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始まりは悲哀からだった。 その中にあって、尚も呼吸を続けるには、その出会いは必要だった。 二柱の神は、抱いていた憧憬の先に互いを見つけた。 二柱は互いを知らない。だがその存在は確かに感じていた。 二柱の一方は詩を抱き、もう一方は言葉を携えていた。 詩の神は、世界に美しさを見出すべく詩を唄うも、世界に伝えること難く、涙した。 言葉の神はその涙を知るも、だが言葉で涙を拭うこと叶わず、悲しき言葉を詩の神に向けた。 しかして、二柱は詩と言葉を編んで物語とし、星の方舟に乗せて空に流す。 その先に見出されるものを信じて。 其れは、慈しまれる希望 其れは、唯一の贖い 其れは、贈りあう貰い火 其れは、...繋ぐ――
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