ぼくしぴ13期/ 春プロローグ version 15
ぼくしぴ13期/ 春プロローグ
春、新たな年度を迎えてヒメヒオウギ学園にも新たな季節がやってきた。
入学してきたばかりの新入生を捕まえようと、1週間ほど前からサークル棟は勧誘の嵐で賑やかなものだ。
潮「おやおやぁ、巷は賑やかなものだ。楽しそうといえば楽しそうだけど、・・・・・・うらやましいかと言われると何とも微妙な気持ちになるというものだね」
サークル棟最上階の部屋の窓を開ければ心地の良い風と数枚の桜の花びらは部屋へと舞い込んでくる。そこから屈託のない笑顔で下を見る潮の様子に、思わず加百祢の表情も緩むというものだ。
加百祢「そうですね。ありがたいことに僕たちのサークルは早々に定員に達したし、・・・・・・とっても素敵な人たちばかり集まってくれましたからね」
潮「そうだとも!おかげでこの一年、まったく退屈せずに済みそうだ!」
そんな会話をしながら、これから始まるであろう愉快な日々に思いを馳せていれば、コンコンと部屋の扉をノックする音が聞こえた。
潮「・・・・・・来たかな!」
のんびり外を眺めていて気が付かなかったが、既に時計はメンバー合流の約束の時間を指していた。
潮は待ってましたと言わんばかりに、机の上に準備していたクラッカーを2,3個手に取ると、そのまま加百祢に視線を向ける。
準備はいいか!とでも言いたげなその表情に加百祢も笑顔でうなずくと、「どうぞ~」と扉の向こう側へ声をかけた。
「失礼しま・・・・・・」
「「ようこそ~~!!」」
扉が開かれると同時に、パンパンパン・・・と軽快な音があたりに響き渡る。
開かれた扉の外を見るとどうやらそこには既にサークルメンバー全員がそろっていたようで、代表して扉を開けたのであろう、個性的なファッションの少年が驚いているのかどうなのか、真顔のままクラッカーから飛び出した紙吹雪にまみれていた。
潮「おや?全員一緒だったのだね、せっかく全員にクラッカーを浴びせようと思っていたのに・・・こんなことならもっとたくさん鳴らせばよかったかな?」
加百祢「ふふ、いいじゃないですか。まだまだ鳴らす機会はたくさんありますよ。さ、皆さんも中へどうぞ」
加百祢がそう促せば、メンバー達は少し遠慮がちにサークル室へと足を踏み入れる。
好きなところに座ってね、なんて言う潮の言葉を聞いてソファーであったり、一人掛けのパイプ椅子であったり、室内には不似合いな丸太のベンチであったり、思い思いの場所に腰かけた。
全員が着席したことを確認すると、満足そうに笑顔を浮かべたまま潮が話し出す。
潮「では改めて、私がこのサークルの長、汐見潮だ!気軽に潮と呼んで欲しい。当学園の様々なサークルの中から我がサークルを選んでくれたこと、心より感謝する!」
潮「君たちと顔を合わせた瞬間に確信したよ、このサークルはとってもいいものになる!君たちに最高の一年間を約束しよう!」
溢れ出んばかりの自信に満ちた潮は、そのままチラリと視線を加百祢に向ける。
潮「さぁ加百祢君、君の番だよ!」
加百祢「ふふ、ええ。わかっていますよ。彼女のサポートを務めています、甘々加百祢です。よろしくお願いしますね。何かわからないことがあったな何でも聞いて下さい」
加百祢「ふふ、ええ。わかっていますよ。彼女のサポートを務めています、甘々加百祢です。よろしくお願いしますね。何かわからないことがあったら何でも聞いて下さい」
