旧来のメールクライアントはフォルダーがあった。だから届いたメールを振り分けて、フォルダーごとに分けておくのがたしなみだった。そうしておけば、後からメールを探すのが楽だったからだ。もちろん検索機能はついていた。でも全てのメールの中から検索するより、確かあのフォルダーの中に入れておいた、と探した方が早い場合だってあるのだ。人間の頭はどちらかというとフォルダーで簡単な階層構造になっていた方が覚えやすいらしい。こういう情報はこのフォルダー、というルールだけ覚えておけばよいからだ。
しかし今やGmailが多くの場所で使われている。Gmail、フォルダーの概念がない。基本的には検索して探すのがメインの使い方だし、ラベルを付けて管理できるものの几帳面にラベルを付けるメリットはそこまで大きくない。Googleによる検索の精度が高く、検索で目的のメールに到達することが容易になったからだ。
ここmimemoはメモを書くところ、テキストをゆるく書いて置いておけるところを念頭に作っている。メモ、メールほどどんどん増えていくものではないものの、やはり増え続けるものだ。もちろん他愛もないメモもあるだろうし、その中に埋もれてしまう後から見返したいメモもある。その場合に、目的のメモを探すためのインターフェースは何がいいのだろうか。いろいろ考え、いろいろ悩む。GoogleもGmailではフォルダー構造を採用していない一方で、Google Driveではフォルダー構造を採用している。それはフォルダーごとに公開範囲や編集権限を設定する行為が人間にとってわかりやすいからだ。ラベルやタグで実現することも可能ではあったろうが、フォルダーという塊で目に見えた方が理解しやすい。そういう場合もある、使い分けなのだ。
話を戻してmimemo。これも公開範囲の概念や、共同編集の概念を持っている。であれば仮に「フォルダー」が作れて、そのフォルダーの中のメモはフォルダーの公開範囲や権限設定を引き継ぐのがわかりやすいのではないか、と思う。タグは既にハッシュタグの形式でできるようになっているし、それはそれでよい。でも例えば引き出しや封筒にまとめて入れておけるように、フォルダーに入れておけるメリットもあるのではないか。そういう仮説の元に「フォルダー」機能(仮)を作ってみようかな、と思っている。