Silent_Bloom/01_Origin/2025-05-05 version 2

2025/05/24 16:29 by ymdr4989 ymdr4989
  :追加された部分   :削除された部分
(差分が大きい場合、文字単位では表示しません)
Plot - /Silent _Bloom - /01 _Origin - /2025/-05/-05
# 🟥️Silent_Bloom-01_Origin-Stage+Scenario
-----
## 🟥️Origin Prologue : 失踪 (Into the Mist)
  - 🏞隣接 : サイレントブルーム (Silent Bloom)
  - 📜テキスト : ※オープニングの一環のように以下のテキストが表示される
    - 弟と兄のメッセージ : 「『普通と違う僕』をただの弟として見てくれた兄」「弟を守れなかったら自分がどうなるかわからない兄」
      - シヴァルとピアスのメッセージ?というミスリード。実際はノエイルとアルヴォスのメッセージ。
      - ノエイル「兄の中に、私の姿はどう映っていたのだろう。不器用な人だった」アルヴォス「本当に弟を理解できていたか。時にあの勇敢さが怖かった」
    - ヴェセルの語る都市伝説 : 「神に連れてかれた花嫁。指輪じゃなくて花嫁を縛らなきゃ意味ねえよな?」
      - リングチェーンとトゥルーエンドの「手錠」の伏線。
      - 「神に花嫁を奪われないよう、花婿は指輪に護符の糸を結んだが、糸のもう一方の端を花嫁の指に結ぶのを忘れた。手袋の中に指輪だけが残っていた。」
  - 🎬シナリオ :
    - 車で「落ち着ける場所に向かう」兄弟(ピアスとシヴァル)と兄の友人(ヴェセル)。
      - 弟を案じるピアス「寒いか?すぐに落ち着ける場所を探す。(着の身着の儘…だが、あのまま弟を置いておけなかった)」
      - プレイヤーには「社会の疎外から抜け出した兄弟」に見えるが、「弟を自分の手の中以外に置いておくことはできない」という意味。
    - ピアスが運転席。ヴェセルが助手席で、くだらない怪談を一人で話し続けている。
      - 神が花嫁を奪うという怪談。花婿が指輪にまじないをしたが、指輪だけが残されて花嫁は連れ去られた。
    - 後部座席のシヴァルは無言で窓の外を見詰めている(『普通と違う僕』だから落ち着ける場所がない?というミスリード。実際は誘拐)
      - 後部座席のシヴァルの肩に、ピアスにより重い革のジャンパー(拘束の象徴)が着せられているが、シヴァルが失踪したあとジャンパーだけが脱ぎ捨てられている。
    - 突如、濃密な霧が発生してホワイトアウト。道路を脱線して止まる車。意識を取り戻すと弟がいない。
    - ヴェセル「なんだこの霧?マジ怪奇現象かよ…」(怪談からの軽口のようだが、実際はヴェセルがシヴァルの素性をここで確信する)
  - 🌫️導線 : 霧の中に朧気に見えるシヴァルの影を追って、サイレントブルームの町へ。
-----
## 🟥️Origin Stage 01 : ビジターセンター (Visitor Center)
  - 🏞隣接 : ミルガーデン駅 (Myrrhgarden Station)
    - ホーム壁面の絵画「月下に咲く湖上の蓮」街のシンボル。片隅に「神が白き光を注ぎ、花が楽園の扉を開く」
      - 神婚派の基本的なシンボル(神=器が父となり、蓮=胎が母となり、楽園の扉が開く)
      - パンフレットの棚に「月光が降り注いで白い霧となり、蓮の花を咲かせるという言い伝え」の民間伝承。
      - ヴェセル「車の中で話しただろ?神サマが湖に嫁を取りに来るって話。『白い光を注ぎ、花が扉を開く』。…まあ、そういうことだな」と含み笑い。
  - 🎬シナリオ :
    - ミルガーデン駅(観光地の古びた駅)に併設のビジターセンター。目立つ看板に惹かれて足を踏み入れるピアスとヴェセル。
    - 医者らしき風貌のオーランドが、売店で物資を物色している様子。霧が発生したため霧の範囲を確認しようと街の端に来ていたと証言する。
    - ピアス「弟を見なかったか?」オーランド「それらしき少年を見ていないが風貌を教えてくれるかね」
    - スマートフォンでシヴァルの写真を見せるピアス。シヴァルはカメラの方を向いていない(盗撮=誘拐の伏線)。
    - 白い蓮のような瞳、という特徴的な風貌から、オーランドが「ノエイルの子で、蓮花の因子の保有者」という可能性に思い当たる。
      - オーランド「…育ちの良さそうな少年だ。心配なことだろうね」ピアスは無言で眉を顰め写真を見つめる。
      - ピアスは弟を案じているように見えるが、誘拐犯なので弟の「育ち」を全く知らない。
  - 📜テキスト :
    - サイレントブルーム観光案内 : 「霧と蓮と結婚の町!名産の縁結びアイテム『リングチェーン』」
      - ヴェセル「風情があるねえ」
    - オーランド「(土産物の棚のハーブセットを調べると)この地域では薬草が豊富でね。様々な用途があるので医者としては重宝するよ…怪我の手当に使うなら即効性はないがね」
      - (バイオハザード関連のメタ台詞=回復アイテムには使えないよ。オーランドが薬物を精製していること、かつプリヴェイラの母の味&シヴァルの好物がハーブであることの伏線)
  - 🎒アイテム :
    - ラジオ(サイレントヒルお馴染み要素) : オーランド「濃霧の影響か、ノイズばかりでね。何かの役に立つと思うなら、持っていっても構わんと思うよ」
    - 観光マップ : 主要施設の簡単な説明が記載されている。
  - 🎭エネミー :
    - Snitcher : 子供の姿の異形。初回ザコ。「見つかってはならない」というシヴァルの心理の反映。
    - Mimiclone : 市街を徘徊するザコ。どことなくピアスやヴェセルに似た服を着ており、抱きしめるように攻撃してくる。
  - 🌫️導線 : 観光マップの「ハニークレイドル小学校」に「来てはいけない」という意味の謎の文字(シヴァルの心理に反応)。
    - 学校は行けなかった場所(疎外の象徴)/誘拐犯たちに「来ないで」という両方の無意識が反映されている。
-----
## 🟥️Origin Stage 02 : ハニークレイドル小学校 (Honey Cradle School)
  - 🎬シナリオ :
    - シヴァルの「社会からの疎外」を主とする恐怖を強く反映したステージ。教団の脅威と、両性具有という特異な出生から、シヴァルは学校に行けなかった。
    - ヴェセル「学校ね…弟が居そうか?」ピアス「…いや。弟が普段どう過ごしているのか、俺はよく知らなかった…」
    - 学校での様子(イジメなど)に気付いてやれなかった、とも取れるが、誘拐犯なので当然である。
    - ピアスとヴェセルの過去も暗示されるが、この時点で明確な描写はしない。プレイヤーのミスリードを維持する。
  - 📜テキスト :
    - 黒板の大きな文字「ここに君の席はない」(特にイベントはないが、教室に入った途端、思わず目を止めるムービーあり)
    - 保健室「あなたは男の子?女の子?なやんだら先生に相談しよう」裏側「正しくない子に先生はいない」
      - ヴェセル「…うっせえんだよ。正しい?そんなもん、欲しくもないね。(俺は『選ばれた』。それだけだ)」
      - ヴェセル「…ガキってやつは…」(このステージでは聞こえないが、後にシヴァル視点で台詞の全体を聞くことが可能)
      - 🐝🪷ヴェセル→シヴァル共感 : +1
    - ポスター「お友達を名前で呼ぼう!」書き込み「名前を与えてはならない。役割を果たすまで」
      - ピアス「…俺の役割は、弟の兄だ。救い出して…それから、弟に呼んで貰えるのか」
      - プレイヤーには決意の独白に見えるが、誘拐犯なので「シヴァルに名を呼ばれたことがない」。また、「鍵」として教育された伏線でもある。
      - 🔑🪷ピアス→シヴァル共感 : +1
    - お花と虫とタネのお話「虫が花粉を運びます」生徒の書き込み「虫がお父さんだと思ってました」
      - 雌花=蓮花、雄花=神、鍵=虫という教義の暗示。ピアス=鍵が父か?ヴェセル=神が父か?
      - 「花にオスとメスがあるなんて知りませんでした。花をふやすには花粉じゃなくて虫(蜂、鍵の象徴)をくっつければいいと思ってました」(雄花と虫のどちらが種のもと?=神と鍵のどちらが夫?)
    - ハチミツができるまで「ハチは蜜をお腹の中で変えてハチミツにします」生徒の書き込み「虫は大事。でも針があって怖いです」
      - 蜜=メルミュートの暗示。メルミュートは特殊な虫を用いて精製する。養蜂=鍵の育成、針=男根恐怖。
      - 「ハチがいないと花は蜜を作れないと思ってた(鍵と蓮の役割)」「人間は花から直接蜜をとれないの?蜂の巣からしか取れないのかな(メルミュート精製)」「ハチミツ屋さんがハチを飼う理由がわかりました(鍵=術者の養育)」
    - 古びた紙「子に乳を、花に霧を。注がねば花開かぬ。白き光を器に受け、疾く注ぎ咲かせよ」
      - 司祭のメモ(サリオン?)「自然現象を神聖化した性行為に見立てる。信仰の形態としては原始的なものだ」
  - ⚔️ボス : Cradle Maw(クレイドル・モウ)
    - 足場を喰らう芋虫(蓮=シヴァルを喰らう者でもある)。声を上げられないシヴァル自身の無力感の象徴でもある。
  - 🌱心理 :
    - シヴァル : 誘拐犯(ピアスとヴェセル)に対する純粋な恐怖と嫌悪。霧については母から「あの土地の怪異」のように聞いていた。自分が霧を産んだ自覚はない。ややパニック状態。
    - ピアス : メルミュート常用の効果で、過去と未来に実感が持てず、他人の記憶のように実感がない。小学校で想起した記憶は明瞭だが、弟を「救い出す」(手に入れる)ことしか見ていない。
    - ヴェセル : シヴァルを利用して対教団の意趣返し。小学校がシヴァルの無意識を反映していることを推察、押し付けられた出生にやや同情と共感があるが、自分の都合を優先している。
    - オーランド : 霧の異界の発生とシヴァルの風貌から「蓮花」であることをほぼ確信。「実験材料」の確保に向けて動いている。冷静ながら科学者としての野心にかられる。
  - 🌫️導線 :
    - 信徒のメモ「胎の兆しはあれど、未だ花は付かず。だが器は生った。湖畔にて祝宴を成す(ホテルのメモ帳だ。片隅に地図が印刷してある)」
      - プレイヤーには、胎=花=シヴァルと器=ヴェセルの違いが分からない。ヴェセルのための祝宴だが、シヴァルがいる?というミスリード。
      - ヴェセル「祝宴ねえ。(メモの印刷を見て)ロータスベイルホテル…そりゃお誂え向きだな。湖と霧と蓮の、『神サマの嫁取り式場』だ」
-----
## 🟥️Origin Stage 03 : ロータスベイルホテル (Lotusveil Hotel)
  - 🏞隣接 : セレスヴェイルレイク (Celesveil Lake)
    - 蓮と霧と月光の名所。この土地に「交歓(男根と女陰→扉と鍵→蜂と蓮)が産む楽園」の思想を生み出した原風景。
    - このステージにて、神婚派/門番派/三位派の思想が曖昧に示唆される。プレイヤーには、各宗派の相違点は混乱させておく。
  - 🎬シナリオ :
    - 「器」と「胎」の婚約披露宴の準備をしている最中で無人になったようなホテル。
    - この婚約は、シヴァルが誕生してすぐ母に連れられて逃亡したため、実現しなかった。ヴェセルの記憶を反映した「可能性のあった過去の幻影」である。
    - ホテルの各所に、婚約に似付かわしくない無機的な医療メモがある。器と胎に薬物を投与する教団の儀式だった示唆。
  - 📜テキスト :
    - パンフレット「聖地のような湖上の教会で、永遠の誓いを!リングチェーンのオーダー承ります」
      - 大きなリングチェーンの写真(繊細な銀のニ連リングが細いチェーンで繋がれている)ここでリングチェーンのビジュアルを印象付ける
    - 宿泊台帳「V...(Vesselの名前が横線で消されている)」「同行者(婚約者):Cancel(赤文字)」
    - ブライダルルームの走り書き「新郎の名前は空欄に。決定は挙式直前とする」(神と鍵のどちらが夫なのか明確でないことの暗示)
    - 挙式会場設営指示「花嫁の装飾に蓮の生花を追加。鮮度に注意。花婿の装飾は品格ある黄金(蜂の毒液、蜜の象徴)をさらに追加。」
      - !マーク付きの注意書き「ナイフを黄金にする必要がありますか?異端の連想は厳禁」
      - ピアスはナイフの写真を手に取る。柄の部分や刀身の模様が鍵の意匠をしている。
      - ヴェセル「…主演に失礼があっちゃいけないな。なんたって、花婿は神様なんだから」
    - レターケースの中に異端(門番派)の紙片「神は偽りの夫。天より侵す者。地に咲く花の、真の伴侶は鍵。磨きて備えよ、扉は楽園へ開く」
      - 紙片の片隅に「第33鍵 秘匿名『P.』 適合。蓮花が成熟しだい、交歓を実施すべし。」という角張った文字
      - ヴェセル「…ははっ。だから見付けられたのか。選ばれてもいないのに…ハハ、ハハハハハ…!!」
      - ヴェセルは、ピアスがシヴァルに惹き付けられた理由=鍵=真の夫である可能性、自分こそが「選ばれていない」可能性に気付いて、ヒステリックに笑い始める。
      - ピアス「…それがなんだ。俺達は二人で、弟を連れ戻すんだろう?」(お前は俺が弟を「守る」=誘拐を手伝ってくれたじゃないか)
