0 ギルの手記(没案や保留集) みんなに公開

※こちらも基本的には要相談とする

エクリプスの目的
絶望の回収
(そのための暴力装置として影魔を使役する)
ルクスカーデンの封印を解き、あらゆる知性体の淘汰圧で在り続けること
そのために閣下は朝憬市のエクリプスと影魔を扇動し朝憬市のイレギュラー=花森健人と仲間たちを狙う。また公的機関にも圧力をかけて健人たちを静観させるようにしている。

ルクスカーデンの鍵であるブレスレット
ルクスカーデンはエクリプス襲撃の際、国(或いは世界)全てを上げてエクリプスの大多数を封印。しかし一部のエクリプスはそれを逃れ、封印の扉の鍵であるブレスレットを持ってルクスカーデンを脱出していたリュミエ(心羽の前存在)を追う。
その後、戦いの中で心身を疲弊させたリュミエは、それまでの自身と記憶をネーゲルに預ける形で、自身の殆どを忘れた。
(発案はネーゲルと思われる)
そして全てが抜け落ちた状態が燎星心羽である。
(尚、ブレスレットの真相はリュミエの時点でも気づいていない可能性がある。知っていれば背負った責任を放棄した演出となりかねない)

その意味を知らなかったとはいえ、リュミエである時から大切にしていたブレスレット。
彼女はそれをある友人に渡してしまう。
その意味を知らなかった、或いは忘れてしまったけれど、彼女は大切なものだからこそ、大切な友達となった健人にそのブレスレットを渡した。
(入院患者としての花森健人のエピソードはこの後)

燎星心羽が朝憬市に滞在していたことがあるのと、エクリプスが朝憬市に巣食うのは、同じ理由。即ち、ルクスカーデンへの扉の座標が位置していたのが、朝憬市に相当するからである。前者は封印直前で扉を通って、後者は座標を突き止める形で辿り着く(座標を突き止めた方法など、細かい肉付けいるか)
また、扉はブレスレットを持つ者が希望を携えないと開かれないようになっている(エクリプスには開けないようにするため)

そのため、現在ブレスレットを持つ健人が持っていた希望、そのために絶望に堕ちた願い("優しいことのために戦いたかった")を叶えさせてやるために、閣下は上記の状況を拵えようとしている。
(閣下は件の入院患者=かつての花森健人を襲った際、その絶望と一部記憶を保有する形となっているーーこの時は持ち主の危機を察知したネーゲルがブレスレットを健人の下に転移させて彼を救うも、閣下は健人の絶望を垣間見た。このことから閣下は花森健人を自身の管理下に置くべく、関係各所に圧力をかけ、重要な監視対象とする。その後、花森健人が今一度宿した虚ろな絶望を、偶発的にエヴルアの影魔が襲った際に健人が自身の中でイメージしていた"力"にブレスレットのカルナが反応。リーンの姿となる)

また、以下は転用したい文章ーー

彼女は淡々と、自身の推論を述べ始めた。
「エヴルアのカルナとイレギュラーのそれが激しく接触した時の後者の質の変化。ゾルドー、あなたも感知したと思うけど…」

「あの変化が秘宝に備わるプロテクトというのは明白よ。だが奴を退ける程の力を、イレギュラーが携えているなら…」

「問題はそこよ」

「何が言いたい?」

「あんな強大なカルナ、そもそもこの星の知性体が、その個体で御しきれるはずがない」

「だが実際に…」

「そう、実際に事象としては観測された…そこから推察できる可能性としては、別の第三者がイレギュラーの存在そのものを、"書き換えてる"」

「そんな仮説が事実として、イレギュラーの危険性が変わるというのか?」

「大きく変わってくるわ。存在の書き換えなんて大掛かりなこと、本来ならまず書き変わった個体の存在が不可逆に陥る。けどエヴが消えて程なく、イレギュラーのカルナはそれ以前に戻った」