潮とは対照的に、穏やかで静かな笑顔を浮かべつつ加百祢はメンバー達に向けてペコリと軽く頭を下げた。
潮「さて・・・、では早速で悪いけど次は君たちの自己紹介をしてもらおうかな。お互いの呼び名も分からぬままでは弾むものも弾まないというもの!・・・じゃあ、最初にドアを開けてくれた君から頼むよ!そこから時計回りに行こうか!」
潮が自己紹介を促すように手を差し出したのは、個性的な面々を集めたこの場においても一際存在感を放つ奇抜なファッションの少年。
先程クラッカーの紙吹雪を一身に受けたせいか、未だ髪の先に紙片をくっつけたままの少年が促されるままに口を開く。
甘夏「日照甘夏。二年生、よろしく」
端的かつシンプルな自己紹介をした甘夏のとなりで、一人の少女が興味深そうにその様子を眺めていた。
視線の先はその奇抜ともいえるような特徴的なファッションのようで。
宍和「アナタ、とっても素敵なお洋服を着てるのね。とっても似合ってる」
甘夏「(でしょう?かわいいでしょう?みたいなセリフ入れたい)」
宍和「えぇ、とても素敵。・・・・・・アラ、失礼。自己紹介だったわね」
少女はスカートをヒラリ揺らしながら、甘夏に向けていた視線を改めてみんなのほうへと向きなおす。
宍和「アタシは貝寄風宍和。レトロなものが好きで、この学園ではデザインのお勉強をしてるの。・・・この子と一緒にね!」
そう話を振られたの少女は、ワンテンポ遅れながらも宍和の自己紹介に続くように口を開く。
ノエル「……柊木ノエル。える、って呼んで。……このサークルのこと、よくわからないけど……よろしく」
潮「ふむふむ!オシャレなメンバーが多くて非常に喜ばしいね!いろいろと教えて頂きたいものだよ!」
そんなテンポの良い自己紹介の中、パンッと、どこかで聞いたような小気味よい音が再び響く。
見れば加百祢が余っていたクラッカーを再び鳴らしたようで、キラキラとした紙吹雪やリボンがひらひらと宙を舞っていた。
ネネ「わっ・・・!びっくりした・・・!」
加百祢「おや、失礼しました。準備していたクラッカーがたくさん余ってしまったので、せっかくなら積極的に鳴らしていこうと思いまして・・・もしよろしければいかがですか?」
ノエル「……っ!!」
突然の音に、自己紹介を終えたばかりのノエルが思わずびくりと体を震わせる。
加百祢「おや、失礼しました。驚かせてしまったようで。準備していたクラッカーがたくさん余ってしまったので、せっかくなら積極的に鳴らしていこうと思いまして・・・もしよろしければ皆さんもいかがです?」
加百祢はそういいながら机の上に余っていたクラッカーを手に取ると、それをそのまま隣にいたネネに手渡せば、次に自己紹介を控えていたネネは少し戸惑ったような表情を浮かべつつ加百祢の手からそのクラッカーを受け取った。
ネネ「……そうですね、では……せっかくなので」
ネネ「暁ネネ、といいます。母がオランダの方で、数年前まではオランダに住んでいました。みなさん、よろしくお願いします」
にこっ、と笑顔を浮かべて、合わせて手にしたクラッカーをパンッと鳴らした。
そんな少し変わった自己紹介の流れを面白く感じたのか、じゃあ俺も、と次の青年も同じようにクラッカーを手に取った。
冴雨「柴乃冴雨です。道覚えるのとかが苦手で今日もここまで来るのに友達に連れてきてもらいました。よろしく」