      - ヴェセルは意表を突かれたように笑いを止める。「…一つの扉に二つの鍵ね。そういうこともあるか」
      - 🐝🪷ヴェセル→シヴァル共感 : +1
      - 🔑🪷ピアス→シヴァル共感 : +1
      - 💍💍三位一体 : +1
  - 🎭エネミー :
    - Unborn(アンボーン) : ヴェセルの産まれ損ないの弟たち。実体がなく、攻撃してこない。笑いさざめく胎児。「にいちゃん」「およめさん」
    - Repeating Guest(リピーティング・ゲスト) : 顔のない常連客。ホテルを転々として生活していたヴェセルの反映?
  - ⚔️ボス : Chrysabride(クリサブライド)
    - 🏞隣接 : 王太子の間 (The First Room)
      - ホテルの宴会場だが、ヴェセルの「選ばれた者」=王太子という執着が込められた名。
    - ウェディングケーキに一箇所だけ赤黒い裂目があり、そこに黄金のケーキナイフが突き立っている(性交の隠喩)。ナイフの柄は鍵のように見える。
    - ケーキ入刀=夫として選ばれる者だけがナイフを持つ権利がある。選定の剣の象徴。
    - ヴェセル→シヴァルの共感がピアスより高い場合、ヴェセルが戦闘後にナイフを拾い、独白。「選ばれるのか、選ばせるのか…いや、俺が選ぶのか」
      - 🐝🪷ヴェセル→シヴァル共感 : +1
    - ピアス→シヴァルの共感がヴェセルより高い場合、ピアスが戦闘後にナイフを広い、独白。「これの使い方をずっと学んできた。だが俺が望むのは…」
      - 🔑🪷ピアス→シヴァル共感 : +1
    - ピアスとヴェセルの共感が均等な場合、両者の独白が発生する。
      - ヴェセル「拾わないのか?」ピアス「真の鍵はこれじゃない。そうだろう?」ヴェセル「なるほど。鍵が二つあったって、扉は開く。それでいい…だろ、『兄さん』?」
      - 🐝🪷ヴェセル→シヴァル共感 : +1
      - 🔑🪷ピアス→シヴァル共感 : +1
      - 💍💍三位一体 : +1
  - 🌱心理 :
    - ヴェセル : シヴァルの存在があれば、自分が「選ばれた者(真の夫)」であることを証明できるという発想に執着しはじめる。
    - ピアス : 自分が鍵として育成された自覚。だが、真の望みは弟を得ることであり、鍵であることは「そのための手段、武器」である。
  - 🌫️導線 : 冷蔵庫メモ「月催芽は要冷蔵。照度は既定以下を維持。乾杯の順番ミス厳禁のこと。変質を確認した場合、ただちに診療所に予備を申請すること。」
    - ピアスとヴェセルは、医療的な儀式への関与を察知して、診療所へ向かう。
-----
## 🟥️Origin Stage 04 : 教会(シヴァル視点) (Nameless Church)
  - 🏞隣接 : セントバイン駅 (Saint Vine Station)
  - 🎬シナリオ :
    - 霧の街を小走りに駆け抜け、名も無き教会に辿り着くシヴァル。シヴァルの手にした観光マップには、教会の部分に「蓮の中心に眼」のような印が書き込まれている。
      - 霧の街の異形たちは、シヴァルを襲わない。霧を生み出したのがシヴァル自身であり、異形たちは「誘拐犯から自由になりたい」というシヴァルの意向に従っているのだ。
    - シヴァル(この印、母さんが教えてくれたことがある。用心なさい、だけど必要な情報もこの印の下にある――と)「蓮の中心に眼」は教団で両性具有を表す印。
    - 教会の中は意外なほど荒れていない。最初に目に入るのは聖人像(中性的)だ。少し仰向いて寝椅子のような座(分娩台)に乗り、天井のステンドグラスから注ぐ白く濁った光(月光=精液)を浴びている。
    - 蓮の形をした聖水盆が設置されており、湯口は黄金の蛇の形をして、今は枯れているが、かつてその鎌首から水を注いでいたようだ。(露骨な隠喩)
    - シヴァルは教会の片隅に、地図と同じ「蓮の中心に眼」の印を発見する。その壁に力を加えると横に滑り、地下への階段が現れる。
    - 螺旋階段の壁に、教団の教義を描いた絵画や碑文が、延々と並んでいる。シヴァルは母の言葉を想起しつつ、階段を下っていく。
    - 両性具有の自分自身、それが誕生した経緯、隠れ棲んでいた理由をシヴァルが理解しはじめた瞬間、背後からオーランドが現れる。
    - オーランド「賢い子だ。私が説明するまでもなく、その様子では、ほとんど理解したようだが…端的に要件を言おう。君は「楽園」の実体を検証するための、希少な媒体だ。少々、実験のアシスタントをして貰えるかね?」
    - 逃げ場はない。シヴァルが螺旋階段の行き止まりにある「印」を刻まれた壁に身を寄せたとき、世界が変転して、鉄錆た異界となり、壁が赤黒い「扉」と化して、花弁を開くかのようにシヴァルたちを飲み込んだ。
  - 📜テキスト :
    - 絵画「蓮の皿」月下の湖に咲き乱れる蓮の中、浮かぶ小舟に乗って眠る聖人の姿。教会の聖人像の台座(分娩台)は、この小舟だったようだ。
      - 皿=神の精液を受ける母胎。セレスバッドにより幻惑状態となり、儀式の道具となっている蓮花の肖像。
      - 絵画の下の銘文に「神が白き光を注ぎ、花が楽園の扉を開く」という教団の初歩的な思想が書き添えられている。
      - シヴァル「さっきの聖人像…蓮花が楽園を生み出すということは、この聖人が『蓮花』なのか」
    - 碑文「月催芽(セレスバッド)は神と花嫁の交わす杯。天上の露に蓮は息吹き扉を開く」オーランドメモ「薬物の作用から神聖な啓示を得るという発想は珍しくない。だが、セレスバッドだけでなく楽園も観測可能な事象だ」
      - シヴァル「観測可能…この街に来て、その中を通り抜けた。あの霧の世界は幻覚じゃないんだ」
    - 絵画「蓮(はちす)の王」杯(器)を手に、扉を潜ろうとする黒衣の花婿。顔をヴェールで覆い、衣装には虫の翅翼のような刺繍が施されている。
      - 蓮=はちす=巣の王、すなわちハイヴロード。杯は神の精液を湛えており、杯自体が「神の精液の入れ物」=器=Vesselでもある。
      - 銘文「杯は神の露を湛え、花は神と杯を誓う」
      - シヴァル「これが神…(生理的な恐怖感・嫌悪感)?真っ黒だけど、結婚の衣装みたいだ」
      - 幻視 : ハニークレイドル小学校のヴェセル共感イベントを通過した場合
        - ヴェセルの視界と台詞が、シヴァルに幻視としてあらわれる。
        - ヴェセル「正しい?そんなもん、欲しくもないね。俺は『選ばれた』。それだけだ。…しかし、こんなもん(両性具有由来の疎外)に律儀に傷付いてんのかね。ガキってやつは…」
        - 🐝🪷シヴァル共感 : +1
          - ホテルの「一つの扉に二つの鍵」を通過した場合、シヴァルの台詞「…『蓮花』も『神』も、人が選ばれる?」(通過していない場合、シヴァルの反応は描写されない)
          - 🐝🪷シヴァル共感 : +1
          - 選択 : 「罠」!シヴァルの交歓は上げすぎても悪いエンディングになることに注意。
            - 「僕は…(自分の人生を)選ぶことができるんだろうか」変化なし
            - 「選ばれたのは、僕だけではなかった…」
              - 🐝🪷シヴァル共感 : +1
    - 碑文「霧声蜜(メルミュート)は福音を霞ませる蜜蝋。舐めれば神の響きを聴く能わず」オーランドメモ「異界化昆虫種が体内で分泌物により蜜を変成することで効果が有意に上昇。採取サンプルは希少、精製には慎重を要する」
      - シヴァル「さっきのメモと同じ人の字だ。科学者?」
      - 幻視 : ハニークレイドル小学校のピアス共感イベントを通過した場合
        - ピアスの記憶と台詞が、シヴァルに幻視としてあらわれる。
        - どこか前時代的な村(門番派が鍵を育てていた「養蜂所」)、土に埋もれた耳輪(実際はカフス)を何気なく拾って身に着ける幼いピアス。「ピアス!」誰かが呼ぶ声(仇名の由来)。
        - 🔑🪷シヴァル共感 : +1
          - ホテルの「一つの扉に二つの鍵」を通過した場合、シヴァルの台詞「あの耳輪と一緒に、名前を手に入れた…それまでは…」(通過していない場合、シヴァルの反応は描写されない)
          - 🔑🪷シヴァル共感 : +1
          - 選択 : 「罠」!シヴァルの交歓は上げすぎても悪いエンディングになることに注意。
            - 「僕も帰らなくては…呼んでくれる人たち(母など)のために」変化なし
            - 「守るために、追ってきてくれている…(内心の困惑)」
              - 🔑🪷シヴァル共感 : +1
    - 絵画「結環の祝祭」中央に花嫁(中性的)、左右に男性(花婿と介添に見える)。一対の腕輪を鎖で繋いだ祭具(リングチェーン)が、花嫁に捧げられようとしている。
      - 鍵を加えた三位一体の聖婚を示唆する絵画。リングチェーンに酷似した祭具は明らかに手首のサイズであり、婚姻の指輪でありながら手錠である。
      - シヴァル「真っ黒な花婿と、鍵を持った人…なんだか…いったい何の鍵?」(手錠という表現は最後までしない)
    - 手記(プリヴェイラ)「アルヴォスは、ただ愚直に天の声を預言せしめられただけだ。それが何の色だったのか知る術もなく…産まれた子はどうなる?ノエイルと同様、あるいはさらなる仕打ちが待ち受けている。その前に…」
      - 白子=アルビノ=ノエイルの血筋に蓮花=両性具有=シヴァルの誕生が預言されたことで、ノエイルは監禁のうえ投薬され子を作ることを強制される。アルヴォスは盲目のため、白子の預言の意味をとっさに理解できなかった。
      - 預言のままに、兄アルヴォスは弟ノエイルを「蓮華の父胎」として教団に差し出してしまう。盲目の兄は色を知らず、白子の弟は色を持たずに産まれた。色のない兄弟。兄は導を告げ、弟は花を産む。
      - 手記の末尾に家系図。母プリヴェイラの名があり、父ノエイルを夫としている。その下に消された二つの名前(ジャディスとヴォルカ)があり、三つめに「蓮の中心に眼」の印(=シヴァル)。
      - シヴァル「…母さんが、ここに手記を隠したんだ。両性具有の子…これは僕。じゃあ、この人は僕の父…」
  - 🌱心理 :
    - シヴァル : 母が断片的に教えていた警告、教団の正体、両性具有の自分が隠れ棲まなければならなかった理由を理解。母の想いのために、なんとしても無事に脱出したい。
    - オーランド : シヴァルの後を追って、螺旋階段の中でシヴァルが真実を眼にする様子を観察していた。シヴァルに薬物を投与して、本格的に楽園の実験をしようとしている。
-----
## 🟥️Origin Stage 05 : セントミル・クリニック (St. Myrrh Clinic)
  - 🎬シナリオ :
    - ホテルにて、教団の儀式への医療的関与が伺われるメモを発見したピアス&ヴェセルは、診療所へ向かう。
    - そこで発見した数々のレポート(オーランドによるもの)は、別途シヴァルが礼拝堂で見た教団の儀式への暗示を(ピアス&ヴェセルは知る由もないが)裏付ける。
    - また、ピアスが「鍵の中でも、蓮花=母胎との共鳴=交歓の能力を強化された個体」であることが判明する。それは「兄」を猟犬として、逃亡した「弟を」探知させるためのものだ。
  - 📜テキスト :
    - 蓮花と楽園についてのレポート:蓮花の資質は、実際には両性具有に限定されないが、過去の事例から両性具有の割合は有意に高い。本人の精神状態の影響が大きいと思われる。楽園はごく一時しか観測できず、永続した事例はない。ここで、オーランドの目的が「楽園の扉の固定」「神なき楽園の門番になること」であると明らかになる。彼は楽園を出入り自由な扉を手に入れたいのだ。
      - ヴェセル「両性具有がどんぐらいの確率で生まれるか…それを『有意に高い』と分かるほど。何百年繰り返してきたんだかな」
    - 開花薬についてのレポート:サイレントブルーム土着の薬草(ハーブ)を使用。幻覚作用と催淫作用がある。一方で「鍵」は一種のテレパスにより蓮花に対して開花薬なしで同様の効果を促すことができる(過去の儀式では、鍵と蓮花の性交が用いられた)。開花薬は単純な効果しかないが鍵は蓮花に複雑な誘導が可能なため、一種の蓮花に対するコントローラーとして有用である。
      - ピアス「操縦桿(コントローラー)、か」ヴェセル「鍵による蓮の『直接刺激』ってあるだろ?俺が教わったやり方と同じなら、あの意味(愛撫、性交)だよな。扉と鍵って、見たまんま」
      - 🚫余談だがこの土地はハーブが豊富で、プリヴェイラもハーブ料理が得意、シヴァルも母の味ハーブが好物である。
    - 鎮静薬についてのレポート:異界の植物の蜜を異界の昆虫の体内で無毒化したもの。サンプル希少につき培養には慎重を要する。継続服用した場合、感情と時間間隔の鈍麻(過去と未来への実感がなくなり現在しかみえなくなる)という副作用(ピアスが「現在」だけに生きる衝動的な人格である説明)。追記:鍵から蓮花に対する共鳴=交歓を強化する薬物の開発。併用することで鍵をより有効運用することが可能
      - 見た目は蜜のようで甘い香りだが渋みがある。ピアス「蜜のようだが…所詮は薬だ。味は渋いぞ。舌が痺れて、言葉が億劫になる(寡黙な理由)」
