No.2 1/2 version 2

2021/06/12 14:43 by someone
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白紙のページNo.1

2020年4月13日、月曜日。その日の朝憬英道大学文学部一回生、花森剣人(ハナモリケント)のスケジュールは、言語表現、哲学概論、倫理学概論が午前中に1コマずつ。午後は自宅アパートの最寄りの古本屋兼ゲームショップ“ぶりっじ”でのアルバイト勤務が3時間だった。
…面倒くさい。起きるの怠い…月曜日特有の現実感を突き付けられた朝には、尚のこと身体も意識も重苦しく、布団の外には出たくない。スマートフォンのアラームが鳴る。まだ二週間前に買い換えたばかりで、その音色は初期設定のままだ。そのエレクトロな音色が、未だカーテンを閉めきった薄暗い部屋の中に響く。
「あぁ…」
なんで生きてるんだっけ。まあいいか、そんな禅問答も鬱陶しい…ただ身体が起こせない。その間もアラームは規則的なリズムで鳴動を続ける。そう急かすなよ、頼むから…次第に失望的な現実へと覚醒しゆく意識。剣人はスマートフォンを半開きの眼で睨みつけ、その電源ボタンを押すと、光るディスプレイに表示されたロック画面を操作する。
      

2020年4月13日、月曜日。その日の朝憬英道大学文学部一回生、花森剣人(ハナモリケント)のスケジュールは、言語表現、哲学概論、倫理学概論が午前中に1コマずつ。午後は自宅アパートの最寄りの古本屋兼ゲームショップ“ぶりっじ”でのアルバイト勤務が3時間だった。
…面倒くさい。起きるの怠い…月曜日特有の現実感を突き付けられた朝には、尚のこと身体も意識も重苦しく、布団の外には出たくない。スマートフォンのアラームが鳴る。まだ二週間前に買い換えたばかりで、その音色は初期設定のままだ。そのエレクトロな音色が、未だカーテンを閉めきった薄暗い部屋の中に響く。
「あぁ…」
なんで生きてるんだっけ。まあいいか、そんな禅問答も鬱陶しい…ただ身体が起こせない。その間もアラームは規則的なリズムで鳴動を続ける。そう急かすなよ、頼むから…次第に失望的な現実へと覚醒しゆく意識。剣人はスマートフォンを半開きの眼で睨みつけ、その電源ボタンを押すと、光るディスプレイに表示されたロック画面を操作する。