(この流れのどっかにスチル① スチル次第で文章要修正)
悠生「その友達を連れてきました、古いに寺って書いてフルトです!旅行とか好きなんで、お土産とかたくさん持ってきます!よろしく!」
明日「この流れ……次はあすちゃんかな~?こんちゃ~っす!いつもニコニコ!ハッピーなあすちゃんだぜ!明るく楽しく前向きに、がモットー!よろしくー!」
潮「うんうん、二人とも明るくて非常にいいね!一緒にサークルを盛り上げていこうー!」
賑やかに自己紹介を進めていく面々を見て、自己紹介の順番を次に控えた女性が楽しそうに笑みを浮かべる。
希依「楽しそうな方が多くてこれからが楽しみですね。……申し遅れました、小豆畑希依といいます。これ、……うちの和菓子屋の御菓子なので良ければ皆さんで召し上がってください」
めぐる「わたしは飛沫めぐる、っていうの! このサークルで青春謳歌しちゃいます~!えいえい、おー!」
加百祢「和菓子屋さんなんですね、ありがとうございます。せっかくですし、後ほど皆さんでいただきましょうか」
潮「そうだな!この後懇親会も計画しているのでそこで頂くとしようか!・・・というわけで、さぁ、残るは君一人だ!自己紹介の大トリを務めて頂こうかな!」
梓乃「まさか最後になっちゃうなんてね。俺は夜塚梓乃、校内で万事屋をやってるよ。何かお困りごとがあればいつでも相談にのるから。仲良くしてくれると嬉しいな」
加百祢「おや、万事屋さんとは心強いですね。何かあれば相談してみることにしましょう。ね、潮さん」
潮「うんうん!さて、それじゃあ無事全員の自己紹介も終わったことだし、このまま親睦会になだれ込むとしようか!名前と顔を知っただけではまだまだ足りないというもの、もっと交流を深めて早くみんな仲良しになって欲しいからね!」
希依「この後親睦会、という事であれば・・・早速準備をしないといけませんね」
めぐる「ふんふん、潮ちゃん、会場はこのお部屋でいいのかなぁ?」
自己紹介を終えたメンバー達がそれぞれ準備に取り掛かろうと動き出せば、その様子を見ていた潮はふっふっふ……、と若干怪しげな笑みを浮かべて見せた。
潮「ふふふ、初日からみんなの手を煩わせるような事するわけないだろう?……親睦会の準備は、しっかりばっちり!!もう終わっているよ!!ねぇ、加百祢君!」
加百祢「えぇ、もちろんです。皆さんはゆっくりお茶とお菓子を楽しんでください」
甘夏「準備できてる、って……、どの辺に?」
広い部屋をくるりと見渡してハテナマークを浮かべたメンバー達を、潮は楽しそうな表情で見つめている。
そしてくるりと背を見せたかと思えば、部屋にあった大きな窓をスパァン!と勢いよく開いた。
ふわりと風が吹き込んでくるのと同時に、ひらひらと桜の花びらが舞い込んでくる。
窓の外は、満開の桜。
潮「見たまえよ!外はこんなにも美しい桜が咲き誇っているというのに、部屋の中に籠るなどナンセンスだと思わないかい!」
***
加百祢「さ、みなさん。こちらに準備が出来上がっています。存分に親交を深めてくださいね」
潮と加百祢、二人に促されるようにサークル棟の中庭まで下りてきたメンバーたちが見たのは、満開の桜の中にセッティングされたお茶会場だった。
大きな机と人数分の椅子、それからとてもこの人数で食べきれるのかと心配になるほど大量の軽食、スイーツ、ドリンク……。
窓スパァン!!