      - 🚫補足(プレイヤーに開示しない情報):門番派は、蓮花=花嫁の開花を促す=付添人としての役割から、伝統的に鍵=兄と呼び慣わしていた。ピアスが「兄」を称するのは、この教育を受けたことが理由である。
    - 三篇の詩片(司祭メモつき):蓮花=母胎、神と器と蜂、鍵と扉、霧と精液と蜜…などの性的な暗喩を司祭(たぶんオーランドまたはサリオン)が解釈したメモ。これまでの暗喩の答え合わせ(儀式では蓮に対して神と鍵が性行為を行い覚醒を促すことを明示する)。
      - サリオン「ルークもビショップも同じ駒。働き蜂もドローンも同じ蜂。役割だけが異なる=兄弟では?(ピアスもヴェセルも蓮花を開花させるという目的は同じ「夫」という伏線)」
      - ヴェセル「同じ駒、なあ。洒落た比喩だこと(目を細める。ヴェセルはサリオンのチェス嗜好を知っている)」
    - ノエイルと思われる被験体(番号で記載されている)のカルテ:シヴァルの父ノエイルが受けた非人道的な仕打ちが記載されたカルテ。プリヴェイラの書き込みあり。
      - プリヴェイラ書き込み「彼(ノエイル)は覚悟している。残された者(アルヴォスなど)たちを想う心すら、彼の中にあるのに。残したい。彼の証を、彼の心を。だが、それすら預言の礎となる(子供を産む=シヴァルが誕生して預言に利用される未来が待っている)のなら恐ろしい」
      - ピアス「(無言で凝視。誘拐の真相を知らないプレイヤーからは自分の両親を想う表情に見えるが、弟の両親の情報を収集している)」ヴェセル「⋯盲目の預言者は気付かなかったのさ。自分が差し出した『俗世の色に染まらぬ種子』の意味するものをね」
  - ⚔️ボス : Drone Womb(ドローン・ウーム)
    - メルミュートの材料としてオーランドが培養していた異界の食虫植物&昆虫の標本が活性化したもの。ウツボカズラのような植物の蜜壺に無数の蜂の幼体が蠢き、表面を翅のない蜂が這い回り無心で蜜を吸っている。蓮花に惹き寄せられるピアス&ヴェセルを侮辱するような存在。
    - ヴェセル「関節のある獲物は好きなんだけどよ…壊す所が分かりやすいからな。こういう(関節の不規則な植物)相手は苦手だわ」(ヴェセルは神=蜂の王のため、本能的に下位の虫に強い)
  - 🌱心理 :
    - 三位一体フラグについて:診療所ですでに三位ポイントが2の場合(必然的にピアス&ヴェセル→シヴァルの交歓も高い)、診療所で最後の三位フラグ=トゥルー条件が成立する。
    - 開花薬と鎮静薬を手に入れることが診療所のクリア条件。ピアス「これは本当にシヴァル奪還の手札になるのか?」という議論になる。三位フラグが不足している場合、ヴェセル「使えるものは使うしかない」という流れになるが、三位フラグが立っている場合、かつ診療所で十分な資料(ノエイルのカルテのみ条件ではないがそれ以外の全部)を収集していれば、「今まで見た情報からすると、切り札はもう一つある」という台詞がでる。つまり、ピアスの共鳴能力(強化済み鍵個体)を利用すること。
      - 💍💍三位一体 : +1
  - 🌫️導線 :
    - 二人は診療所を探索して、セレスバッドとメルミュートを獲得する。そのときオーランドから診療所の電話に着信がある。
    - 「留守中の様子を確認してみたら、案の定、不法侵入してくれた客人がいたようだ。外来なら申し訳ない。君たちの探し人なら、ちょうどこちらで確保したよ。居場所が気になるはずだね?何も隠すつもりはない、礼拝堂の一番奥に聖室がある。…私にとっては、君たちは蓮花との接触試験をするにあたり絶好のサンプルだ。さて、実験は先に始めさせて貰うが、可能ならいつでも来たまえ。ルートはネクサス通りが早いだろう…ゲートの鍵は私の机の中だ」
    - 二人はネクサス通りの鍵をあけて、確保されたシヴァルの待つ礼拝堂最奥を目指す。
-----
## 🟥️Origin Stage 06 : 教会(ピアス&ヴェセル視点) (Nameless Church)
  - 🏞隣接 : ネクサス通り (Nexus Street)
    - 🎬シナリオ : 主人公たちと対象的な過去の亡霊が登場する。「(教団に反発するヴェセルと異なる)狂信的な器」「(弟だけを目的に生きるピアスと異なる)蓮を犠牲にする鍵」「(他の想いに報いることを願うシヴァルと異なる)器や鍵を食い尽くし女神となることを願う我欲に満ちた蓮花」。オーランドの声が傲慢な科学者の美学を謳う。
      - 器の亡霊:「神が私を器に選んだ。花が私を夫と選んだ。私は満たされる…杯の縁になみなみと…飲み干せ…私を飲み干してくれ。骨と皮まで」
        - 器へ:「器の価値は液体を満たすことだ。つまり器自体は空であればあるほどいい…無為、空腹、虚栄。それが器たる者の持つべき資質だよ」
      - 鍵の亡霊:「俺は見事にやり遂げた。開いた。解き、咲かせた。俺に微笑んだあの美しい花だったから…正しく役目を果たしたのだ。讃えてくれるはずだ。俺の名を…俺の名はなんだ?」(小学校「役目を果たすまで」回収)
        - 鍵へ:「鍵は対応する錠に合わせて削られる。鍵自体の形が始めにあるわけではない。個を持ったところで、合う扉のない金屑になるだけだ」
      - 蓮の亡霊:「霧が私を潤して、蜜が私を融いて、鍵が私を開いて、器が私に注いで、…ならば私が楽園を統べる。環で永遠を誓い、鎖で忠誠を証しましょう」
        - 蓮へ:「人類の原初の望み、願い、祈り…つまり原初の欲は安楽であることだ。であれば、楽園を産む原動力が欲望であることに不思議はない」
      - 器は欲を湛え、鍵は欲を穿ち、花は欲を餌にする。
  - 🎬シナリオ :
    - 礼拝堂地上部:シヴァル時点から鉄錆た異界に変異。聖人像は鎖で台座(分娩台/誘拐犯の車のシートの象徴)に拘束された状態。聖水盆は蛇の口から黄褐色に濁った蜜/血膿を垂れ流している。螺旋階段への扉は開いたまま。
    - 礼拝堂地下部:テキスト/絵画がやや変質して禍々しい。
  - 📜テキスト :
    - 蓮の皿:湖上に咲く蓮の下に胎児/蜂の幼体を掛け合わせたものがうっすら。聖人像はやや仰け反っている。ヴェセル「神の子の分娩台ってわけだな」
    - 月催芽:ピアス「薬で意思を融かし、指先で人格を解く技。…鍵たちは叩き込まれる。徹底的にな」
    - 蓮の王:ヴェセル「このキモい神様の容れ物も必要ってわけ。母親ごと暗示をかけて薬漬けにして…あの預言の白子と似たようなもん。当然、失敗作もどっさりさ。壊れた母親とか胎児(アンボーンたち)とかな」
    - 霧声蜜:ピアス「鍵たちは晴声蜜と呼んでいた。偽りの神の羽音を晴らす蜜」
    - 結環(どう見ても手錠):ピアス「…二人の男は、聖職者でも介添人――花嫁の兄か何かでもない」ヴェセル「かくして病めるときも健やかなるときも、離さないことを誓いますか。ってね」
    - プリヴェイラ手記:ヴェセル「ついでのオマケ。預言者にも息子がいたんだぜ。そいつが当代の神の器」ピアス「(無言で凝視。診療所に倣う)」
  - ⚔️ボス : Stillborn(スティルボーン)
    - 礼拝堂地上部にて戦闘。台座(分娩台)に拘束された聖人像(蓮花、母胎)が、足の間から臍帯を伸ばして攻撃してくる。
-----
## 🟥️Origin Stage 07 : 聖室 (The Sanctum)
  - 🌱心理 : 以下が分岐に影響する
    - 交歓ポイント(ピアス&ヴェセル→シヴァル、シヴァル→ピアス&ヴェセル) : 各3点
      - ピアス&ヴェセル→シヴァル(学校で1、ホテルで2)
      - シヴァル→ピアス&ヴェセル(礼拝堂で3)シヴァルの交歓は上げすぎても悪いエンディングになることに注意。
    - 三位一体=一つの扉に二つの鍵=ピアス&ヴェセル共犯ポイント : 計3点(ホテルで2点、診療所でラスト1点)
      - なおシヴァルからの交歓は三位フラグに影響しないことに注意。
  - 🎬シナリオ :
    - 聖室内部:礼拝堂前半で無意識に蓮花の力を発動したシヴァルが封印された門を開く。聖室に飲み込まれたシヴァルと共にすかさずオーランドも内部に入ったが、そこで門が閉じる。シヴァルは能力を制御できず、閉じ込められた状態。オーランドは嬉々として聖室を見回している「過去に君たち(蓮花)が楽園を開く儀式を行っていた場所だよ。セレスバッドなしで門を開くとは、適正は申し分ない…いや、記録にあるどんな前任者も超えているかもしれない。問題はこの先にある扉なのだがね。ここはまだ言わば産道に当たる場所で…」周囲は、水に磨かれた石のように奇妙に滑らかな、歯や骨のような白っぽい岩壁。シヴァルは、聖室の中央にある台座(分娩台)と、その足元にとぐろを巻く材質不明の錆びた様子もない鎖を見て息を呑む。
      > オーランド:所持していたセレスバッドをシヴァルに提示して「彼らの助けが欲しいかね?過去の症例では、セレスバッドの服用が門の開閉に有効的だが…ご希望なら処方するが」
      > シヴァル:螺旋階段で見た絵画を思い浮かべ、オーランドの言に従うことの危険を理解する。シヴァルの選択はエンディング分岐次第。
    - 聖室直前:駆け付けてきたピアス&ヴェセル。聖室の門は閉じているが、中央から薄紅色をした半透明の亀裂があり内部をうかがえる(亀裂は花弁または血管、あるいは妊婦の腹部のよう)。声は聞こえないが、内部と外部の二人ずつはお互いの存在に気付く。オーランド「ああ、すべてのサンプルが到着したようだ。どの実験から手を付けたものか…!」(ここで交歓およびルート分岐ごとにピアス&ヴェセルの会話)
      > ピアス:門に飛び付くように調べるが、武器で破壊できるものでないことを直感。作中で一度もあげたことのない獣のような唸り声をあげる。
      > ヴェセル:ゆっくりと門に歩み寄り、ノックするかのようにコン、コンと叩く。「邪教の儀式については専門外だが…僭越ながら、主賓(鍵と器)が足りてねえんじゃないかね?」
    - ノーマル分岐:ピアスとヴェセルの「一つの扉に二つの鍵」(三位一体)フラグ未成立。
      - ⚔️ボス : Thousand Bloom(サウザンド・ブルーム)
        - 千の蓮。全身に息づく蓮の花(女陰)が咲き乱れたシヴァルの姿。開花薬を投与され、母胎として強制的に覚醒してしまう。
      - 🏆Normal BAD C : Sealed
        - シヴァルからの交歓が合計2以下/最大6(低過ぎる)。シヴァルは、オーランドの目論見どおり楽園を現世に撒き散らすことも、ピアス&ヴェセルの力を借りることも望まなかった。開花薬を飲まず、単独でオーランドごと異界を封印する自己犠牲版。ラスボス戦なし。
          > シヴァル視点。オーランドへ、門の向こうの影へ、もう一度オーランドへ視線を向ける。覚悟を決めたシヴァル「地上の街で見たものは幻じゃなかった。貴方の言う楽園も同じなのか?」オーランド「もちろん。だからこそ私は安定した観測を熱望してきた」シヴァル「…そう」一つ頷くと、シヴァルは自ら台座に身を乗せる。オーランド「処方希望ということかね?」シヴァルは、つ、と静かな眼をオーランドへ。それはまるで女王の一瞥のよう。シヴァル「必要ない」直後、蓮が自ら花弁を閉じるように白い聖室の岩壁が収縮、いや集束する。押し潰すのではなく、新たな次元へと聖室の中の者を産み出すように。聖室の外にいるピアスとヴェセルは、亀裂が白く輝いて閉じていく様を見て狼狽する。「シヴァル!!」悲痛に名を呼ぶその声がどちらのものだったのか、シヴァルだけは感じ取ったかもしれない。オーランドは魅入られたように、聖室そのものと、その向こうを一瞬たりと見逃すまいと目を瞠っている。オーランド「ああ…サンプルは全て揃っているのに…まだ実地検証が…いや、どうでもいい。未知の症例だ…!」
        - ピアス&ヴェセルからの交歓が高い場合、スタッフロール後に一方または両方が、祭具らしきもの(=二周目に入手が可能な隠し武器:誓名の銀環または祝祭の蛹環)を手に再び門の前に立っている(諦めていない)様子が映る。
      - 🏆Normal BAD B : Devoured
        - シヴァルからの交歓が合計3以上(低過ぎない)。サウザンド・ブルームに敗北。シヴァルの異界に取り込まれ、ピアス&ヴェセルは「シヴァルの恐怖の原因=異界を産み出すための養分」となり永遠に異界に生きる。
          > シヴァルが台座に身を横たえるまでの展開は同一。「処方希望かね?」に対し、シヴァルは射るような眼を向ける。シヴァル「…貴方のようなひとは、制御できなかった場合の対処も用意していると思う。違う?」オーランド「医師として必要な準備だね。むろん私に想定できる限りのことならば。」シヴァル「…あの二人も?」オーランド「想像力を超える事態は常に起こりうるが、それも含めての範囲内というのであれば、イエスだ」シヴァル「…わかった」仮に自分が暴走したとして、オーランドまたは門の向こうの二人が事態を収拾することに、シヴァルは賭けた。万一、事態が収拾できなかった場合は…僕ごと全てを封じよう。セレスバッドを投与されたシヴァルから千の蓮が花咲く…
          > 敗北した場合は、異形のシヴァルは倒れ伏すピアス&ヴェセルを無言で見詰める。それが悲哀なのか失望なのか…。オーランドははっきりと失望&皮肉な表情「こちらのサンプルは破棄するしかないな。蓮花ほどの適性はなかったということだ」異形シヴァルは、歎息とも淡い喘ぎともつかない息を吐いて、…あとはSealedと同様に全てを封じる。スタッフロールの後に、水の中で蓮の根に絡め取られ、どこか胎児のように眠る養分たち(ピアス&ヴェセル)。
