0 No.2 メモ みんなに公開

走る。ただ泣きながら走る。”何がどうというわけじゃない…ただ、全てから逃げ出したい―――”花森剣人を突き動かすのは、その感情だけだった。自分に何があったかなんて、思考する余裕すらない。ただ、いつもそうだ。いつも逃げてる。逃げることからさえも逃げてる。だけど、何処へ…?行きつく先は、狂気?虚無?嘲笑?病院?保護室のトイレ?幻覚?妄想?もうどこでも良かった。ただ”ここ”が嫌だった。ここが―――”自分が居る場所”が常に嫌で仕方ない。脚がもつれそうになる。しかしよろけながらも走ることはやめられない。止まれば、追いつかれる。現実に…自分自身に…
あの白銀の姿に変身している間は、それを忘れられた。自分の無力、無価値、無意味さを置いていくことができた。あの烏に襲われて、自己防衛として戦ったのはそうだ。殺されるくらいなら、殺そうとさえ思った。変身して戦っていた時、寧ろ自身にあったのはその思いだけだった。だが徐々に自我が戻り、変身が解け、花森剣人に戻った時…現実に引き戻され、泣き叫んでいる自分が居た。殺意に染まっている方が、まだマシだったかもしれないとさえ、思う。あの灯台の光に置いていったものを、思い出すことは、今はできなかった。

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