※ここでストーカー組が桜がきれいだね~みたいな会話
梓乃「桜も勿論、こっちの規模も……、いちサークルの親睦会とはとても思えないほどだよね」
過剰とも思えるほど机にみっちりと敷き詰められたお菓子や飲み物の類をちらりと見てそういえば、その言葉が聞こえていたのか、加百祢がふふふ、と小さく笑みをこぼした。
加百祢「そこが潮さんの良いところですね。皆さんをできうる限りの全力で歓迎したいと仰って……、私財を投じたとも言ってましたよ」
冴雨「私財を投じた、って……、凄いな、潮さんのサークルに対する熱意が垣間見えるというか」
悠生「ほんとにねぇ、こりゃあ存分に楽しまないと逆に申し訳なくなっちゃうなぁ!」
あふれ出んばかりの潮のサークルにかける熱意を垣間見たメンバーは、感嘆とほんの少しの驚きを含んだ表情を浮かべている。
一方で、並べられたスイーツにキラキラと目を輝かせているメンバーもいて。
明日「見てみて、こっちはあの有名店のケーキで、こっちはあの行列の絶えないお店のクッキー……!おいしそ~!」
梓乃「……、本当だ、おいしい。行列ができるっていうのも納得できるかも」
悠生「飲み物無い人いる~?せっかくだしみんなで乾杯でもしようよ」
(スチル)
では、と加百祢が人数分のグラスを並べると、手際よくジュースをそこに注いでゆく。
その場にいた全員にグラスが渡ったことを確認すると、自分の持っていたグラスを軽く掲げてにっこりと笑顔を浮かべた。
加百祢「では、この素敵な出会いに乾杯……、って感じでしょうか?」
ネネ「そうですね、素敵な一年になることを期待しています」
明日「乾杯乾杯かんぱーい!」
(なんかもうチョイ書きましょう)
***
一方で、机の空いている一角では希依が抱えていた風呂敷をひらりと広げると、中からきれいな漆塗りの箱を取り出していた。
潮「おや、それは先ほど言っていた和菓子、かな?」
希依「はい、みなさんのお口に合うと良いのですが」
遠慮がちに蓋を開けば、中には色とりどりの練り切りがきれいに並んでいた。
甘夏「ふーん、カラフルでかわいいじゃん」
めぐる「わ~!先輩のおうちの和菓子はやっぱりいつみてもきれいで美味しそうですね!」
宍和「本当。私は……、これがいいわ!形がかわいらしくて食べてしまうのが少しもったいない気もするけど」
ノエル「じゃあ、私はこれ……。この薄いピンクがとっても綺麗」
(スチル)
みんなでそろって和菓子を口に運べば、滑らかな舌触りに控えめな甘さ、文句のつけようもない美味しさに思わず表情が緩むというもの。
みんなでおいしい~、と口をそろえては、顔を見合わせてクスリと笑う。
ノエル「……桜の御花を見ながらきれいな和菓子、日本の風流的なものを感じる……」
宍和「ほんとに。お外での御茶会というのも素敵だわ」
めぐる「……花より団子、という感じになりそうな気も」
甘夏「んー、だって美味しいもんね。この和菓子。ボクも気に入っちゃったな」
希依「ふふ、ありがとうございます。またお持ちしますね」
春、新たな年度を迎えてヒメヒオウギ学園にも新たな季節がやってきた。
入学してきたばかりの新入生を捕まえようと、1週間ほど前からサークル棟は勧誘の嵐で賑やかなものだ。
潮「おやおやぁ、巷は賑やかなものだ。楽しそうといえば楽しそうだけど、・・・・・・うらやましいかと言われると何とも微妙な気持ちになるというものだね」
サークル棟最上階の部屋の窓を開ければ心地の良い風と数枚の桜の花びらは部屋へと舞い込んでくる。そこから屈託のない笑顔で下を見る潮の様子に、思わず加百祢の表情も緩むというものだ。
加百祢「そうですね。ありがたいことに僕たちのサークルは早々に定員に達したし、・・・・・・とっても素敵な人たちばかり集まってくれましたからね」
潮「そうだとも!おかげでこの一年、まったく退屈せずに済みそうだ!」
