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【ルクスカーデン王国】
幾重にも存在する異世界のうちのひとつ。魔法の文明が発達した王国。国民の殆どが普通の人間だが、魔法の力を持つ国王一族がいつも民を守護しているため、悠久の時を越え栄え続けている。この国では魔法でインフラ整備されており、誰もが魔法の恩恵を受けて生活している。魔法に彩られた暮らしは豊かで魅力的だが、万が一魔法がなくなってしまうと生活ができなくなるというリスクも抱えている。

国王一族は遥か昔にこの地へやってきた魔法使いの系譜であり、“ボイジャー”と呼ばれていた。初代の国王は貧弱な農村だったこの地に突如現れ、たった一人で国を起こし人々をまとめあげたその手腕から、王としての人望も魔法使いとしての実力も相当なものだったとされている。
ボイジャーとしての血は子へ孫へと継承するたびに薄まってしまう(=代を継ぐ度に国王の魔法力が衰えていく)ため、国の存続を危惧した8代目国王ニコラウスが王冠には魔法の知識を、宝珠には魔法技術を、そして王笏には魔力をそれぞれ納め、代々の国王に継承させることにした。そして代々の国王もそれに倣い、自分が持てるだけの知識と技と力を3つの宝器に託して後世へ残してきた。そのおかげで国王の力は弱まれど、国としての衰退は起こらず栄華の道を歩んできた。

時は流れ、世代を重ねた3つの宝器は強力なものとなった。世代を超えて結集されたその力に敬意を示し、やがて「三種の神器」と呼ばれるようになる。それは国内外を問わず、その力を求めて他国や異世界の種族から戦争を仕掛けられることも。戦争になると国民は基本的に非力なため国王が独りで戦場に立つしかなく、戦争が多いとそれだけ国王の負担も大きくなってしまう。それでも国王が戦争で負けたということは過去一度もなく、誰ひとり戦火に巻き込まない国王の姿勢に人々は尊敬の念を持っていた。

ある時、ノクスケイデンと呼ばれる異世界から侵略者“エクリプス”がやってくる。エクリプスは人の心につけ込み、瞬く間に他国を制圧。その勢いのまま大軍を率いてルクスカーデンに攻め込んできた。当時の国王エドウィンは戦争の直後で疲弊しており、このままでは自身どころか王国ごと彼らに支配され、滅亡してしまうと悟る。三種の神器を手に単独で迎え撃ったがやはり及ばず、せめて国民たちや魔法の力を悪用されないよう王国をまるごと封印した。

【ボイジャー】
名前が「旅人」を意味するように、魔法使いの中でも空間跳躍魔法に優れた魔法使いの一族。初代国王はその空間跳躍魔法で次元を超え、異世界からやってきたとされている。初代国王はボイジャーであり、2代目の国王はボイジャーと人間のハーフ。3代目はクォーターで…と続くため純血は初代国王のみ。ただし国王の系譜をまとめてボイジャーと呼称することもある。