      - 🏆Normal BAD A : Withered
        - シヴァルからの交歓が合計3以上(低過ぎない)/ピアス&ヴェセルからシヴァルへの交歓が合計3以下(低い)または情報不足。シヴァルを撃破するが元に戻せずに、シヴァル死亡。
          > 瀕死の状態でメルミュートを投与され、異形から元の姿に戻ったものの、どこか穏やかな…世界も他人も霧で包まずに済んだことに安堵するかのような表情で言葉もなく息絶えるシヴァル。何が起こったか分からないような顔で弟を膝に抱くピアス、凍り付いたように歯噛みするヴェセル。オーランド「残念という表現では言い尽くせない。実験の可能性を無限に秘めた逸材だったのに…生体反応と遺体の解剖は雲泥の差だ」飄然とした発言に、二色の眼光が無音の灼熱となって突き刺さる。オーランド「…数百年に一度あるかないかの希少な検体だったのだ。蘇生の可能性を検証してみたいのだが、助手の意思はあるかね?」三人を見下ろすかのような視点、ピアスとヴェセルの表情は映らぬまま画面が暗転して、スタッフロール。
      - 🏆Normal : Silenced
        - シヴァルからの交歓が合計3以上(低過ぎない)。サウザンドブルームを撃破してからシヴァルに鎮静薬使用。シヴァルは元に戻るが、誘拐されたことなどの記憶を失ってしまう。一見「弟を救い出してめでたしめでたし」。最も辿り着きやすいエンド。
          > メルミュート投与、人の姿を取り戻し弱々しいが呼吸しているシヴァル。壊れ物を扱うかのようにピアスがその身体を抱き寄せる。ヴェセルも悪戯っぽく、だが想いを込めてシヴァルの目元、頬、口元に手の甲を滑らせ、呼吸を確かめる。聖室はただの乳白色の空洞に戻り始めており、門の亀裂も窄まり始めている。「これは単純な忠告だが、出口はそちらだよ。もし帰宅するつもりなら、急いだ方がいいだろうね」オーランドの声の方を振り返ると、彼は台座の反対にある、門とそっくりな亀裂の前に立っている。ヴェセル「今更だけどさ。あんた正気?」オーランド「記録にあるとおりさ。幾度か実際に開かれてきた扉だよ!だが、私の人生でまた開かれる機会はないだろう。他に選択肢があると思うかね?」ピアス「勝手にさせろ。俺達はもう、ここに用はない。二度と戻る事もない」オーランド「仮に君たちが今後も共にあるつもりなら、その決意(二度と楽園の扉を開かない)を絶対にすることは難しいと愚考するが。まあ、お互いに好きにしよう。では、幸運を」オーランドは楽園側の、三人は来た道の門を通る。暗転した画面に閉じていく花弁の形の亀裂(産道)。やがて画面は青空を映す。霧は晴れて、後部座席でぼんやりと黒い革のジャケットの前を「かきあわせる」シヴァル(=ジャケットを恐れていない)。ピアス「温かいものでも飲むか?」シヴァル「ええと…寒くはない。ありがとう。僕、どうしてたの?頭がぼうっとして…」ヴェセル「まあ、積もる話はあとにしようや。天気のいいうちに、落ち着ける場所に…だろ?」言って車のラジオを付ける。無論ノイズなどない。ずっと一緒にいよう、という爽やかな歌詞と共にスタッフロール。
    - トゥルー分岐:ピアスとヴェセルの「一つの扉に二つの鍵」(三位一体)フラグ成立済。
      > ピアス&ヴェセル視点。獣の唸りを上げるピアス、ノックして「主賓が足りてないんじゃない?」のヴェセル。内部からの返答は、音声もジェスチャーもない。すっと表情を消した真顔のヴェセル「あのプランはいけそうか?」同様に静かな顔のピアス、無言のまま薄紅の亀裂へと、今度は探るように指を這わす。最初は中心に触れようとしたが、直前で手を止め、掌を上に向けて、撫で上げるように。誰に学んだはずもない、だが熟知しているかのような、迷いのない指先。ピアスの唇が音もなく何かを唱える。
      > 聖室内部。オーランド「セレスバッドを、ご希望なら処方するが」先程まで射るように自分を貫いていた眼が、いつしか虚空を凝視していることにオーランドは気付く。シヴァルは立ち尽くしたまま、どことなく弛緩して、だが同時に緊張した気配で、何かに耳目を凝らしている。瞑想するように、鼓動の速さで胸が呼吸している。不意に、串刺しにされたようにシヴァルの身体が跳ねて、聖室の全体へと亀裂が拡大する…同時にシヴァルの全身にも、まるで千の瞼のように、白蓮のようでもあり薄紅のようでもある、光を放つ切れ目が走った。魅入られるオーランドの背後から腕を捻り上げて地面に引き倒すのは、慣れた手付きのヴェセルだ。ピアスはオーランドに見向きもしない。ごく自然に弟のもとへ吸い付いた視線と、同じ方にヴェセルの眼も向けられている。…聖室自体が、呼吸するかのよう。一定の間隔で柔らかく鳴動して、明滅する。鼓動の音に思えたそれに、いつしか淡い羽音が混じり…白蓮の花弁のような「瞼」から、こぽり、と溢れるかのように「神」の幼体が産まれ始めた。
      - ⚔️ボス : Larval Lord(ラーヴァル・ロード)
        - ハイヴロード幼体。ピアスとの交歓により、開花薬を使用せずに聖室に入り、シヴァルの母胎覚醒を阻止するが、交歓の余波により部分的に神が産まれる。シヴァルの全身(覚醒の際に蓮=女陰が咲き零れる箇所)から吹き零れた、黒い蜂の群体が巨大な蜂の姿を取る。
      - 🏆True BAD : Harvested
        - ラーヴァルロードに敗北。ラーヴァルロードが器=ヴェセルの身体を依代にシヴァルを我が物にする。ピアスは抜け殻となったシヴァルの隣にドローン蜂として仕え続ける。神の嫁取り完遂(冒頭のヴェセルの怪談を回収)。
          > 神の子を分娩して、虚ろな眼で崩れ落ちたシヴァル。オーランドは、顕現した直後の神の餌となり、好奇に輝く表情のまま事切れている。死闘のすえ瀕死のピアスは、最期の力で「弟」に覆い被さろうと地面を這い進む。その姿を、不思議なものを観察するように、神の子はしばし無為に宙に羽音を響かせながら眺めているようだった。その羽音が再度響きを変えて、神が動きだしたことを悟り、ピアスは絶望の呻きを上げる。弟の元に辿り着くには遠過ぎた。だが神が向かったのは「母胎」のもとではなく、ピアスと同様に奇妙に捻れた形で横倒しになっていたヴェセルの…画面に愕然としたヴェセルの顔が大写しになり暗転。
          > 画面が切り替わり、ほのかに白く滲む煌々とした満月の夜が映る。場違いなまでに、それは幻想的に美しい。月下に佇むものは、黒々とした紺青の蓮池を見下ろす白亜の城(ホテル)だ。最上階のバルコニーには、大きな寝椅子に仲睦まじく寄り添うヴェセルとシヴァル。ヴェセルは満足そうな微笑を浮かべているが、瞳はどこか無機質な複眼のよう。シヴァルの表情は抜け殻だ。ヴェセルの姿をした者が「后」から視線を離さず、先を見もせずに手を伸ばすと、無表情の「ドローン」となったピアスが琥珀色のよく冷えたドリンクを手渡した。「蓮の王」は、口に含んだ蜜を優しく「妻」の唇に流し込んだ。
      - 🏆True B : Plucked
        - 三位3点、シヴァルからの共感が合計5以上(高過ぎる)
        - 一見ハッピーだがメリーバッドエンド。シヴァルはピアス&ヴェセルに心を渡してしまう。誘拐の真相は開示されない。身体は自由だが心は「摘まれた花」となる。
          > オーランドはトゥルー敗北と同様に死亡。崩れ落ちたシヴァルに駆け寄ったピアス&ヴェセルは、ノーマルエンドと同様に生存を確認。そのままシヴァルは意識を取り戻す。シヴァル「…僕はまだ人…?」ピアスは愛しげに苦笑して「そんなことを心配する必要はない」ヴェセル「話は後、後」シヴァルを抱き上げて聖室をあとにする、その後ろ姿を映して暗転。画面を転じて、青空。シヴァルは黒いジャケットに包まり、ヴェセルの手渡した温かそうな缶飲料に口を付けます。霧が出る気配もない車外を、まだ少し信じられないような顔で見上げるシヴァル。ややあって、まだ出発していない車の前方を見ると、運転席のピアスとヴェセルが振り返ったまま、無言でシヴァルを待っています。シヴァル「『僕たち』どこへ行くの?」その言葉は自然と三人を一つに束ねています。無表情だがどこか今までより穏やかなピアス「落ち着けるところへだ」ヴェセル「折角だから、一番いい所を探そうぜ。俺達の『楽園』みたいなところを」緊張感のない、いっそ不謹慎なヴェセルの言葉に、それでもシヴァルは苦笑いします。「普通でいいよ」車外から後を追うようなカメラになり、やがてノーマル同様のラジオの歌(バラードアレンジ)の中でスタッフロール
      - 🏆True A : Chained
        - 三位3点、シヴァルからの共感が合計4以下(高過ぎない)。正史。
        - ラスボスを打破したあと、ピアス&ヴェセルは車にシヴァルを連れ帰り、シヴァルを車の後部座席に手錠(=リングチェーンの伏線回収)で拘束する。リングチェーンの暗示と誘拐の真相はこのエンドのみ開示される。身体は拘束されるが、シヴァルの心は自立している。
          > トゥルーB同様、シヴァルの生存を確認。意識を取り戻したシヴァル「僕はまだ人…?」を抱いて聖室をあとにするまでは同一の展開。青空のもと、先に車を確認して戻ってきたピアスがシヴァルにジャケットを着せ掛けます。シヴァルは困惑の表情で、ジャケットからピアスに視線を移動させます。ピアスは奇妙に満足した表情で「…ゆっくりでいい。落ち着ける場所へ行こう」。ヴェセル「大丈夫?なんか食えるところ寄ろうぜ、もう限界だわ」シヴァルはヴェセルを見詰めます。シヴァル「…話ができる?沢山のこと…」(シヴァルは、この誘拐も何らかの事情があったのか?と希望的観測を抱き始めています)ヴェセル「もちろん!」ピアス「食料と、飲料と、寝床だ」僅かの間、シヴァルは考え込みますが、彼らの言葉はごく自然に思えます(初見プレイヤーには、単にシヴァルが教団のせいで混乱して不安なだけに見えるように)。躊躇いながら頷いたシヴァルの手を引いて、ヴェセルは優しく後部座席に載せ......無音のなか、「カチリ」という音が大きく響きます。先に車に戻ったピアスが、ダッシュボードから取り出した手錠を無造作に運転レバーの隣のスペースに置くカット。それを拾い上げて慣れた手付きでシヴァルの手首に嵌める笑顔のヴェセル。一瞬、三人の構図は礼拝堂地下の「結環」の絵画のリフレインとなる。満月のように澄んだ瞳を瞠り、手錠を凝視するシヴァルを正面から映したまま、「バドワイザー欲しい今すぐ」「先にガソリンだ」などと何の異常も感じられないピアスとヴェセルの声音が遠く響いて、スタッフロール。曲はノーマルやトゥルーBと同じ曲の、いかにもホラーらしいハードなメタルアレンジ(CMのやつ)。
        - 🎒アイテム :
          - リングチェーン(Ringchain):名産の縁結びアイテムであり、三位一体派の祭具が起源。銀のニ連リングが鎖で繋がれている…つまり?
    - 2周目以降:
      - 2周目以降、追加武器としてピアス「銀環」とヴェセル「蛹環」を入手可能。これらを装備した状態で、操作していない相方キャラ(NPCのピアス/ヴェセル)がラスボスにて死亡した状態でクリアすると、各自の独占エンドになる(よほどのことがないとサポートキャラは死なない=意図的に盾にする必要がある)。
      - 🎒アイテム :
        - 誓名の銀環(Vowbind Ring):ピアスの追加武器。細く繊細な銀の指輪。
          - 専用モーション:ピアスの操る銀の鎖が虫脚の如く蠢き、異形シヴァルの全身の蓮に受粉させようとするように潜り込んでまさぐる。
        - 祝宴の蛹環(Chrysabrid Ring):ヴェセルの追加武器。未熟な蛹の婚約の証。
          - 専用モーション:蜂の翅や毒針を模した微細な群体がヴェセルから吹き出し、異形シヴァルの臍に深々と毒針が突き立って、毒液を注ぎ込み少し溢れる。
      - 🏆 : ピアス独占(Hold):眠り続けるシヴァルを抱いて、誰も知らぬ街に逃れ、眠る弟を守り続ける。
      - 🏆 : ヴェセル独占(Chosen):誰もいない楽園で抜け殻のような「婚約者」と静かな王国を築く。
-----
## 🟥️Origin Epilogue : 誘拐 (Stolen Truth)
  - 🏞隣接 : サイレントブルーム (Silent Bloom)
    - 🎬シナリオ : True Aエンド到達後、回想シーンに追加されるムービー。
      - ヴェセルは、サイレントブルームの街を飛び出して周辺を転々とするうちに、見覚えのある白蓮の瞳の少年シヴァルの存在に気付いた。シヴァルの存在は母やその協力者に巧みに隠されているが、ヴェセルの教団中枢の存在としての視点や、「神」としての本能を欺くことはできなかった。
      - ヴェセルはシヴァルを異様な執着の視線で見つめる正体不明の男ピアスの存在に興味を抱く。ピアスもまたヴェセルに気付いて、聞かれてもいない内に「あの少年シヴァルは俺の弟だ」と語る相手のいなかった激しい衝動を言葉する。ヴェセルは、これをある意味で面白い好機と考える。
      - ヴェセル「弟が心配なのか?誰かに狙われているのか?」ピアス「俺は弟を守りたい…そう…その通りかもしれない」ヴェセル「では、弟を狙う連中から隠さなきゃな」このようにヴェセルはピアスを唆して、教団がしばしば陰で行っていた犯罪的行為の知識を活用して誘拐を手助けする。
      - ヴェセルとピアスはシヴァルを車の後部座席に閉じ込め、まだ手錠は使用しなかったが、隠れ家を探す旅を始めた。この後部座席の印象は、シヴァルに強い恐怖の記憶として残り、後にシヴァルの幻視の中で「車のシートにも分娩台にも見える拘束椅子」となって現れる。
      

