https://note.mu/fladdict/n/ne974b48fa46d
https://note.mu/fladdict/n/nc9277bd5a3c4
fladdictさんの記事でだいたい考えてたような事は網羅されてるので、補記のような何か。随時更新。
ちなみに以下のメモに出てくる「面白い」というのは、だいたい「新陳代謝がよく発見があり、見る価値のあるもの・質の高いものが上位にくる」みたいな意味。
例えば、「小説のランキング」というのを考えるとする。
小説にはいろんなジャンルがあり、たとえばSFと恋愛小説では、潜在的な読者数が全く違う。SF読者は、おそらく恋愛小説の読者と比べたらずっと少ない。
その状況で、全ジャンルまとめてランキングを作ると、大抵は恋愛小説が多くランクインする。SFは何か特別な事でも起こらない限りランクインすることはない。
結果、SFを好んで読む読者にとってはまるで見る価値のないランキングができあがる。
見る価値がないだけならまだしも、ランキングが「このサイトにおいては恋愛小説こそ正義」というメッセージを発してしまうため、SFを書く人も読者も「ここは自分の居場所じゃない」と感じて離れていったり、一方で恋愛小説が人気だから、と恋愛小説を書く人が増えていったり、みたいな流れでコンテンツの多様性が失われていく事につながる。[1]
ランキングが有用で面白いものになるためには、前提として「参加者(作者+閲覧者)の価値基準が統一されていて、かつその価値基準がランキングにある程度正しく反映されている」という事が必要。
たとえばpixvみたいに「絵の方向=主に萌え系」「絵が上手な奴が偉い」っていう風に、おおよそ価値観が統一されている場であれば、どんな方法でランキングを出してもわりと面白いランキングになる。(もちろんいろんな工夫はしたほうがいいけど)
一方で、YouTubeのように、ユーチューバー動画やら音楽動画やら何やらといろんな価値観の動画が混ざり合っている場だと、全体でランキングを出した場合には「全体的に何が流行ってるか」と「どういう人が多く見てるか」くらいしかつかめず、さして面白みもなくただ上位陣が得するだけのものになりやすい。
そんなわけで、YouTubeみたいな多種多様な価値観が混じり合う場であれば、ある程度カテゴリ分けをした上でランキングを出すか、パーソナライズをするか、というのが主な選択肢になる。YouTubeは主に後者で対応していて、トレンド動画のページもあるけどあまり前には出していない。
で、前者の「カテゴリ分け」で対応する場合、例えば小説のランキングだったら、「SF」とか「ミステリ」とかいったジャンルを運営側で用意する場合が多いと思う。
しかしネットでは急に新興ジャンルが産まれたりするし、ジャンルをまたいだり、ジャンルの辺縁にあるようなもの、カテゴライズ不能なものに強烈な面白さが宿る事も結構ある。
なので、ジャンルわけは、タグなどユーザ主導で作れるものを元にしたものを用意するとか、新しい動きに目の利く人間を運営側に持つなどして、何か新しい動きが起こった時にすぐにキャッチアップできる仕組みもあると楽しい。
「小説家になろう」のランキング上位が異世界転生ものラノベで埋め尽くされたのは、恐らくそういうランキングを通したジャンルと参加者の選別が行われた結果だろうし、CD売り上げランキングの上位にジャニーズとAKBしかなかった、みたいな話も、リスナー数/商品購入意欲ののまるで違うジャンルのCD同士を比べればそういう事も起こるよねっていうアレ。 ↩︎