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🌠亮との出会い
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影魔が出たという叫び声を聞き、声の元に向かう心羽。 現場ではひとりの少年=亮が、影魔に襲われていた。 心羽は急いで変身し、影魔の攻撃を庇って亮を逃がす。 なんとか影魔を撃退すると、物陰で戦闘を見ていた亮が駆け寄ってきた。 「ありがとう!おかげで助かったよ」 「大丈夫ですか?怪我とかは…」 「平気平気!君は…えーっと、お名前は?」 「心羽です。そちらは?」 「俺は亮。よろしくね。心羽さんは…」 ここで心羽は亮が脚を怪我していることに気付く。 「あっその怪我!」 「ああこれは大丈夫だから」 「よくないですよ!砦に案内しますから!」 心羽は前に砦で救急手当をしてもらったことがあり、亮に肩を貸し砦に運んだ。 「心羽さんは優しいんだね」 亮は砦で手当を受けながら、ふと呟くように言った。 「亮さんもですよ!」 「えっ?」 心羽はあの時の声の主が亮であることに気付いていた。 「亮さんの呼びかけのおかげで、多くの人がいち早く避難できたから!」 「亮さんが自分を囮にしてるのを見て、きっと優しい人なんだろうなって」 亮は少し照れくさそうに笑った。 「そう言われると照れるなぁ。あ、敬語じゃなくていいよ」 「じゃあ、亮さ…亮くんも、さん付けしなくていいよ!」 次の日、心羽が出現した影魔との戦いに苦戦していると… 「心羽!大丈夫かい?ここは俺に任せろ!」 見慣れない中華風の衣装を纏った亮が、心羽に放たれた影魔の攻撃を防ぎながら戦闘に加わった。 「亮くん!?その格好…!」 「俺もアステラーになったんだ!」 亮がアステラーに? 心羽は頭のなかが疑問符でいっぱいになる。 しかし、そんな心羽をよそに、亮は圧倒的な速さで影魔を撃退してしまった。 「すごい…」 唖然とする心羽に、亮は変身を解いて話しかける。 「大丈夫ですか?怪我とかは…」 亮は昨日の心羽のセリフを真似た。 「あれ、そのセリフどっかで…」 亮が昨日の自分を真似しているに気付き、思わず笑みがこぼれる。 「ふふっ。亮くんって優しいし面白い人なんだね。怪我はないよ!それより、そんな力どこで…」 「そっか、それならよかった!今時間はある?この近くに俺の家があるから、そこでゆっくり話すよ」 亮に案内され、亮の家にたどり着く。するとそこは巨大な工務店だった。 「へぇー!亮くん家って工務店だったの!」 「そうだよ!一家11人全員が従業員で、俺の家は代々この工務店を継いでるんだ」 「家族11人ってすごいね!賑やかで楽しそう!」 「雇いの従業員もいるから、昼間はもっと賑やかになるよ」 心羽はお客さま用の応接間に案内された。 「亮くんも将来はこの工務店を継ぐの?」 「ああ。でも、もっと大きな工務店にして、どんな依頼でもこなせるようにするんだ。いつか、この街全体を支えられるような、大きな工務店に…」 「へぇー、街の生活を影で支えるなんて、カッコいいなー!憧れる!」 「そうかな?ありがとう」 「うんうん、その夢きっと叶うよ!」 「えっ?」 「優しい心を持った亮くんならできるよ!私も応援する!」 「ははっ、ありがとう。なんかできる気がしてきたよ」 その時、心羽の話し声が聞こえた亮の家族たちが、客が来たのかと勘違いして部屋に入ってきた。 「あら、お客さん?」 「あーちがうよ!この人は僕の友だ…」 「まぁ!ガールフレンド!?」 「ガールフレンドだと!?」 「うそだろ亮!」 「いつ出会ったの!?馴れ初めは!?」 「えーと、その…」 勘違いした家族がまくし立て、場の収集がつかなくなる。 「お名前はなんていうの?」 「心羽です。」 「心羽ちゃんっていうのね。お茶入れるから待ってて」 心羽はごたごたに巻き込まれ、亮一家と談話したり誤解を解いたりに奮闘し、気付いたら夕方になっていた。 本来は亮がアステラーになった経緯を聞くはずだったのに、うっかり聞き忘れていたことに気付いたのは家に帰ってからだった。
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