🟥️Silent_Bloom-01_Origin-Stage+Scenario


🟥️Origin Prologue : 失踪 (Into the Mist)

  • 🏞隣接 : サイレントブルーム (Silent Bloom)
  • 📜テキスト : ※オープニングの一環のように以下のテキストが表示される
    • 弟と兄のメッセージ : 「『普通と違う僕』をただの弟として見てくれた兄」「弟を守れなかったら自分がどうなるかわからない兄」
      • シヴァルとピアスのメッセージ?というミスリード。実際はノエイルとアルヴォスのメッセージ。
      • ノエイル「兄の中に、私の姿はどう映っていたのだろう。不器用な人だった」アルヴォス「本当に弟を理解できていたか。時にあの勇敢さが怖かった」
    • ヴェセルの語る都市伝説 : 「神に連れてかれた花嫁。指輪じゃなくて花嫁を縛らなきゃ意味ねえよな?」
      • リングチェーンとトゥルーエンドの「手錠」の伏線。
      • 「神に花嫁を奪われないよう、花婿は指輪に護符の糸を結んだが、糸のもう一方の端を花嫁の指に結ぶのを忘れた。手袋の中に指輪だけが残っていた。」
  • 🎬シナリオ :
    • 車で「落ち着ける場所に向かう」兄弟(ピアスとシヴァル)と兄の友人(ヴェセル)。
      • 弟を案じるピアス「寒いか?すぐに落ち着ける場所を探す。(着の身着の儘…だが、あのまま弟を置いておけなかった)」
      • プレイヤーには「社会の疎外から抜け出した兄弟」に見えるが、「弟を自分の手の中以外に置いておくことはできない」という意味。
    • ピアスが運転席。ヴェセルが助手席で、くだらない怪談を一人で話し続けている。
      • 神が花嫁を奪うという怪談。花婿が指輪にまじないをしたが、指輪だけが残されて花嫁は連れ去られた。
    • 後部座席のシヴァルは無言で窓の外を見詰めている(『普通と違う僕』だから落ち着ける場所がない?というミスリード。実際は誘拐)
      • 後部座席のシヴァルの肩に、ピアスにより重い革のジャンパー(拘束の象徴)が着せられているが、シヴァルが失踪したあとジャンパーだけが脱ぎ捨てられている。
    • 突如、濃密な霧が発生してホワイトアウト。道路を脱線して止まる車。意識を取り戻すと弟がいない。
    • ヴェセル「なんだこの霧?マジ怪奇現象かよ…」(怪談からの軽口のようだが、実際はヴェセルがシヴァルの素性をここで確信する)
  • 🌫️導線 : 霧の中に朧気に見えるシヴァルの影を追って、サイレントブルームの町へ。

🟥️Origin Stage 01 : ビジターセンター (Visitor Center)

  • 🏞隣接 : ミルガーデン駅 (Myrrhgarden Station)
    • ホーム壁面の絵画「月下に咲く湖上の蓮」街のシンボル。片隅に「神が白き光を注ぎ、花が楽園の扉を開く」
      • 神婚派の基本的なシンボル(神=器が父となり、蓮=胎が母となり、楽園の扉が開く)
      • パンフレットの棚に「月光が降り注いで白い霧となり、蓮の花を咲かせるという言い伝え」の民間伝承。
      • ヴェセル「車の中で話しただろ?神サマが湖に嫁を取りに来るって話。『白い光を注ぎ、花が扉を開く』。…まあ、そういうことだな」と含み笑い。
  • 🎬シナリオ :
    • ミルガーデン駅(観光地の古びた駅)に併設のビジターセンター。目立つ看板に惹かれて足を踏み入れるピアスとヴェセル。
    • 医者らしき風貌のオーランドが、売店で物資を物色している様子。霧が発生したため霧の範囲を確認しようと街の端に来ていたと証言する。
    • ピアス「弟を見なかったか?」オーランド「それらしき少年を見ていないが風貌を教えてくれるかね」
    • スマートフォンでシヴァルの写真を見せるピアス。シヴァルはカメラの方を向いていない(盗撮=誘拐の伏線)。
    • 白い蓮のような瞳、という特徴的な風貌から、オーランドが「ノエイルの子で、蓮花の因子の保有者」という可能性に思い当たる。
      • オーランド「…育ちの良さそうな少年だ。心配なことだろうね」ピアスは無言で眉を顰め写真を見つめる。
      • ピアスは弟を案じているように見えるが、誘拐犯なので弟の「育ち」を全く知らない。
  • 📜テキスト :
    • サイレントブルーム観光案内 : 「霧と蓮と結婚の町!名産の縁結びアイテム『リングチェーン』」
      • ヴェセル「風情があるねえ」
    • オーランド「(土産物の棚のハーブセットを調べると)この地域では薬草が豊富でね。様々な用途があるので医者としては重宝するよ…怪我の手当に使うなら即効性はないがね」
      • (バイオハザード関連のメタ台詞=回復アイテムには使えないよ。オーランドが薬物を精製していること、かつプリヴェイラの母の味&シヴァルの好物がハーブであることの伏線)
  • 🎒アイテム :
    • ラジオ(サイレントヒルお馴染み要素) : オーランド「濃霧の影響か、ノイズばかりでね。何かの役に立つと思うなら、持っていっても構わんと思うよ」
    • 観光マップ : 主要施設の簡単な説明が記載されている。
  • 🎭エネミー :
    • Snitcher : 子供の姿の異形。初回ザコ。「見つかってはならない」というシヴァルの心理の反映。
    • Mimiclone : 市街を徘徊するザコ。どことなくピアスやヴェセルに似た服を着ており、抱きしめるように攻撃してくる。
  • 🌫️導線 : 観光マップの「ハニークレイドル小学校」に「来てはいけない」という意味の謎の文字(シヴァルの心理に反応)。
    • 学校は行けなかった場所(疎外の象徴)/誘拐犯たちに「来ないで」という両方の無意識が反映されている。

🟥️Origin Stage 02 : ハニークレイドル小学校 (Honey Cradle School)

  • 🎬シナリオ :
    • シヴァルの「社会からの疎外」を主とする恐怖を強く反映したステージ。教団の脅威と、両性具有という特異な出生から、シヴァルは学校に行けなかった。
    • ヴェセル「学校ね…弟が居そうか?」ピアス「…いや。弟が普段どう過ごしているのか、俺はよく知らなかった…」
    • 学校での様子(イジメなど)に気付いてやれなかった、とも取れるが、誘拐犯なので当然である。
    • ピアスとヴェセルの過去も暗示されるが、この時点で明確な描写はしない。プレイヤーのミスリードを維持する。
  • 📜テキスト :
    • 黒板の大きな文字「ここに君の席はない」(特にイベントはないが、教室に入った途端、思わず目を止めるムービーあり)
    • 保健室「あなたは男の子?女の子?なやんだら先生に相談しよう」裏側「正しくない子に先生はいない」
      • ヴェセル「…うっせえんだよ。正しい?そんなもん、欲しくもないね。(俺は『選ばれた』。それだけだ)」
      • ヴェセル「…ガキってやつは…」(このステージでは聞こえないが、後にシヴァル視点で台詞の全体を聞くことが可能)
      • 🐝🪷ヴェセル→シヴァル共感 : +1
    • ポスター「お友達を名前で呼ぼう!」書き込み「名前を与えてはならない。役割を果たすまで」
      • ピアス「…俺の役割は、弟の兄だ。救い出して…それから、弟に呼んで貰えるのか」
      • プレイヤーには決意の独白に見えるが、誘拐犯なので「シヴァルに名を呼ばれたことがない」。また、「鍵」として教育された伏線でもある。
      • 🔑🪷ピアス→シヴァル共感 : +1
    • お花と虫とタネのお話「虫が花粉を運びます」生徒の書き込み「虫がお父さんだと思ってました」
      • 雌花=蓮花、雄花=神、鍵=虫という教義の暗示。ピアス=鍵が父か?ヴェセル=神が父か?
      • 「花にオスとメスがあるなんて知りませんでした。花をふやすには花粉じゃなくて虫(蜂、鍵の象徴)をくっつければいいと思ってました」(雄花と虫のどちらが種のもと?=神と鍵のどちらが夫?)
    • ハチミツができるまで「ハチは蜜をお腹の中で変えてハチミツにします」生徒の書き込み「虫は大事。でも針があって怖いです」
      • 蜜=メルミュートの暗示。メルミュートは特殊な虫を用いて精製する。養蜂=鍵の育成、針=男根恐怖。
      • 「ハチがいないと花は蜜を作れないと思ってた(鍵と蓮の役割)」「人間は花から直接蜜をとれないの?蜂の巣からしか取れないのかな(メルミュート精製)」「ハチミツ屋さんがハチを飼う理由がわかりました(鍵=術者の養育)」
    • 古びた紙「子に乳を、花に霧を。注がねば花開かぬ。白き光を器に受け、疾く注ぎ咲かせよ」
      • 司祭のメモ(サリオン?)「自然現象を神聖化した性行為に見立てる。信仰の形態としては原始的なものだ」
  • ⚔️ボス : Cradle Maw(クレイドル・モウ)
    • 足場を喰らう芋虫(蓮=シヴァルを喰らう者でもある)。声を上げられないシヴァル自身の無力感の象徴でもある。
  • 🌱心理 :
    • シヴァル : 誘拐犯(ピアスとヴェセル)に対する純粋な恐怖と嫌悪。霧については母から「あの土地の怪異」のように聞いていた。自分が霧を産んだ自覚はない。ややパニック状態。
    • ピアス : メルミュート常用の効果で、過去と未来に実感が持てず、他人の記憶のように実感がない。小学校で想起した記憶は明瞭だが、弟を「救い出す」(手に入れる)ことしか見ていない。
    • ヴェセル : シヴァルを利用して対教団の意趣返し。小学校がシヴァルの無意識を反映していることを推察、押し付けられた出生にやや同情と共感があるが、自分の都合を優先している。
    • オーランド : 霧の異界の発生とシヴァルの風貌から「蓮花」であることをほぼ確信。「実験材料」の確保に向けて動いている。冷静ながら科学者としての野心にかられる。
  • 🌫️導線 :
    • 信徒のメモ「胎の兆しはあれど、未だ花は付かず。だが器は生った。湖畔にて祝宴を成す(ホテルのメモ帳だ。片隅に地図が印刷してある)」
      • プレイヤーには、胎=花=シヴァルと器=ヴェセルの違いが分からない。ヴェセルのための祝宴だが、シヴァルがいる?というミスリード。
      • ヴェセル「祝宴ねえ。(メモの印刷を見て)ロータスベイルホテル…そりゃお誂え向きだな。湖と霧と蓮の、『神サマの嫁取り式場』だ」

🟥️Origin Stage 03 : ロータスベイルホテル (Lotusveil Hotel)

  • 🏞隣接 : セレスヴェイルレイク (Celesveil Lake)
    • 蓮と霧と月光の名所。この土地に「交歓(男根と女陰→扉と鍵→蜂と蓮)が産む楽園」の思想を生み出した原風景。
    • このステージにて、神婚派/門番派/三位派の思想が曖昧に示唆される。プレイヤーには、各宗派の相違点は混乱させておく。
  • 🎬シナリオ :
    • 「器」と「胎」の婚約披露宴の準備をしている最中で無人になったようなホテル。
    • この婚約は、シヴァルが誕生してすぐ母に連れられて逃亡したため、実現しなかった。ヴェセルの記憶を反映した「可能性のあった過去の幻影」である。
    • ホテルの各所に、婚約に似付かわしくない無機的な医療メモがある。器と胎に薬物を投与する教団の儀式だった示唆。
  • 📜テキスト :
    • パンフレット「聖地のような湖上の教会で、永遠の誓いを!リングチェーンのオーダー承ります」
      • 大きなリングチェーンの写真(繊細な銀のニ連リングが細いチェーンで繋がれている)ここでリングチェーンのビジュアルを印象付ける
    • 宿泊台帳「V...(Vesselの名前が横線で消されている)」「同行者(婚約者):Cancel(赤文字)」
    • ブライダルルームの走り書き「新郎の名前は空欄に。決定は挙式直前とする」(神と鍵のどちらが夫なのか明確でないことの暗示)
    • 挙式会場設営指示「花嫁の装飾に蓮の生花を追加。鮮度に注意。花婿の装飾は品格ある黄金(蜂の毒液、蜜の象徴)をさらに追加。」
      • !マーク付きの注意書き「ナイフを黄金にする必要がありますか?異端の連想は厳禁」
      • ピアスはナイフの写真を手に取る。柄の部分や刀身の模様が鍵の意匠をしている。
      • ヴェセル「…主演に失礼があっちゃいけないな。なんたって、花婿は神様なんだから」
    • レターケースの中に異端(門番派)の紙片「神は偽りの夫。天より侵す者。地に咲く花の、真の伴侶は鍵。磨きて備えよ、扉は楽園へ開く」
      • 紙片の片隅に「第33鍵 秘匿名『P.』 適合。蓮花が成熟しだい、交歓を実施すべし。」という角張った文字
      • ヴェセル「…ははっ。だから見付けられたのか。選ばれてもいないのに…ハハ、ハハハハハ…!!」
      • ヴェセルは、ピアスがシヴァルに惹き付けられた理由=鍵=真の夫である可能性、自分こそが「選ばれていない」可能性に気付いて、ヒステリックに笑い始める。
      • ピアス「…それがなんだ。俺達は二人で、弟を連れ戻すんだろう?」(お前は俺が弟を「守る」=誘拐を手伝ってくれたじゃないか)
      • ヴェセルは意表を突かれたように笑いを止める。「…一つの扉に二つの鍵ね。そういうこともあるか」
      • 🐝🪷ヴェセル→シヴァル共感 : +1
      • 🔑🪷ピアス→シヴァル共感 : +1
      • 💍💍三位一体 : +1
  • 🎭エネミー :
    • Unborn(アンボーン) : ヴェセルの産まれ損ないの弟たち。実体がなく、攻撃してこない。笑いさざめく胎児。「にいちゃん」「およめさん」
    • Repeating Guest(リピーティング・ゲスト) : 顔のない常連客。ホテルを転々として生活していたヴェセルの反映?
  • ⚔️ボス : Chrysabride(クリサブライド)
    • 🏞隣接 : 王太子の間 (The First Room)
      • ホテルの宴会場だが、ヴェセルの「選ばれた者」=王太子という執着が込められた名。
    • ウェディングケーキに一箇所だけ赤黒い裂目があり、そこに黄金のケーキナイフが突き立っている(性交の隠喩)。ナイフの柄は鍵のように見える。
    • ケーキ入刀=夫として選ばれる者だけがナイフを持つ権利がある。選定の剣の象徴。
    • ヴェセル→シヴァルの共感がピアスより高い場合、ヴェセルが戦闘後にナイフを拾い、独白。「選ばれるのか、選ばせるのか…いや、俺が選ぶのか」
      • 🐝🪷ヴェセル→シヴァル共感 : +1
    • ピアス→シヴァルの共感がヴェセルより高い場合、ピアスが戦闘後にナイフを広い、独白。「これの使い方をずっと学んできた。だが俺が望むのは…」
      • 🔑🪷ピアス→シヴァル共感 : +1
    • ピアスとヴェセルの共感が均等な場合、両者の独白が発生する。
      • ヴェセル「拾わないのか?」ピアス「真の鍵はこれじゃない。そうだろう?」ヴェセル「なるほど。鍵が二つあったって、扉は開く。それでいい…だろ、『兄さん』?」
      • 🐝🪷ヴェセル→シヴァル共感 : +1
      • 🔑🪷ピアス→シヴァル共感 : +1
      • 💍💍三位一体 : +1
  • 🌱心理 :
    • ヴェセル : シヴァルの存在があれば、自分が「選ばれた者(真の夫)」であることを証明できるという発想に執着しはじめる。
    • ピアス : 自分が鍵として育成された自覚。だが、真の望みは弟を得ることであり、鍵であることは「そのための手段、武器」である。
  • 🌫️導線 : 冷蔵庫メモ「月催芽は要冷蔵。照度は既定以下を維持。乾杯の順番ミス厳禁のこと。変質を確認した場合、ただちに診療所に予備を申請すること。」
    • ピアスとヴェセルは、医療的な儀式への関与を察知して、診療所へ向かう。

