0 新クレギオンPrivateReaction『人参と片想い』(5)
新クレギオンPR『人参と片想い』(5)
時は流れ1952年8月
世界はレフ・ダヴィドのUSSRによって赤化しようとしていた
日米開戦後、USSRはモスクワ前面まで迫っていたナチスドイツを押し戻し、そのままの勢いでベルリンを占領。その後も周辺国を着々と赤化して欧州覇権を確実なものとした。
エルミリアもUSAとの激戦を制したのち、世界各地でレフのUSSRと激戦を繰り広げたが人的損耗が激しく徐々に追い詰められてユーラシア大陸の戦線も崩壊。
世界の趨勢は決しようとしていた。
「やーん、レフ強すぎー」
USSRの猛攻にJAPANはついにユーラシア大陸最後の拠点を失い
残す領土は日本列島のみとなった
これがじいじ達との対人戦だったら、自分から降伏していただろう。
でも、エルミリアはレフとの世界征服ゲームを最後まで真剣に戦おうと心に決めていた。
誘ったのは自分からだし、それが一緒にゲームしてくれた人への礼儀だと思ったから?
ううん。そうすることでレフと少しでも同じ世界を感じ、同じ時間を過ごせるから。
多分、レフは核兵器も大陸間弾道弾も開発を完了しているんだろうな……
次の瞬間にはTokyoとOsakaにキノコ雲が二つ並んでGAME OVERなのかも……
その時はちゃんと笑顔で「負けちゃった。世界征服おめでとう!レフ」って言えるかな?
少し考え込んでいたレフの手がついに動き、エルミリアの眼前にメッセージが表示される
『 [USSRからJAPANへ降伏勧告] 降伏しますか? [受諾] / [拒否] 』
驚いてレフを見かえすエルミリアに、レフは優しくこう言った
「ボク。レフ・ダヴィドは、君との世界を望むよ。皇女エルミリア」
エルミリアは「……うん」と小さくうなづいて同意した。
負けたのに、嬉しさで感情があふれ出して、涙を抑えることができなかった。
(つづく)
第六話
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