しい」ように思う。

ネットワークの有料化

Switchは、ネットワークに繋いでオンライン対戦などをするのが秋から有料になる。
これは他社もやってることだし、単純にそりゃサーバ費用とかかかるのだから当然、とも思うのだけど、Switchの場合に限っては、↑の友達との間の事を考慮に入れると「ネットワークは大きくなってから。子供たちはネットワーク越しじゃなくて身近な友達と一緒に遊んで仲良くなってね」というメッセージに見えてくるから不思議だ。

親の目線で

電池のもちの悪さとドック

Nintendo Switchは電池がそんなに長くはもたない。ゼルダをやっていると、だいたい3時間もすれば電池が切れる。これだけ聞くと、残念な携帯機に思える。

でも、これも視点を変えると理にかなった設計になる。

たとえば親はリビングのテレビにドックを設置して、子供には充電できる手段を用意しないようにしておけば、子供は自分の部屋でゲームしていたとしても、かならず数時間でリビングのテレビのところに戻ってくる。
もっと遊びたいと思っていたら、リビングのテレビで遊び始めるだろう。
そこで親は子とコミュニケーションも取れるし、一緒に遊んだりもできるだろう。

子供がどんなゲームを、どんなふうに遊んでいるかって、親にとっては知りたい事の一つだ。
DSやスマホでは、親は子供がどんなふうにゲームを遊んでいるのか知ることが難しいのだけど、Switchならそれが少し知りやすくなる。
さらに、発売と同時にみまもりSwitchというアプリをリリースしていることからみても、親心とか、ゲームをする子供を見守る立場(であり、同時にお金を出す人)の体験とか安心を大事にする姿勢が伺える。

スマホ時代のゲーム機として

スマホより快適

Nintendo Switchでゲームをしていて一番心地よさを感じるのは、その起動だ。
携帯モードで遊ぼうと思って、ドックから取り出した後、ボタンを数回連打すればすぐにゲームが始められる。前にゲームの途中でスリープしていた場合、スリープ前の状態に瞬時に戻る。

一方スマホでは、個人情報保護のために暗証番号などを設定している人が多い。
さらに、スマホはゲーム専用機ではないから、スリープ前にゲーム画面になっていることは少ない。
そうすると、スマホでゲームを始めるまでの体験は、「ロック解除→暗証番号の入力→ホーム画面開く→ゲーム探す→ゲームのアイコンタップ→ロード中画面→ゲーム開始」という流れになって、意外と操作が煩雑な上に、ゲームをすぐに再開、という感じにはならない。

Switchの起動やゲームの再開については、明らかにスマホゲーよりよい体験にしようと狙って設計されているように感じる。
実際、Switchでの快適なゲーム体験をしてしまった以降、スマホのゲームは立ち上げるのが億劫に感じるようになった。
2chやTwitterで持っている人の話を見ていても、同様に起動の快適さゆえに気軽に遊び始められることを褒める声をよく見かける。

その上で、やはり専用のコントローラでやるゲームの体験は、スマホゲーよりもやっぱり心地よく楽しい。Switchで久々にしっかりとしたゲームをやってみて、スマホでやるゲームにだいぶ興味がなくなった。

数年前に任天堂の倒し方を知っている人がいたが、任天堂はスマホとの戦い方(共存のしかた?)をちゃんと研究していたんだなぁと感じた。

ブラウザ等のアプリがないこと

今回、Nintendo Switchにはブラウザとかそういうゲーム以外の機能がないが、ブラウザなどの機能を足していくと、必然的にセキュリティ要件が厳しくなり、ロック解除の暗証番号だのなんだのとゲームを始めるまでのステップが増す恐れがあるため、ひとまずは省いているのではないかな、と思う。

さいごに

まだまだ色々と書くべきことはたくさんある(たとえば分離型コントローラは壊れた時に一部の交換で済むのがよい、とか、Switchあれば自分のゲーム環境作れるから、そのうちネカフェとかにドックだけ設置される日が来るんじゃないか、とか)のだけど、さしあたってははここまでで。

Nintendo Switchは、確かにハードウェアのスペックなどはPS4だとかには劣る。海外のAAAと呼ばれるコストをかけたタイトルはSwitchでは出ないんじゃないかと言われていたりもする。
けど、描画できるポリゴンの数なんかより、誰とどんなゲームをして、ゲームを遊ぶ本人と、その周囲にいる人がどういう気持ちになれるか。どういう楽しさや学び、安心を作れるか。そういうところにこそ、ゲーム体験の最も重要なところがあると個人的には思うし、Nintendo Switchは少なくともそこに抜かりはないと感じた。

任天堂という会社が、真剣に子供の事を考え、子供のためにいい遊びを提供しようとしている事は、このSwitchというハード一つでもしっかり伝わってくる。
この心意気を任天堂が持ち続けている限り、この先自分に子供ができる時があったなら、子供に買い与えるゲーム機は間違いなく任天堂のものになるだろう。

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