🟥️Origin Stage 04 : 教会(シヴァル視点) (Nameless Church)

  • 🏞隣接 : セントバイン駅 (Saint Vine Station)
  • 🎬シナリオ :
    • 霧の街を小走りに駆け抜け、名も無き教会に辿り着くシヴァル。シヴァルの手にした観光マップには、教会の部分に「蓮の中心に眼」のような印が書き込まれている。
      • 霧の街の異形たちは、シヴァルを襲わない。霧を生み出したのがシヴァル自身であり、異形たちは「誘拐犯から自由になりたい」というシヴァルの意向に従っているのだ。
    • シヴァル(この印、母さんが教えてくれたことがある。用心なさい、だけど必要な情報もこの印の下にある――と)「蓮の中心に眼」は教団で両性具有を表す印。
    • 教会の中は意外なほど荒れていない。最初に目に入るのは聖人像(中性的)だ。少し仰向いて寝椅子のような座(分娩台)に乗り、天井のステンドグラスから注ぐ白く濁った光(月光=精液)を浴びている。
    • 蓮の形をした聖水盆が設置されており、湯口は黄金の蛇の形をして、今は枯れているが、かつてその鎌首から水を注いでいたようだ。(露骨な隠喩)
    • シヴァルは教会の片隅に、地図と同じ「蓮の中心に眼」の印を発見する。その壁に力を加えると横に滑り、地下への階段が現れる。
    • 螺旋階段の壁に、教団の教義を描いた絵画や碑文が、延々と並んでいる。シヴァルは母の言葉を想起しつつ、階段を下っていく。
    • 両性具有の自分自身、それが誕生した経緯、隠れ棲んでいた理由をシヴァルが理解しはじめた瞬間、背後からオーランドが現れる。
    • オーランド「賢い子だ。私が説明するまでもなく、その様子では、ほとんど理解したようだが…端的に要件を言おう。君は「楽園」の実体を検証するための、希少な媒体だ。少々、実験のアシスタントをして貰えるかね?」
    • 逃げ場はない。シヴァルが螺旋階段の行き止まりにある「印」を刻まれた壁に身を寄せたとき、世界が変転して、鉄錆た異界となり、壁が赤黒い「扉」と化して、花弁を開くかのようにシヴァルたちを飲み込んだ。
  • 📜テキスト :
    • 絵画「蓮の皿」月下の湖に咲き乱れる蓮の中、浮かぶ小舟に乗って眠る聖人の姿。教会の聖人像の台座(分娩台)は、この小舟だったようだ。
      • 皿=神の精液を受ける母胎。セレスバッドにより幻惑状態となり、儀式の道具となっている蓮花の肖像。
      • 絵画の下の銘文に「神が白き光を注ぎ、花が楽園の扉を開く」という教団の初歩的な思想が書き添えられている。
      • シヴァル「さっきの聖人像…蓮花が楽園を生み出すということは、この聖人が『蓮花』なのか」
    • 碑文「月催芽(セレスバッド)は神と花嫁の交わす杯。天上の露に蓮は息吹き扉を開く」オーランドメモ「薬物の作用から神聖な啓示を得るという発想は珍しくない。だが、セレスバッドだけでなく楽園も観測可能な事象だ」
      • シヴァル「観測可能…この街に来て、その中を通り抜けた。あの霧の世界は幻覚じゃないんだ」
    • 絵画「蓮(はちす)の王」杯(器)を手に、扉を潜ろうとする黒衣の花婿。顔をヴェールで覆い、衣装には虫の翅翼のような刺繍が施されている。
      • 蓮=はちす=巣の王、すなわちハイヴロード。杯は神の精液を湛えており、杯自体が「神の精液の入れ物」=器=Vesselでもある。
      • 銘文「杯は神の露を湛え、花は神と杯を誓う」
      • シヴァル「これが神…(生理的な恐怖感・嫌悪感)?真っ黒だけど、結婚の衣装みたいだ」
      • 幻視 : ハニークレイドル小学校のヴェセル共感イベントを通過した場合
        • ヴェセルの視界と台詞が、シヴァルに幻視としてあらわれる。
        • ヴェセル「正しい?そんなもん、欲しくもないね。俺は『選ばれた』。それだけだ。…しかし、こんなもん(両性具有由来の疎外)に律儀に傷付いてんのかね。ガキってやつは…」
        • 🐝🪷シヴァル共感 : +1
          • ホテルの「一つの扉に二つの鍵」を通過した場合、シヴァルの台詞「…『蓮花』も『神』も、人が選ばれる?」(通過していない場合、シヴァルの反応は描写されない)
          • 🐝🪷シヴァル共感 : +1
          • 選択 : 「罠」!シヴァルの交歓は上げすぎても悪いエンディングになることに注意。
            • 「僕は…(自分の人生を)選ぶことができるんだろうか」変化なし
            • 「選ばれたのは、僕だけではなかった…」
              • 🐝🪷シヴァル共感 : +1
    • 碑文「霧声蜜(メルミュート)は福音を霞ませる蜜蝋。舐めれば神の響きを聴く能わず」オーランドメモ「異界化昆虫種が体内で分泌物により蜜を変成することで効果が有意に上昇。採取サンプルは希少、精製には慎重を要する」
      • シヴァル「さっきのメモと同じ人の字だ。科学者?」
      • 幻視 : ハニークレイドル小学校のピアス共感イベントを通過した場合
        • ピアスの記憶と台詞が、シヴァルに幻視としてあらわれる。
        • どこか前時代的な村(門番派が鍵を育てていた「養蜂所」)、土に埋もれた耳輪(実際はカフス)を何気なく拾って身に着ける幼いピアス。「ピアス!」誰かが呼ぶ声(仇名の由来)。
        • 🔑🪷シヴァル共感 : +1
          • ホテルの「一つの扉に二つの鍵」を通過した場合、シヴァルの台詞「あの耳輪と一緒に、名前を手に入れた…それまでは…」(通過していない場合、シヴァルの反応は描写されない)
          • 🔑🪷シヴァル共感 : +1
          • 選択 : 「罠」!シヴァルの交歓は上げすぎても悪いエンディングになることに注意。
            • 「僕も帰らなくては…呼んでくれる人たち(母など)のために」変化なし
            • 「守るために、追ってきてくれている…(内心の困惑)」
              • 🔑🪷シヴァル共感 : +1
    • 絵画「結環の祝祭」中央に花嫁(中性的)、左右に男性(花婿と介添に見える)。一対の腕輪を鎖で繋いだ祭具(リングチェーン)が、花嫁に捧げられようとしている。
      • 鍵を加えた三位一体の聖婚を示唆する絵画。リングチェーンに酷似した祭具は明らかに手首のサイズであり、婚姻の指輪でありながら手錠である。
      • シヴァル「真っ黒な花婿と、鍵を持った人…なんだか…いったい何の鍵?」(手錠という表現は最後までしない)
    • 手記(プリヴェイラ)「アルヴォスは、ただ愚直に天の声を預言せしめられただけだ。それが何の色だったのか知る術もなく…産まれた子はどうなる?ノエイルと同様、あるいはさらなる仕打ちが待ち受けている。その前に…」
      • 白子=アルビノ=ノエイルの血筋に蓮花=両性具有=シヴァルの誕生が預言されたことで、ノエイルは監禁のうえ投薬され子を作ることを強制される。アルヴォスは盲目のため、白子の預言の意味をとっさに理解できなかった。
      • 預言のままに、兄アルヴォスは弟ノエイルを「蓮華の父胎」として教団に差し出してしまう。盲目の兄は色を知らず、白子の弟は色を持たずに産まれた。色のない兄弟。兄は導を告げ、弟は花を産む。
      • 手記の末尾に家系図。母プリヴェイラの名があり、父ノエイルを夫としている。その下に消された二つの名前(ジャディスとヴォルカ)があり、三つめに「蓮の中心に眼」の印(=シヴァル)。
      • シヴァル「…母さんが、ここに手記を隠したんだ。両性具有の子…これは僕。じゃあ、この人は僕の父…」
  • 🌱心理 :
    • シヴァル : 母が断片的に教えていた警告、教団の正体、両性具有の自分が隠れ棲まなければならなかった理由を理解。母の想いのために、なんとしても無事に脱出したい。
    • オーランド : シヴァルの後を追って、螺旋階段の中でシヴァルが真実を眼にする様子を観察していた。シヴァルに薬物を投与して、本格的に楽園の実験をしようとしている。

🟥️Origin Stage 05 : セントミル・クリニック (St. Myrrh Clinic)