そんな会話をしながら、これから始まるであろう愉快な日々に思いを馳せていれば、コンコンと部屋の扉をノックする音が聞こえた。
潮「・・・・・・来たかな!」
のんびり外を眺めていて気が付かなかったが、既に時計はメンバー合流の約束の時間を指していた。
潮は待ってましたと言わんばかりに、机の上に準備していたクラッカーを2,3個手に取ると、そのまま加百祢に視線を向ける。
準備はいいか!とでも言いたげなその表情に加百祢も笑顔でうなずくと、「どうぞ~」と扉の向こう側へ声をかけた。
「失礼しま・・・・・・」
「「ようこそ~~!!」」
扉が開かれると同時に、パンパンパン・・・と軽快な音があたりに響き渡る。
開かれた扉の外を見るとどうやらそこには既にサークルメンバー全員がそろっていたようで、代表して扉を開けたのであろう、個性的なファッションの少年が驚いているのかどうなのか、真顔のままクラッカーから飛び出した紙吹雪にまみれていた。
潮「おや?全員一緒だったのだね、せっかく全員にクラッカーを浴びせようと思っていたのに・・・こんなことならもっとたくさん鳴らせばよかったかな?」
加百祢「ふふ、いいじゃないですか。まだまだ鳴らす機会はたくさんありますよ。さ、皆さんも中へどうぞ」
加百祢がそう促せば、メンバー達は少し遠慮がちにサークル室へと足を踏み入れる。
好きなところに座ってね、なんて言う潮の言葉を聞いてソファーであったり、一人掛けのパイプ椅子であったり、室内には不似合いな丸太のベンチであったり、思い思いの場所に腰かけた。
全員が着席したことを確認すると、満足そうに笑顔を浮かべたまま潮が話し出す。
潮「では改めて、私がこのサークルの長、汐見潮だ!気軽に潮と呼んで欲しい。当学園の様々なサークルの中から我がサークルを選んでくれたこと、心より感謝する!」
潮「君たちと顔を合わせた瞬間に確信したよ、このサークルはとってもいいものになる!君たちに最高の一年間を約束しよう!」
溢れ出んばかりの自信に満ちた潮は、そのままチラリと視線を加百祢に向ける。
潮「さぁ加百祢君、君の番だよ!」
加百祢「ふふ、ええ。わかっていますよ。彼女のサポートを務めています、甘々加百祢です。よろしくお願いしますね。何かわからないことがあったら何でも聞いて下さい」
潮とは対照的に、穏やかで静かな笑顔を浮かべつつ加百祢はメンバー達に向けてペコリと軽く頭を下げた。
潮「さて・・・、では早速で悪いけど次は君たちの自己紹介をしてもらおうかな。お互いの呼び名も分からぬままでは弾むものも弾まないというもの!・・・じゃあ、最初にドアを開けてくれた君から頼むよ!そこから時計回りに行こうか!」
潮が自己紹介を促すように手を差し出したのは、個性的な面々を集めたこの場においても一際存在感を放つ奇抜なファッションの少年。
先程クラッカーの紙吹雪を一身に受けたせいか、未だ髪の先に紙片をくっつけたままの少年が促されるままに口を開く。
甘夏「日照甘夏。二年生、よろしく」
端的かつシンプルな自己紹介をした甘夏のとなりで、一人の少女が興味深そうにその様子を眺めていた。
視線の先はその奇抜ともいえるような特徴的なファッションのようで。
宍和「アナタ、とっても素敵なお洋服を着てるのね。とっても似合ってる」
甘夏「(でしょう?かわいいでしょう?みたいなセリフ入れたい)」
宍和「えぇ、とても素敵。・・・・・・アラ、失礼。自己紹介だったわね」
少女はスカートをヒラリ揺らしながら、甘夏に向けていた視線を改めてみんなのほうへと向きなおす。
宍和「アタシは貝寄風宍和。レトロなものが好きで、この学園ではデザインのお勉強をしてるの。・・・この子と一緒にね!」
そう話を振られたの少女は、ワンテンポ遅れながらも宍和の自己紹介に続くように口を開く。
ノエル「……柊木ノエル。える、って呼んで。……このサークルのこと、よくわからないけど……よろしく」
