0 新クレギオンPrivateReaction『人参と片想い』(2)

新クレギオンPR『人参と片想い』(2)

エルミリアは食事の後片付けをしながら、これまでのことを考えていた。
結局、レフはシチュー(人参抜き)を2杯もおかわりして美味しいって言ってくれた。
苦手な食べ物については失敗しちゃったけど、初めてのおもてなしとしては大成功……だったのかな?

地球圏の恋愛ゲームみたいにレフの好感度が見えたらいいのに。
そんなことを考えていると、また異能の力でレフの心に触れてみたい、のぞいてみたいという誘惑がふと頭をよぎる。

オリョールとの会議で初めてレフに会った時、透き通るような瞳がどうしても気になって、こっそり心に触れようとしたら、レフにはすぐ気付かれてしまった。
『ごめんなさいっ!』って縮こまったら、ぽんぽんって心の中で頭をなでてくれた。

その後も私の事を覚えていてくれて「君は素敵な力を持っているんだね」って微笑みながら話しかけてくれた。
そのことがとても嬉しくって、レフのことをもっと知りたい、仲良くなりたいという想いが大きくなっていた。

ふと、隣の部屋から地球圏のクラッシック音楽が流れてくる。
おそらくレフがスマート・コンシェルジュで気になる曲をリクエストしたのだろう。
エルミリアには馴染みのない曲だったが、静かな流れが色とりどりに移り変わっていくメロディがレフに似合っているように思えた。

この後は一緒にゲームをするんだ。そして、もっともっとレフと仲良くなるの。
エルミリアはそう心に決めていた。
小さい頃から何度も繰り返し見た、憧れの地球圏のお話のように。

(つづく)
第三話
https://mimemo.io/m/OX6eWona01GwPDQ

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