  • 🎬シナリオ :
    • ホテルにて、教団の儀式への医療的関与が伺われるメモを発見したピアス&ヴェセルは、診療所へ向かう。
    • そこで発見した数々のレポート(オーランドによるもの)は、別途シヴァルが礼拝堂で見た教団の儀式への暗示を(ピアス&ヴェセルは知る由もないが)裏付ける。
    • また、ピアスが「鍵の中でも、蓮花=母胎との共鳴=交歓の能力を強化された個体」であることが判明する。それは「兄」を猟犬として、逃亡した「弟を」探知させるためのものだ。
  • 📜テキスト :
    • 蓮花と楽園についてのレポート:蓮花の資質は、実際には両性具有に限定されないが、過去の事例から両性具有の割合は有意に高い。本人の精神状態の影響が大きいと思われる。楽園はごく一時しか観測できず、永続した事例はない。ここで、オーランドの目的が「楽園の扉の固定」「神なき楽園の門番になること」であると明らかになる。彼は楽園を出入り自由な扉を手に入れたいのだ。
      • ヴェセル「両性具有がどんぐらいの確率で生まれるか…それを『有意に高い』と分かるほど。何百年繰り返してきたんだかな」
    • 開花薬についてのレポート:サイレントブルーム土着の薬草(ハーブ)を使用。幻覚作用と催淫作用がある。一方で「鍵」は一種のテレパスにより蓮花に対して開花薬なしで同様の効果を促すことができる(過去の儀式では、鍵と蓮花の性交が用いられた)。開花薬は単純な効果しかないが鍵は蓮花に複雑な誘導が可能なため、一種の蓮花に対するコントローラーとして有用である。
      • ピアス「操縦桿(コントローラー)、か」ヴェセル「鍵による蓮の『直接刺激』ってあるだろ?俺が教わったやり方と同じなら、あの意味(愛撫、性交)だよな。扉と鍵って、見たまんま」
      • 🚫余談だがこの土地はハーブが豊富で、プリヴェイラもハーブ料理が得意、シヴァルも母の味ハーブが好物である。
    • 鎮静薬についてのレポート:異界の植物の蜜を異界の昆虫の体内で無毒化したもの。サンプル希少につき培養には慎重を要する。継続服用した場合、感情と時間間隔の鈍麻(過去と未来への実感がなくなり現在しかみえなくなる)という副作用(ピアスが「現在」だけに生きる衝動的な人格である説明)。追記:鍵から蓮花に対する共鳴=交歓を強化する薬物の開発。併用することで鍵をより有効運用することが可能
      • 見た目は蜜のようで甘い香りだが渋みがある。ピアス「蜜のようだが…所詮は薬だ。味は渋いぞ。舌が痺れて、言葉が億劫になる(寡黙な理由)」
      • 🚫補足(プレイヤーに開示しない情報):門番派は、蓮花=花嫁の開花を促す=付添人としての役割から、伝統的に鍵=兄と呼び慣わしていた。ピアスが「兄」を称するのは、この教育を受けたことが理由である。
    • 三篇の詩片(司祭メモつき):蓮花=母胎、神と器と蜂、鍵と扉、霧と精液と蜜…などの性的な暗喩を司祭(たぶんオーランドまたはサリオン)が解釈したメモ。これまでの暗喩の答え合わせ(儀式では蓮に対して神と鍵が性行為を行い覚醒を促すことを明示する)。
      • サリオン「ルークもビショップも同じ駒。働き蜂もドローンも同じ蜂。役割だけが異なる=兄弟では?(ピアスもヴェセルも蓮花を開花させるという目的は同じ「夫」という伏線)」
      • ヴェセル「同じ駒、なあ。洒落た比喩だこと(目を細める。ヴェセルはサリオンのチェス嗜好を知っている)」
    • ノエイルと思われる被験体(番号で記載されている)のカルテ:シヴァルの父ノエイルが受けた非人道的な仕打ちが記載されたカルテ。プリヴェイラの書き込みあり。
      • プリヴェイラ書き込み「彼(ノエイル)は覚悟している。残された者(アルヴォスなど)たちを想う心すら、彼の中にあるのに。残したい。彼の証を、彼の心を。だが、それすら預言の礎となる(子供を産む=シヴァルが誕生して預言に利用される未来が待っている)のなら恐ろしい」
      • ピアス「(無言で凝視。誘拐の真相を知らないプレイヤーからは自分の両親を想う表情に見えるが、弟の両親の情報を収集している)」ヴェセル「⋯盲目の預言者は気付かなかったのさ。自分が差し出した『俗世の色に染まらぬ種子』の意味するものをね」
  • ⚔️ボス : Drone Womb(ドローン・ウーム)
    • メルミュートの材料としてオーランドが培養していた異界の食虫植物&昆虫の標本が活性化したもの。ウツボカズラのような植物の蜜壺に無数の蜂の幼体が蠢き、表面を翅のない蜂が這い回り無心で蜜を吸っている。蓮花に惹き寄せられるピアス&ヴェセルを侮辱するような存在。
    • ヴェセル「関節のある獲物は好きなんだけどよ…壊す所が分かりやすいからな。こういう(関節の不規則な植物)相手は苦手だわ」(ヴェセルは神=蜂の王のため、本能的に下位の虫に強い)
  • 🌱心理 :
    • 三位一体フラグについて:診療所ですでに三位ポイントが2の場合(必然的にピアス&ヴェセル→シヴァルの交歓も高い)、診療所で最後の三位フラグ=トゥルー条件が成立する。
    • 開花薬と鎮静薬を手に入れることが診療所のクリア条件。ピアス「これは本当にシヴァル奪還の手札になるのか?」という議論になる。三位フラグが不足している場合、ヴェセル「使えるものは使うしかない」という流れになるが、三位フラグが立っている場合、かつ診療所で十分な資料(ノエイルのカルテのみ条件ではないがそれ以外の全部)を収集していれば、「今まで見た情報からすると、切り札はもう一つある」という台詞がでる。つまり、ピアスの共鳴能力(強化済み鍵個体)を利用すること。
      • 💍💍三位一体 : +1
  • 🌫️導線 :
    • 二人は診療所を探索して、セレスバッドとメルミュートを獲得する。そのときオーランドから診療所の電話に着信がある。
    • 「留守中の様子を確認してみたら、案の定、不法侵入してくれた客人がいたようだ。外来なら申し訳ない。君たちの探し人なら、ちょうどこちらで確保したよ。居場所が気になるはずだね?何も隠すつもりはない、礼拝堂の一番奥に聖室がある。…私にとっては、君たちは蓮花との接触試験をするにあたり絶好のサンプルだ。さて、実験は先に始めさせて貰うが、可能ならいつでも来たまえ。ルートはネクサス通りが早いだろう…ゲートの鍵は私の机の中だ」
    • 二人はネクサス通りの鍵をあけて、確保されたシヴァルの待つ礼拝堂最奥を目指す。

🟥️Origin Stage 06 : 教会(ピアス&ヴェセル視点) (Nameless Church)

  • 🏞隣接 : ネクサス通り (Nexus Street)
    • 🎬シナリオ : 主人公たちと対象的な過去の亡霊が登場する。「(教団に反発するヴェセルと異なる)狂信的な器」「(弟だけを目的に生きるピアスと異なる)蓮を犠牲にする鍵」「(他の想いに報いることを願うシヴァルと異なる)器や鍵を食い尽くし女神となることを願う我欲に満ちた蓮花」。オーランドの声が傲慢な科学者の美学を謳う。
      • 器の亡霊:「神が私を器に選んだ。花が私を夫と選んだ。私は満たされる…杯の縁になみなみと…飲み干せ…私を飲み干してくれ。骨と皮まで」
        • 器へ:「器の価値は液体を満たすことだ。つまり器自体は空であればあるほどいい…無為、空腹、虚栄。それが器たる者の持つべき資質だよ」
      • 鍵の亡霊:「俺は見事にやり遂げた。開いた。解き、咲かせた。俺に微笑んだあの美しい花だったから…正しく役目を果たしたのだ。讃えてくれるはずだ。俺の名を…俺の名はなんだ?」(小学校「役目を果たすまで」回収)
        • 鍵へ:「鍵は対応する錠に合わせて削られる。鍵自体の形が始めにあるわけではない。個を持ったところで、合う扉のない金屑になるだけだ」
      • 蓮の亡霊:「霧が私を潤して、蜜が私を融いて、鍵が私を開いて、器が私に注いで、…ならば私が楽園を統べる。環で永遠を誓い、鎖で忠誠を証しましょう」
        • 蓮へ:「人類の原初の望み、願い、祈り…つまり原初の欲は安楽であることだ。であれば、楽園を産む原動力が欲望であることに不思議はない」
      • 器は欲を湛え、鍵は欲を穿ち、花は欲を餌にする。
  • 🎬シナリオ :
    • 礼拝堂地上部:シヴァル時点から鉄錆た異界に変異。聖人像は鎖で台座(分娩台/誘拐犯の車のシートの象徴)に拘束された状態。聖水盆は蛇の口から黄褐色に濁った蜜/血膿を垂れ流している。螺旋階段への扉は開いたまま。
    • 礼拝堂地下部:テキスト/絵画がやや変質して禍々しい。
  • 📜テキスト :
    • 蓮の皿:湖上に咲く蓮の下に胎児/蜂の幼体を掛け合わせたものがうっすら。聖人像はやや仰け反っている。ヴェセル「神の子の分娩台ってわけだな」
    • 月催芽:ピアス「薬で意思を融かし、指先で人格を解く技。…鍵たちは叩き込まれる。徹底的にな」
    • 蓮の王:ヴェセル「このキモい神様の容れ物も必要ってわけ。母親ごと暗示をかけて薬漬けにして…あの預言の白子と似たようなもん。当然、失敗作もどっさりさ。壊れた母親とか胎児(アンボーンたち)とかな」
    • 霧声蜜:ピアス「鍵たちは晴声蜜と呼んでいた。偽りの神の羽音を晴らす蜜」
    • 結環(どう見ても手錠):ピアス「…二人の男は、聖職者でも介添人――花嫁の兄か何かでもない」ヴェセル「かくして病めるときも健やかなるときも、離さないことを誓いますか。ってね」
    • プリヴェイラ手記:ヴェセル「ついでのオマケ。預言者にも息子がいたんだぜ。そいつが当代の神の器」ピアス「(無言で凝視。診療所に倣う)」
  • ⚔️ボス : Stillborn(スティルボーン)
    • 礼拝堂地上部にて戦闘。台座(分娩台)に拘束された聖人像(蓮花、母胎)が、足の間から臍帯を伸ばして攻撃してくる。

🟥️Origin Stage 07 : 聖室 (The Sanctum)

  • 🌱心理 : 以下が分岐に影響する
    • 交歓ポイント(ピアス&ヴェセル→シヴァル、シヴァル→ピアス&ヴェセル) : 各3点
      • ピアス&ヴェセル→シヴァル(学校で1、ホテルで2)
      • シヴァル→ピアス&ヴェセル(礼拝堂で3)シヴァルの交歓は上げすぎても悪いエンディングになることに注意。
    • 三位一体=一つの扉に二つの鍵=ピアス&ヴェセル共犯ポイント : 計3点(ホテルで2点、診療所でラスト1点)
      • なおシヴァルからの交歓は三位フラグに影響しないことに注意。
  • 🎬シナリオ :
    • 聖室内部:礼拝堂前半で無意識に蓮花の力を発動したシヴァルが封印された門を開く。聖室に飲み込まれたシヴァルと共にすかさずオーランドも内部に入ったが、そこで門が閉じる。シヴァルは能力を制御できず、閉じ込められた状態。オーランドは嬉々として聖室を見回している「過去に君たち(蓮花)が楽園を開く儀式を行っていた場所だよ。セレスバッドなしで門を開くとは、適正は申し分ない…いや、記録にあるどんな前任者も超えているかもしれない。問題はこの先にある扉なのだがね。ここはまだ言わば産道に当たる場所で…」周囲は、水に磨かれた石のように奇妙に滑らかな、歯や骨のような白っぽい岩壁。シヴァルは、聖室の中央にある台座(分娩台)と、その足元にとぐろを巻く材質不明の錆びた様子もない鎖を見て息を呑む。

      オーランド:所持していたセレスバッドをシヴァルに提示して「彼らの助けが欲しいかね?過去の症例では、セレスバッドの服用が門の開閉に有効的だが…ご希望なら処方するが」
      シヴァル:螺旋階段で見た絵画を思い浮かべ、オーランドの言に従うことの危険を理解する。シヴァルの選択はエンディング分岐次第。

    • 聖室直前:駆け付けてきたピアス&ヴェセル。聖室の門は閉じているが、中央から薄紅色をした半透明の亀裂があり内部をうかがえる(亀裂は花弁または血管、あるいは妊婦の腹部のよう)。声は聞こえないが、内部と外部の二人ずつはお互いの存在に気付く。オーランド「ああ、すべてのサンプルが到着したようだ。どの実験から手を付けたものか…!」(ここで交歓およびルート分岐ごとにピアス&ヴェセルの会話)

      ピアス:門に飛び付くように調べるが、武器で破壊できるものでないことを直感。作中で一度もあげたことのない獣のような唸り声をあげる。
      ヴェセル:ゆっくりと門に歩み寄り、ノックするかのようにコン、コンと叩く。「邪教の儀式については専門外だが…僭越ながら、主賓(鍵と器)が足りてねえんじゃないかね?」

    • ノーマル分岐:ピアスとヴェセルの「一つの扉に二つの鍵」(三位一体)フラグ未成立。
      • ⚔️ボス : Thousand Bloom(サウザンド・ブルーム)
        • 千の蓮。全身に息づく蓮の花(女陰)が咲き乱れたシヴァルの姿。開花薬を投与され、母胎として強制的に覚醒してしまう。
      • 🏆Normal BAD C : Sealed
        • シヴァルからの交歓が合計2以下/最大6(低過ぎる)。シヴァルは、オーランドの目論見どおり楽園を現世に撒き散らすことも、ピアス&ヴェセルの力を借りることも望まなかった。開花薬を飲まず、単独でオーランドごと異界を封印する自己犠牲版。ラスボス戦なし。

          シヴァル視点。オーランドへ、門の向こうの影へ、もう一度オーランドへ視線を向ける。覚悟を決めたシヴァル「地上の街で見たものは幻じゃなかった。貴方の言う楽園も同じなのか?」オーランド「もちろん。だからこそ私は安定した観測を熱望してきた」シヴァル「…そう」一つ頷くと、シヴァルは自ら台座に身を乗せる。オーランド「処方希望ということかね?」シヴァルは、つ、と静かな眼をオーランドへ。それはまるで女王の一瞥のよう。シヴァル「必要ない」直後、蓮が自ら花弁を閉じるように白い聖室の岩壁が収縮、いや集束する。押し潰すのではなく、新たな次元へと聖室の中の者を産み出すように。聖室の外にいるピアスとヴェセルは、亀裂が白く輝いて閉じていく様を見て狼狽する。「シヴァル!!」悲痛に名を呼ぶその声がどちらのものだったのか、シヴァルだけは感じ取ったかもしれない。オーランドは魅入られたように、聖室そのものと、その向こうを一瞬たりと見逃すまいと目を瞠っている。オーランド「ああ…サンプルは全て揃っているのに…まだ実地検証が…いや、どうでもいい。未知の症例だ…!」

        • ピアス&ヴェセルからの交歓が高い場合、スタッフロール後に一方または両方が、祭具らしきもの(=二周目に入手が可能な隠し武器:誓名の銀環または祝祭の蛹環)を手に再び門の前に立っている(諦めていない)様子が映る。
      • 🏆Normal BAD B : Devoured
        • シヴァルからの交歓が合計3以上(低過ぎない)。サウザンド・ブルームに敗北。シヴァルの異界に取り込まれ、ピアス&ヴェセルは「シヴァルの恐怖の原因=異界を産み出すための養分」となり永遠に異界に生きる。

          シヴァルが台座に身を横たえるまでの展開は同一。「処方希望かね?」に対し、シヴァルは射るような眼を向ける。シヴァル「…貴方のようなひとは、制御できなかった場合の対処も用意していると思う。違う?」オーランド「医師として必要な準備だね。むろん私に想定できる限りのことならば。」シヴァル「…あの二人も?」オーランド「想像力を超える事態は常に起こりうるが、それも含めての範囲内というのであれば、イエスだ」シヴァル「…わかった」仮に自分が暴走したとして、オーランドまたは門の向こうの二人が事態を収拾することに、シヴァルは賭けた。万一、事態が収拾できなかった場合は…僕ごと全てを封じよう。セレスバッドを投与されたシヴァルから千の蓮が花咲く…
          敗北した場合は、異形のシヴァルは倒れ伏すピアス&ヴェセルを無言で見詰める。それが悲哀なのか失望なのか…。オーランドははっきりと失望&皮肉な表情「こちらのサンプルは破棄するしかないな。蓮花ほどの適性はなかったということだ」異形シヴァルは、歎息とも淡い喘ぎともつかない息を吐いて、…あとはSealedと同様に全てを封じる。スタッフロールの後に、水の中で蓮の根に絡め取られ、どこか胎児のように眠る養分たち(ピアス&ヴェセル)。

      • 🏆Normal BAD A : Withered
        • シヴァルからの交歓が合計3以上(低過ぎない)/ピアス&ヴェセルからシヴァルへの交歓が合計3以下(低い)または情報不足。シヴァルを撃破するが元に戻せずに、シヴァル死亡。