【ノクスケイデン】
 常闇の世界。現在はエクリプスによって滅ぼされ、その巣窟と化したといわれている。元々この世界に存在した人々は優れた科学技術を有しながら、いつ頃からか伝えられた魔法技術をも取り込んで、自身らの文明にしていた。やがてこれら二つの技術を母体にして電子演算技術複合型魔術言語ネットワーク=通称“イデア”が形成される。これによって一人ひとりのあらゆる知識・技術・財産(個人の保有すべき財産を除いたもの)が共有ないしは保全されることとなり、イデアは彼らの社会システムの中枢となっていた。だがこうした高度な文明を以てしても尚、数多ある不幸や生きづらさは彼らの社会に存在し続けていた。
そのため自分たちの不完全さを呪った一部のノクスケイデン人は、バイオテクノロジーと魔法技術を掛けあわせた超越者“マギ”の創造に着手。既存の人がもつ感覚器官やその伝達機構、脳機能などに加え、魔法による特殊なアクセスチャンネルを生得的に持つことで物事に対する多種多様な情報を瞬時に読み取り、それをより知的に、より合理的に活用できる存在への人工進化を目指した。
だが生み出されたマギやその製作者たちと既存のノクスケイデン人とは、やがて社会的な軋轢が生まれてしまい、遂には戦争になってしまう。この戦争を終結するため、その文明を、世界を滅ぼす“暗キ炎”の魔法を用いた兵器として生み出された存在が“エクリプス”である。この本末転倒な経緯を辿って生み出された生物兵器———エクリプスは、凄まじい勢いで勢力を拡大。遂に滅びゆくこととなったノクスケイデンの人々だが、滅亡しゆく直前にイデアに貯蔵していた自身ら力・存在・技術・叡智の粋を結集———これを“神秘の紋章”として若い世代に託し、次元跳躍で旅立たせる。それと共にノクスケイデン全てを吹き飛ばすほどの次元消滅爆弾“ライトン1”を用いてエクリプス諸共消滅した。だが一部のエクリプスはこの爆発に耐え、生き延びていた。

【ヘンゼル】
400年ほど前のルクスカーデンに現れた男性。ノクスケイデンから空間跳躍魔法でやってきた。神秘の紋章の一部を携えしマギにしてグレーテルの兄。その知性を以てルクスカーデンに迎え入れられ、その庇護のもと国防や政治面において尽力。彼が与えた知識や技術はエクリプスに対しての有効な防衛策として活用される。また各自治組織と住民が主体となった公平公正な法令遵守のための倫理綱領と判例集を”リブラ法典“と銘打ち作成するなど、その調整能力は卓越していた。またその経験から、いち早く炎の魔法の危険性に警鐘を鳴らしていた人物でもある。

【グレーテル】
400年ほど前に朝憬市に現れた女性。ノクスケイデンから空間跳躍魔法でやってきた。神秘の紋章の一部を携えし者にしてヘンゼルの妹。当時の朝憬市に当たる場所はまだ紋章を扱える文明レベルに達しておらず、グレーテルにとっては選択肢が限られていた。
そのため、彼女は紋章を託せる世代が来るまで待つこととし、当該地域において最も空に近い日和ヶ岳(ひよりがたけ)にこれを隠し、これにまつわる予言をおとぎ話として当該地域の一部に流布した。それは大切な人たちと平和に時を重ねられることをただ祈り続けた彼女たちのお話———

【エクリプス】
 ルクスカーデンとは異なる多元世界“ノクスケイデン”からの侵略者。“蝕ム異形”の名の通り、その戦略は、他者の心に抑圧される負の感情に侵食し、苗床として新たな世代を生み出すというもの。またそれによって生まれる悲劇に基づく感情を捕食する存在。
 これがルクスカーデンに攻め込んだ際、当時の国王エドウィンは他国との戦争の調停が終わって間もないころであり、当時の疲弊した国力ではルクスカーデンは滅ぼされることを悟る(基本的にルクスカーデンの戦力は魔法を有する王族———ボイジャーのみであり、対峙するにはエクリプスの数が多大であったことにも依る)。
 エドウィンは三種の神器をもってエクリプスに対抗するも敵わず、国民や魔法を守るために無念のまま王国を丸ごと封印せざるを得なくなる。

【燎星心羽】
朝憬市立望海中学校に通う中学2年生(14歳)。魔法が使えたりフクロウと話せたりするが、友達とカフェ巡りを楽しんだり勉強が忙しかったりと中身は至って普通の中学生。好きな食べ物はアイス。趣味は星の観察、特技(?)は手品。

