バットエンド Redemption(償い) version 9

2025/02/12 07:12 by anoare
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バットエンド Redemption(償い)
 路地を駆け抜ける。アリウスの道はもう忘れてしまったと思っていたが、私の身体はこの道を覚えていた。執行官としての役割を果たす為、本能的に叩き込まれた感覚が皮肉にも活躍しているのだ。
 陰鬱な廃墟の間から、陽光が見えた。あと少し……あと少しで私は帰れる。あの暖かな光の中に。あと少しで戻れる。あの北極星へ。
 帰れる――帰らねば。
 先を焦る私の足は――銃口を向けるアリウスの生徒たちの前に躍り出ていた。
「あぁ、成程……」
 やけに路地裏に警備員が多い訳がようやく分かった。キツネ狩りのメソッドだ。
 私が散々使って来た手の一つ。どうやらアリウスは私に慈悲を払うつもりはないようだ。
 生徒たちは無感情的に引き金を引いた。装填されているのは噂で聞いた【ヘイローを壊す銃弾】なのだろう。
 あぁ、死ぬのだ。私はアリウスに生まれ、アリウスに殺されて死ぬ。
 でも、死ぬ事に恐怖は無かった。今、私が怖いのは。
「……レイサさん」
 あの北極星を、導きの星を守れなくなる事だけ。きっと心配させてしまう。悲しませてしまう。 あの北極星を、導きの星を守れなくなる事だけ。きっと心配させてしまう。悲しませてしまう。
 結局のところ、私は最後まで彼女の事が好きらしい。      

路地を駆け抜ける。アリウスの道はもう忘れてしまったと思っていたが、私の身体はこの道を覚えていた。執行官としての役割を果たす為、本能的に叩き込まれた感覚が皮肉にも活躍しているのだ。
 陰鬱な廃墟の間から、陽光が見えた。あと少し……あと少しで私は帰れる。あの暖かな光の中に。あと少しで戻れる。あの北極星へ。
 帰れる――帰らねば。
 先を焦る私の足は――銃口を向けるアリウスの生徒たちの前に躍り出ていた。
「あぁ、成程……」
 やけに路地裏に警備員が多い訳がようやく分かった。キツネ狩りのメソッドだ。
 私が散々使って来た手の一つ。どうやらアリウスは私に慈悲を払うつもりはないようだ。
 生徒たちは無感情的に引き金を引いた。装填されているのは噂で聞いた【ヘイローを壊す銃弾】なのだろう。
 あぁ、死ぬのだ。私はアリウスに生まれ、アリウスに殺されて死ぬ。
 でも、死ぬ事に恐怖は無かった。今、私が怖いのは。
「……レイサさん」
 あの北極星を、導きの星を守れなくなる事だけ。きっと心配させてしまう。悲しませてしまう。
 結局のところ、私は最後まで彼女の事が好きらしい。