2.微睡みと逸話 version 4
:追加された部分
:削除された部分
(差分が大きい場合、文字単位では表示しません)
腕輪と憬れ(編集中)
別れ際に彼女は、彼にブレスレットを渡す。星の瞬き、或いは光放つ翼を思わせる装飾が施されたそれは、2人を“繋げる”ものだと言う。彼女は彼の優しさを忘れたくなかった。その温もりにまた触れたいがための贈り物だった。
その時、その別れ際、少女は青年にブレスレットを渡した。二人の頭上には街灯の灯りと夜空、そして散りばめられた星々。ブレスレットもまたその中にあって、光放つ翼を思わせる装飾が施されていた。
あの時、彼女とどんな話をしたんだっけーー。
―――――――――――――――――――――――――
どうして今、これを見てるんだ。俺は、あの時――。
微睡みの中、徐々に覚醒に向かう意識。自宅アパートのベッドに身を横たえる花森健人は、僅かにその眉根を寄せた。やがてその目が静かに開かれる。同時に思い起こされるは自身の直近の記憶。影の怪物に襲われた夜。その記憶に健人はベッドの上で独り言ちる。
「俺、どうして…」
どうして、今ここにいるんだ。どうして、あんな姿に変わったんだ。どうして、襲われたんだ。どうして、助かったんだ。頭が未だ少し痛むのは、精神的疲労故か、それとも一連の不明瞭さ故か。ふとスマートフォンで時間を見る。10時36分。大学の講義には完全に遅刻している。
どうして、今ここにいるんだ。どうして、あんな姿に変わったんだ。助かったんだ。頭が未だ少し痛むのは、命に関わる大事があった精神的疲労故か、それとも一連の不明瞭さ故か。ふとスマートフォンで時間を見る。10時36分。大学の講義には完全に遅刻している。
その時、その別れ際、少女は青年にブレスレットを渡した。二人の頭上には街灯の灯りと夜空、そして散りばめられた星々。ブレスレットもまたその中にあって、光放つ翼を思わせる装飾が施されていた。
あの時、彼女とどんな話をしたんだっけーー。
―――――――――――――――――――――――――
微睡みの中、徐々に覚醒に向かう意識。自宅アパートのベッドに身を横たえる花森健人は、僅かにその眉根を寄せた。やがてその目が静かに開かれる。同時に思い起こされるは自身の直近の記憶。影の怪物に襲われた夜。その記憶に健人はベッドの上で独り言ちる。
「俺、どうして…」
どうして、今ここにいるんだ。どうして、あんな姿に変わったんだ。助かったんだ。頭が未だ少し痛むのは、命に関わる大事があった精神的疲労故か、それとも一連の不明瞭さ故か。ふとスマートフォンで時間を見る。10時36分。大学の講義には完全に遅刻している。