          瀕死の状態でメルミュートを投与され、異形から元の姿に戻ったものの、どこか穏やかな…世界も他人も霧で包まずに済んだことに安堵するかのような表情で言葉もなく息絶えるシヴァル。何が起こったか分からないような顔で弟を膝に抱くピアス、凍り付いたように歯噛みするヴェセル。オーランド「残念という表現では言い尽くせない。実験の可能性を無限に秘めた逸材だったのに…生体反応と遺体の解剖は雲泥の差だ」飄然とした発言に、二色の眼光が無音の灼熱となって突き刺さる。オーランド「…数百年に一度あるかないかの希少な検体だったのだ。蘇生の可能性を検証してみたいのだが、助手の意思はあるかね?」三人を見下ろすかのような視点、ピアスとヴェセルの表情は映らぬまま画面が暗転して、スタッフロール。

      • 🏆Normal : Silenced
        • シヴァルからの交歓が合計3以上(低過ぎない)。サウザンドブルームを撃破してからシヴァルに鎮静薬使用。シヴァルは元に戻るが、誘拐されたことなどの記憶を失ってしまう。一見「弟を救い出してめでたしめでたし」。最も辿り着きやすいエンド。

          メルミュート投与、人の姿を取り戻し弱々しいが呼吸しているシヴァル。壊れ物を扱うかのようにピアスがその身体を抱き寄せる。ヴェセルも悪戯っぽく、だが想いを込めてシヴァルの目元、頬、口元に手の甲を滑らせ、呼吸を確かめる。聖室はただの乳白色の空洞に戻り始めており、門の亀裂も窄まり始めている。「これは単純な忠告だが、出口はそちらだよ。もし帰宅するつもりなら、急いだ方がいいだろうね」オーランドの声の方を振り返ると、彼は台座の反対にある、門とそっくりな亀裂の前に立っている。ヴェセル「今更だけどさ。あんた正気?」オーランド「記録にあるとおりさ。幾度か実際に開かれてきた扉だよ!だが、私の人生でまた開かれる機会はないだろう。他に選択肢があると思うかね?」ピアス「勝手にさせろ。俺達はもう、ここに用はない。二度と戻る事もない」オーランド「仮に君たちが今後も共にあるつもりなら、その決意(二度と楽園の扉を開かない)を絶対にすることは難しいと愚考するが。まあ、お互いに好きにしよう。では、幸運を」オーランドは楽園側の、三人は来た道の門を通る。暗転した画面に閉じていく花弁の形の亀裂(産道)。やがて画面は青空を映す。霧は晴れて、後部座席でぼんやりと黒い革のジャケットの前を「かきあわせる」シヴァル(=ジャケットを恐れていない)。ピアス「温かいものでも飲むか?」シヴァル「ええと…寒くはない。ありがとう。僕、どうしてたの?頭がぼうっとして…」ヴェセル「まあ、積もる話はあとにしようや。天気のいいうちに、落ち着ける場所に…だろ?」言って車のラジオを付ける。無論ノイズなどない。ずっと一緒にいよう、という爽やかな歌詞と共にスタッフロール。

    • トゥルー分岐:ピアスとヴェセルの「一つの扉に二つの鍵」(三位一体)フラグ成立済。

      ピアス&ヴェセル視点。獣の唸りを上げるピアス、ノックして「主賓が足りてないんじゃない?」のヴェセル。内部からの返答は、音声もジェスチャーもない。すっと表情を消した真顔のヴェセル「あのプランはいけそうか?」同様に静かな顔のピアス、無言のまま薄紅の亀裂へと、今度は探るように指を這わす。最初は中心に触れようとしたが、直前で手を止め、掌を上に向けて、撫で上げるように。誰に学んだはずもない、だが熟知しているかのような、迷いのない指先。ピアスの唇が音もなく何かを唱える。
      聖室内部。オーランド「セレスバッドを、ご希望なら処方するが」先程まで射るように自分を貫いていた眼が、いつしか虚空を凝視していることにオーランドは気付く。シヴァルは立ち尽くしたまま、どことなく弛緩して、だが同時に緊張した気配で、何かに耳目を凝らしている。瞑想するように、鼓動の速さで胸が呼吸している。不意に、串刺しにされたようにシヴァルの身体が跳ねて、聖室の全体へと亀裂が拡大する…同時にシヴァルの全身にも、まるで千の瞼のように、白蓮のようでもあり薄紅のようでもある、光を放つ切れ目が走った。魅入られるオーランドの背後から腕を捻り上げて地面に引き倒すのは、慣れた手付きのヴェセルだ。ピアスはオーランドに見向きもしない。ごく自然に弟のもとへ吸い付いた視線と、同じ方にヴェセルの眼も向けられている。…聖室自体が、呼吸するかのよう。一定の間隔で柔らかく鳴動して、明滅する。鼓動の音に思えたそれに、いつしか淡い羽音が混じり…白蓮の花弁のような「瞼」から、こぽり、と溢れるかのように「神」の幼体が産まれ始めた。

      • ⚔️ボス : Larval Lord(ラーヴァル・ロード)
        • ハイヴロード幼体。ピアスとの交歓により、開花薬を使用せずに聖室に入り、シヴァルの母胎覚醒を阻止するが、交歓の余波により部分的に神が産まれる。シヴァルの全身(覚醒の際に蓮=女陰が咲き零れる箇所)から吹き零れた、黒い蜂の群体が巨大な蜂の姿を取る。
      • 🏆True BAD : Harvested
        • ラーヴァルロードに敗北。ラーヴァルロードが器=ヴェセルの身体を依代にシヴァルを我が物にする。ピアスは抜け殻となったシヴァルの隣にドローン蜂として仕え続ける。神の嫁取り完遂(冒頭のヴェセルの怪談を回収)。

          神の子を分娩して、虚ろな眼で崩れ落ちたシヴァル。オーランドは、顕現した直後の神の餌となり、好奇に輝く表情のまま事切れている。死闘のすえ瀕死のピアスは、最期の力で「弟」に覆い被さろうと地面を這い進む。その姿を、不思議なものを観察するように、神の子はしばし無為に宙に羽音を響かせながら眺めているようだった。その羽音が再度響きを変えて、神が動きだしたことを悟り、ピアスは絶望の呻きを上げる。弟の元に辿り着くには遠過ぎた。だが神が向かったのは「母胎」のもとではなく、ピアスと同様に奇妙に捻れた形で横倒しになっていたヴェセルの…画面に愕然としたヴェセルの顔が大写しになり暗転。
          画面が切り替わり、ほのかに白く滲む煌々とした満月の夜が映る。場違いなまでに、それは幻想的に美しい。月下に佇むものは、黒々とした紺青の蓮池を見下ろす白亜の城(ホテル)だ。最上階のバルコニーには、大きな寝椅子に仲睦まじく寄り添うヴェセルとシヴァル。ヴェセルは満足そうな微笑を浮かべているが、瞳はどこか無機質な複眼のよう。シヴァルの表情は抜け殻だ。ヴェセルの姿をした者が「后」から視線を離さず、先を見もせずに手を伸ばすと、無表情の「ドローン」となったピアスが琥珀色のよく冷えたドリンクを手渡した。「蓮の王」は、口に含んだ蜜を優しく「妻」の唇に流し込んだ。

      • 🏆True B : Plucked
        • 三位3点、シヴァルからの共感が合計5以上(高過ぎる)
        • 一見ハッピーだがメリーバッドエンド。シヴァルはピアス&ヴェセルに心を渡してしまう。誘拐の真相は開示されない。身体は自由だが心は「摘まれた花」となる。

          オーランドはトゥルー敗北と同様に死亡。崩れ落ちたシヴァルに駆け寄ったピアス&ヴェセルは、ノーマルエンドと同様に生存を確認。そのままシヴァルは意識を取り戻す。シヴァル「…僕はまだ人…?」ピアスは愛しげに苦笑して「そんなことを心配する必要はない」ヴェセル「話は後、後」シヴァルを抱き上げて聖室をあとにする、その後ろ姿を映して暗転。画面を転じて、青空。シヴァルは黒いジャケットに包まり、ヴェセルの手渡した温かそうな缶飲料に口を付けます。霧が出る気配もない車外を、まだ少し信じられないような顔で見上げるシヴァル。ややあって、まだ出発していない車の前方を見ると、運転席のピアスとヴェセルが振り返ったまま、無言でシヴァルを待っています。シヴァル「『僕たち』どこへ行くの?」その言葉は自然と三人を一つに束ねています。無表情だがどこか今までより穏やかなピアス「落ち着けるところへだ」ヴェセル「折角だから、一番いい所を探そうぜ。俺達の『楽園』みたいなところを」緊張感のない、いっそ不謹慎なヴェセルの言葉に、それでもシヴァルは苦笑いします。「普通でいいよ」車外から後を追うようなカメラになり、やがてノーマル同様のラジオの歌(バラードアレンジ)の中でスタッフロール

      • 🏆True A : Chained
        • 三位3点、シヴァルからの共感が合計4以下(高過ぎない)。正史。
        • ラスボスを打破したあと、ピアス&ヴェセルは車にシヴァルを連れ帰り、シヴァルを車の後部座席に手錠(=リングチェーンの伏線回収)で拘束する。リングチェーンの暗示と誘拐の真相はこのエンドのみ開示される。身体は拘束されるが、シヴァルの心は自立している。

          トゥルーB同様、シヴァルの生存を確認。意識を取り戻したシヴァル「僕はまだ人…?」を抱いて聖室をあとにするまでは同一の展開。青空のもと、先に車を確認して戻ってきたピアスがシヴァルにジャケットを着せ掛けます。シヴァルは困惑の表情で、ジャケットからピアスに視線を移動させます。ピアスは奇妙に満足した表情で「…ゆっくりでいい。落ち着ける場所へ行こう」。ヴェセル「大丈夫?なんか食えるところ寄ろうぜ、もう限界だわ」シヴァルはヴェセルを見詰めます。シヴァル「…話ができる?沢山のこと…」(シヴァルは、この誘拐も何らかの事情があったのか?と希望的観測を抱き始めています)ヴェセル「もちろん!」ピアス「食料と、飲料と、寝床だ」僅かの間、シヴァルは考え込みますが、彼らの言葉はごく自然に思えます(初見プレイヤーには、単にシヴァルが教団のせいで混乱して不安なだけに見えるように)。躊躇いながら頷いたシヴァルの手を引いて、ヴェセルは優しく後部座席に載せ......無音のなか、「カチリ」という音が大きく響きます。先に車に戻ったピアスが、ダッシュボードから取り出した手錠を無造作に運転レバーの隣のスペースに置くカット。それを拾い上げて慣れた手付きでシヴァルの手首に嵌める笑顔のヴェセル。一瞬、三人の構図は礼拝堂地下の「結環」の絵画のリフレインとなる。満月のように澄んだ瞳を瞠り、手錠を凝視するシヴァルを正面から映したまま、「バドワイザー欲しい今すぐ」「先にガソリンだ」などと何の異常も感じられないピアスとヴェセルの声音が遠く響いて、スタッフロール。曲はノーマルやトゥルーBと同じ曲の、いかにもホラーらしいハードなメタルアレンジ(CMのやつ)。

        • 🎒アイテム :
          • リングチェーン(Ringchain):名産の縁結びアイテムであり、三位一体派の祭具が起源。銀のニ連リングが鎖で繋がれている…つまり?
    • 2周目以降:
      • 2周目以降、追加武器としてピアス「銀環」とヴェセル「蛹環」を入手可能。これらを装備した状態で、操作していない相方キャラ(NPCのピアス/ヴェセル)がラスボスにて死亡した状態でクリアすると、各自の独占エンドになる(よほどのことがないとサポートキャラは死なない=意図的に盾にする必要がある)。
      • 🎒アイテム :
        • 誓名の銀環(Vowbind Ring):ピアスの追加武器。細く繊細な銀の指輪。
          • 専用モーション:ピアスの操る銀の鎖が虫脚の如く蠢き、異形シヴァルの全身の蓮に受粉させようとするように潜り込んでまさぐる。
        • 祝宴の蛹環(Chrysabrid Ring):ヴェセルの追加武器。未熟な蛹の婚約の証。
          • 専用モーション:蜂の翅や毒針を模した微細な群体がヴェセルから吹き出し、異形シヴァルの臍に深々と毒針が突き立って、毒液を注ぎ込み少し溢れる。
      • 🏆 : ピアス独占(Hold):眠り続けるシヴァルを抱いて、誰も知らぬ街に逃れ、眠る弟を守り続ける。
      • 🏆 : ヴェセル独占(Chosen):誰もいない楽園で抜け殻のような「婚約者」と静かな王国を築く。

🟥️Origin Epilogue : 誘拐 (Stolen Truth)

  • 🏞隣接 : サイレントブルーム (Silent Bloom)
    • 🎬シナリオ : True Aエンド到達後、回想シーンに追加されるムービー。
      • ヴェセルは、サイレントブルームの街を飛び出して周辺を転々とするうちに、見覚えのある白蓮の瞳の少年シヴァルの存在に気付いた。シヴァルの存在は母やその協力者に巧みに隠されているが、ヴェセルの教団中枢の存在としての視点や、「神」としての本能を欺くことはできなかった。
      • ヴェセルはシヴァルを異様な執着の視線で見つめる正体不明の男ピアスの存在に興味を抱く。ピアスもまたヴェセルに気付いて、聞かれてもいない内に「あの少年シヴァルは俺の弟だ」と語る相手のいなかった激しい衝動を言葉する。ヴェセルは、これをある意味で面白い好機と考える。
      • ヴェセル「弟が心配なのか?誰かに狙われているのか?」ピアス「俺は弟を守りたい…そう…その通りかもしれない」ヴェセル「では、弟を狙う連中から隠さなきゃな」このようにヴェセルはピアスを唆して、教団がしばしば陰で行っていた犯罪的行為の知識を活用して誘拐を手助けする。
      • ヴェセルとピアスはシヴァルを車の後部座席に閉じ込め、まだ手錠は使用しなかったが、隠れ家を探す旅を始めた。この後部座席の印象は、シヴァルに強い恐怖の記憶として残り、後にシヴァルの幻視の中で「車のシートにも分娩台にも見える拘束椅子」となって現れる。