潮「ふむふむ!オシャレなメンバーが多くて非常に喜ばしいね!いろいろと教えて頂きたいものだよ!」
そんなテンポの良い自己紹介の中、パンッと、どこかで聞いたような小気味よい音が再び響く。
見れば加百祢が余っていたクラッカーを再び鳴らしたようで、キラキラとした紙吹雪やリボンがひらひらと宙を舞っていた。
ノエル「……っ!!」
突然の音に、自己紹介を終えたばかりのノエルが思わずびくりと体を震わせる。
加百祢「おや、失礼しました。驚かせてしまったようで。準備していたクラッカーがたくさん余ってしまったので、せっかくなら積極的に鳴らしていこうと思いまして・・・もしよろしければ皆さんもいかがです?」
加百祢はそういいながら机の上に余っていたクラッカーを手に取ると、それをそのまま隣にいたネネに手渡せば、次に自己紹介を控えていたネネは少し戸惑ったような表情を浮かべつつ加百祢の手からそのクラッカーを受け取った。
ネネ「……そうですね、では……せっかくなので」
ネネ「暁ネネ、といいます。母がオランダの方で、数年前まではオランダに住んでいました。みなさん、よろしくお願いします」
にこっ、と笑顔を浮かべて、合わせて手にしたクラッカーをパンッと鳴らした。
そんな少し変わった自己紹介の流れを面白く感じたのか、じゃあ俺も、と次の青年も同じようにクラッカーを手に取った。
冴雨「柴乃冴雨です。道覚えるのとかが苦手で今日もここまで来るのに友達に連れてきてもらいました。よろしく」
(この流れのどっかにスチル① スチル次第で文章要修正)
悠生「その友達を連れてきました、古いに寺って書いてフルトです!旅行とか好きなんで、お土産とかたくさん持ってきます!よろしく!」
明日「この流れ……次はあすちゃんかな~?こんちゃ~っす!いつもニコニコ!ハッピーなあすちゃんだぜ!明るく楽しく前向きに、がモットー!よろしくー!」
潮「うんうん、二人とも明るくて非常にいいね!一緒にサークルを盛り上げていこうー!」
賑やかに自己紹介を進めていく面々を見て、自己紹介の順番を次に控えた女性が楽しそうに笑みを浮かべる。
希依「楽しそうな方が多くてこれからが楽しみですね。……申し遅れました、小豆畑希依といいます。これ、……うちの和菓子屋の御菓子なので良ければ皆さんで召し上がってください」
めぐる「わたしは飛沫めぐる、っていうの! このサークルで青春謳歌しちゃいます~!えいえい、おー!」
加百祢「和菓子屋さんなんですね、ありがとうございます。せっかくですし、後ほど皆さんでいただきましょうか」
潮「そうだな!この後懇親会も計画しているのでそこで頂くとしようか!・・・というわけで、さぁ、残るは君一人だ!自己紹介の大トリを務めて頂こうかな!」
梓乃「まさか最後になっちゃうなんてね。俺は夜塚梓乃、校内で万事屋をやってるよ。何かお困りごとがあればいつでも相談にのるから。仲良くしてくれると嬉しいな」
加百祢「おや、万事屋さんとは心強いですね。何かあれば相談してみることにしましょう。ね、潮さん」
潮「うんうん!さて、それじゃあ無事全員の自己紹介も終わったことだし、このまま親睦会になだれ込むとしようか!名前と顔を知っただけではまだまだ足りないというもの、もっと交流を深めて早くみんな仲良しになって欲しいからね!」
希依「この後親睦会、という事であれば・・・早速準備をしないといけませんね」
めぐる「ふんふん、潮ちゃん、会場はこのお部屋でいいのかなぁ?」
自己紹介を終えたメンバー達がそれぞれ準備に取り掛かろうと動き出せば、その様子を見ていた潮はふっふっふ……、と若干怪しげな笑みを浮かべて見せた。
潮「ふふふ、初日からみんなの手を煩わせるような事するわけないだろう?……親睦会の準備は、しっかりばっちり!!もう終わっているよ!!ねぇ、加百祢君!」
加百祢「えぇ、もちろんです。皆さんはゆっくりお茶とお菓子を楽しんでください」
甘夏「準備できてる、って……、どの辺に?」