「即ち第三者ーープロテクトは意図的に、イレギュラーの存在を再構成して元に戻した。元に戻れる、その閾値を逸脱しないうちに」

「その閾値とは?」

「それはまだ分からない。バベル、あなたなら知っているのかしら?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

"さっきはネーゲルに持っていかれたけど、やっぱちゃんと、話しとかないといけないことがある"
桧山初樹からそう切り出されたメールが、午後12時頃に健人のスマートフォンに届いた。健人も同じ思いであり、また上坂からの取引についても共有する必要があった。その後、一応の講義の出席を経てようやく話が出来たのは16時14分のこと。場所はネーゲルの存在も鑑み、プライバシーを担保しやすいカラオケボックスである。
「…巻き込んでごめん」
開口一番、初樹から告げられたのはその一言だった。
「ネーゲルが居なかったら、死んでた。俺も沢村さんも…花っちも」
分かりきっていた。だから今日まで、互いにどこか避けていた内容。今も返す言葉が見つからない。
「いや…確かに、そうだけど」
「降りてくれないか、この件」
「えっ」
「勝手でごめん、本当に悪い。こうして話してくれてるだけでありがたい。ネーゲルのことも教えてくれて、でも…ごめん」
死相さえ浮かぶ顔は、初樹が数日間思い詰めていることを示していた。それならーー
「二つ、教え欲しい」
聞きたいことが二つあった。他でもない、桧山初樹その人の口から、彼自身の言葉で。
「…何?」
「一つはさ、ネーゲルのことを連絡した時に、すぐに応じて色々聞きまくってたのはなんで?」
「それは…」
言葉を紡ごうと顔を動かすも、初樹の顔は引き結ばれ、何か堪えているように健人には見えた。
「もう一つはさ、事件のこととか"一緒に調べよう"って言ってくれた理由」
敢えて慎重に問いを続ける。だが初樹は泣きそうに、顔をくしゃくしゃにしながらも、何も言えない。多弁な自身を自覚しながらも、健人は今少し話を続けた。
「俺もそりゃ無茶苦茶しんどいし、こないだファミリアでクソほど逃げたいの言ったけどさ。ハッサンが悪いなんて、思ってねえよ」
鬱々ばかりの自分ではあるが、思い詰めている初樹に対して、どういうわけか紡ぎ出したのはそんな思いだった。
「そりゃ、確かに…八つ当たり気味でハッサンに責任被せそうになったりした自分もいる。何より沢村さんが致命傷負ったのは、俺たち二人ともギルティだけどさ」
けれど、何より花森健人は知っている。桧山初樹の優しさを。それまで自分の所在を失った健人を、思ってくれた友人を。
"えっと…俺、桧山初樹っていいます。花森くんでいいですか?"
"…ええ、大丈夫です"
"ああ…大丈夫なら、ヨロシク"
どうにか微笑みながら交わしたものの、互いにぎこちない妙な挨拶。だがあの頃、本当はボロボロだった花森健人に対し、それを思った上で友達になってくれた男の優しさ。彼は今、それ故に泣いている。そんな美しさをーー
「ハッサンの行動原理は知ってる。それは、俺がいつか…かなぐり捨てたものに限りなく近い」
決して曇らせたくはない。
「…力になりたかった。足掻きたかった。何か方法がないかって」
「今も、なりたいんだろ?妹さんの、俺の、被害者たちの力に。足掻きたいんだろ?」
「…うん」
「ハッサン、俺はな…そういうことのために戦ってる友達のことは、思っていたい。力になりたいと思う」
言いながら、自分でも混乱する。戦うのも人の悲痛にもうんざりしている自身と、友達の優しさと良心に尽力しようとする背景にある自己投影、同一視。そんな諦観と見境の無さの狭間に、醜悪な自分、現在の花森健人を見た。ただ、だからこそーー
「…降りるわけにも、いかないさ」
そう、口走っている自分がいた。

「半端な覚悟じゃなあ、それこそ取り憑かれとる…まあ、自覚しとるだけはマシか…だが、それを人に被せて悦に入るような酔っぱらいにはなるなや」
ネーゲルより

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