3.奇怪と卑しめ version 2

2023/01/31 19:58 by someone
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白紙のページ奇怪と唯一
「妹さんが…」
「ああ、1年前に」
それは桧山初樹にとって突然の事だった。
その日、初樹は"妹の由希が救急搬送された"と実家の家族から連絡を受けた。病室に入ると、そこには昏睡状態となった妹と、目に涙を浮かべた両親の姿があったという。
警察からは外傷等の状況から、何者かに襲われたと見られると説明された。
しかし由希が発見された現場は、朝憬市(あかりし)の中心街にある大型交差点の中央部。時間は夜18時48分。通行人が行き交う中で発見された。通っていた朝憬東高校を下校してから、その時間まで彼女を見た人間は誰もいなかった。由希は不意に何処かへ消え、そしてその後外傷を受け、倒れた状態で交差点に現れたことになる。

「…何で、言ってくれなかったんだよ」
「まだ、花っちとの友人関係が今ほど出来てなかったろ」
「でも…」
しかし花森健人にはそれ以上の言葉を紡ぐことはできなかった。言われたところで何も出来ることはなかっただろう。それは健人自身が最もよく知っていた。
「それから、血眼になって由希に何が起きたのか調べたよ」
「調べたって…」
「警察の調べじゃ、殆ど何も出てこなかったからな」
通常の事件ではない。しかしこの奇怪な事件は確かに事件性を有していた。にも拘らず手掛かりはほぼ皆無。しかし初樹は諦めることも納得も出来なかった。その執念を以て、あらゆるアプローチで二つの糸口を見出だしたという。
「"ここ数年、朝憬市で起きた失踪事件の現場では、ある粒子が観測されてるーー"そう流布した人がいた」
      

「妹さんが…」
「ああ、1年前に」
それは桧山初樹にとって突然の事だった。
その日、初樹は"妹の由希が救急搬送された"と実家の家族から連絡を受けた。病室に入ると、そこには昏睡状態となった妹と、目に涙を浮かべた両親の姿があったという。
警察からは外傷等の状況から、何者かに襲われたと見られると説明された。
しかし由希が発見された現場は、朝憬市(あかりし)の中心街にある大型交差点の中央部。時間は夜18時48分。通行人が行き交う中で発見された。通っていた朝憬東高校を下校してから、その時間まで彼女を見た人間は誰もいなかった。由希は不意に何処かへ消え、そしてその後外傷を受け、倒れた状態で交差点に現れたことになる。

「…何で、言ってくれなかったんだよ」
「まだ、花っちとの友人関係が今ほど出来てなかったろ」
「でも…」
しかし花森健人にはそれ以上の言葉を紡ぐことはできなかった。言われたところで何も出来ることはなかっただろう。それは健人自身が最もよく知っていた。
「それから、血眼になって由希に何が起きたのか調べたよ」
「調べたって…」
「警察の調べじゃ、殆ど何も出てこなかったからな」
通常の事件ではない。しかしこの奇怪な事件は確かに事件性を有していた。にも拘らず手掛かりはほぼ皆無。しかし初樹は諦めることも納得も出来なかった。その執念を以て、あらゆるアプローチで二つの糸口を見出だしたという。
「"ここ数年、朝憬市で起きた失踪事件の現場では、ある粒子が観測されてるーー"そう流布した人がいた」