No.2 2/2 version 16

2021/07/21 12:01 by someone
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No.2 2/2
その太刀を挟んで白銀の面、その淡く光る眼と悪魔の赤目とが交錯する。二組の眼光は、互いを射貫くかのように鋭い。
単純な膂力は拮抗している両者は、太刀を巡って力を掛け合うこの状況において、一歩間違えば得物を相手に与えてしまうことになる。十数秒ほど続いたその拮抗は一瞬にして崩れた。とうとう力が掛け違ったことで生じたその一瞬。
その一瞬の虚を突いた白銀の右足が、悪魔の身を掃うように蹴り飛ばし、自身の胸に沈んでいた太刀を奪取したのである。白銀は沈んでいた太刀を自身から引き抜き、順手に持ち変える。そうして脳裏に浮かんだイメージに従い、右手で握ったその柄から自身の念を込めた。それに呼応するかのように、太刀は刀身の色をそれまでの漆黒から白金へと変える。悪魔はその様を憎々しげに見つめていた。人間それと異なり、
「…らぁっ!」
その一瞬の虚を突いた白銀の右足が、悪魔の身を掃うように蹴り飛ばし、自身の胸に沈んでいた太刀を奪取したのである。白銀は沈んでいた太刀を自身から引き抜き、順手に持ち変える。そうして脳裏に浮かんだイメージに従い、右手で握ったその柄から自身の念を込めた。それに呼応するかのように、太刀は刀身の色をそれまでの漆黒から白金へと変える。そのまま白銀が視線を改めて悪魔に向けると、悪魔はその様を憎々しげに見つめていた。
「ア光…お前がナぜ持ってイる…」

















      

その太刀を挟んで白銀の面、その淡く光る眼と悪魔の赤目とが交錯する。二組の眼光は、互いを射貫くかのように鋭い。
単純な膂力は拮抗している両者は、太刀を巡って力を掛け合うこの状況において、一歩間違えば得物を相手に与えてしまうことになる。十数秒ほど続いたその拮抗は一瞬にして崩れた。とうとう力が掛け違ったことで生じたその一瞬。
「…らぁっ!」
その一瞬の虚を突いた白銀の右足が、悪魔の身を掃うように蹴り飛ばし、自身の胸に沈んでいた太刀を奪取したのである。白銀は沈んでいた太刀を自身から引き抜き、順手に持ち変える。そうして脳裏に浮かんだイメージに従い、右手で握ったその柄から自身の念を込めた。それに呼応するかのように、太刀は刀身の色をそれまでの漆黒から白金へと変える。そのまま白銀が視線を改めて悪魔に向けると、悪魔はその様を憎々しげに見つめていた。
「アの光…お前がナぜ持ってイる…」