魔法が使えることを隠し、普通の中学生のように振舞って生活しているが……

その正体はルクスカーデン王国の王女。
本名リュミエール・エドウィン・ルクスカーデン。
“ボイジャー”と呼ばれる国王一族の特異体質を引き継いだ先天的な魔法使いであり、国民からは親しみを込めて「リュミエ」と呼ばれていた。10歳までは平和な王国で豊かな生活を送っていたが、エクリプスの侵略に遭い全てを失う。リュミエ自身は国王の力で朝憬市に避難させられ、状況を理解できず泣いていたところを親切な老婦人に拾われ、そこで魔法のない新たな生活を送ることとなる。小学校には転入生として二学期に入学。「燎星心羽」と名乗り、クラスメイトと関わる中で朝憬市で生きる楽しさを知る。小6の時にクラスの陰湿な空気を変えようと奔走した結果いじめに遭うが、たまたま出会った“ある人”の言葉が支えとなりいじめも陰湿な空気もクラスから取り払うことに成功。この出来事は心羽の人格を大きく変えることとなる。中学になると老婦人の元を離れてひとり暮らしを始め、長らく使っていなかった魔法を解禁。木炭をダイヤモンドに変えて生計を立て、その資金でフクロウを購入し、エウィグと名をつけペット兼アシスタントとして一緒に暮らしていた。
そうした矢先、なぜか朝憬市にもエクリプスが出現。ようやく始まった楽しい暮らしに影が忍び寄っていた。

“魔法使いとして“
生まれながら熱を扱う魔法に秀でており、物を燃やす、温めるといった初歩的な魔法はもちろん、集中すれば熱を利用して物質を原子レベルで崩壊させ、再構築するといった離れ技も可能。しかし物を気温(室温)より低い温度にする(熱を逃がす)のはあまり得意ではない。熱の魔法は成熟して炎の魔法へと進化し、さらに物語中盤のある出来事をきっかけに光の魔法へと昇華する。
敵対勢力との戦闘に備え、一時的に物の形や姿を変質させる変身魔法も習得している。心羽の変身する「魔法使いとしての姿(リュミエ)」も変身魔法の応用であり、衣装は耐久性や耐熱性に優れ、身軽に動くため体重も軽くなっている。エウィグもこの魔法で雀や大鷲などに変身し、戦闘時には巨大な火の鳥となってリュミエと共闘する。
一部の動物言語を習得しており、鳥類やそれに近い言語体系を持つ動物とはある程度のコミュニケーションが可能。
他にも様々な種類の魔法を使いこなす。

【花森剣人】
東城大学文学部に所属する大学一回生(19歳)。幼少期から社会や人間関係に圧力を感じ、不登校となっていた過去を持つ。そのことから「他の人には同じ思いはしてほしくない、誰かの力になれれば———」と思うようになる。故に高校時代は社会福祉を専攻していた。しかし自身への客観的な視点を持つことができず、また他者に対しても、その事情・心情を真に理解する前に、自身の感情を押し付けてしまっていた不器用な人物。やがてその閉塞感に対し、「自分は何かしていい人間ではない」と痛感。不完全な理想とアイデンティティは、”無力”という現実の前に打ちのめされてしまう。
その後、ある少女との語らいを以て、“誰かの力になりたい”という思いを封じ、高校を一年遅れかつ本人曰く「最悪の成績」で卒業する。
どうにか大学には合格したが、なるべく落ち着いて生きていけることを最優先に、無気力な日々を送っていた。だが仮初の平穏は突如として崩れ去ることとなる。“神秘の紋章”と“蝕ム異形”、そして“温ミを抱き続けた心ノ羽”によって———

“フラワー”としての能力
神秘の焔花 プロメテウス
ノクスケイデンの持つ力と叡智が結集した秘宝の一部。剣人の心象に合わせる形で、その右腕に花の槍として現れる。この花の槍の発展形として、アイギスとの摩擦による発火形態を有する。

魔眼ノ腕 バジリスク
エクリプスに由来する力を有する異形の左腕。その手の甲には目が合った対象の動きを制止してしまう魔眼が埋め込まれている。

温ミノ盾 アイギス
その優しさと繋がりの具現、守る意思の結実した盾。

翼宿ス沓 タラリア
翼を宿し、空を飛ぶことのできる沓。

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