広い部屋をくるりと見渡してハテナマークを浮かべたメンバー達を、潮は楽しそうな表情で見つめている。
そしてくるりと背を見せたかと思えば、部屋にあった大きな窓をスパァン!と勢いよく開いた。
ふわりと風が吹き込んでくるのと同時に、ひらひらと桜の花びらが舞い込んでくる。
窓の外は、満開の桜。
潮「見たまえよ!外はこんなにも美しい桜が咲き誇っているというのに、部屋の中に籠るなどナンセンスだと思わないかい!」
加百祢「さ、みなさん。こちらに準備が出来上がっています。存分に親交を深めてくださいね」
潮と加百祢、二人に促されるようにサークル棟の中庭まで下りてきたメンバーたちが見たのは、満開の桜の中にセッティングされたお茶会場だった。
大きな机と人数分の椅子、それからとてもこの人数で食べきれるのかと心配になるほど大量の軽食、スイーツ、ドリンク……。
※ここでストーカー組が桜がきれいだね~みたいな会話
梓乃「桜も勿論、こっちの規模も……、いちサークルの親睦会とはとても思えないほどだよね」
過剰とも思えるほど机にみっちりと敷き詰められたお菓子や飲み物の類をちらりと見てそういえば、その言葉が聞こえていたのか、加百祢がふふふ、と小さく笑みをこぼした。
加百祢「そこが潮さんの良いところですね。皆さんをできうる限りの全力で歓迎したいと仰って……、私財を投じたとも言ってましたよ」
冴雨「私財を投じた、って……、凄いな、潮さんのサークルに対する熱意が垣間見えるというか」
悠生「ほんとにねぇ、こりゃあ存分に楽しまないと逆に申し訳なくなっちゃうなぁ!」
あふれ出んばかりの潮のサークルにかける熱意を垣間見たメンバーは、感嘆とほんの少しの驚きを含んだ表情を浮かべている。
一方で、並べられたスイーツにキラキラと目を輝かせているメンバーもいて。
明日「見てみて、こっちはあの有名店のケーキで、こっちはあの行列の絶えないお店のクッキー……!おいしそ~!」
梓乃「……、本当だ、おいしい。行列ができるっていうのも納得できるかも」
悠生「飲み物無い人いる~?せっかくだしみんなで乾杯でもしようよ」
(スチル)
では、と加百祢が人数分のグラスを並べると、手際よくジュースをそこに注いでゆく。
その場にいた全員にグラスが渡ったことを確認すると、自分の持っていたグラスを軽く掲げてにっこりと笑顔を浮かべた。
加百祢「では、この素敵な出会いに乾杯……、って感じでしょうか?」
ネネ「そうですね、素敵な一年になることを期待しています」
明日「乾杯乾杯かんぱーい!」
(なんかもうチョイ書きましょう)
一方で、机の空いている一角では希依が抱えていた風呂敷をひらりと広げると、中からきれいな漆塗りの箱を取り出していた。
潮「おや、それは先ほど言っていた和菓子、かな?」
希依「はい、みなさんのお口に合うと良いのですが」
遠慮がちに蓋を開けば、中には色とりどりの練り切りがきれいに並んでいた。
甘夏「ふーん、カラフルでかわいいじゃん」
めぐる「わ~!先輩のおうちの和菓子はやっぱりいつみてもきれいで美味しそうですね!」
宍和「本当。私は……、これがいいわ!形がかわいらしくて食べてしまうのが少しもったいない気もするけど」
ノエル「じゃあ、私はこれ……。この薄いピンクがとっても綺麗」
(スチル)
みんなでそろって和菓子を口に運べば、滑らかな舌触りに控えめな甘さ、文句のつけようもない美味しさに思わず表情が緩むというもの。
みんなでおいしい~、と口をそろえては、顔を見合わせてクスリと笑う。
ノエル「……桜の御花を見ながらきれいな和菓子、日本の風流的なものを感じる……」
宍和「ほんとに。お外での御茶会というのも素敵だわ」
めぐる「……花より団子、という感じになりそうな気も」
甘夏「んー、だって美味しいもんね。この和菓子。ボクも気に入っちゃったな」
希依「ふふ、ありがとうございます。またお持ちしますね」