0 星創の道行き みんなに公開

目次目次:星狩りの賜主目次:リュミエ目次:抜け殻目次:本編コメント:ギル1コメント:モル1コメント:ギル2コメント:モル2コメント:ギル3コメント:モル3コメント:ギル4コメント:モル4コメント:ギル5

目次:星狩りの賜主

遠い昔、とある辺境の星に、永遠の命を持った者がいた。彼の者は人として生きていた頃、人の欺瞞と欲望に溢れた醜悪な世界に嫌悪を抱き、それを変えられぬ自らの非力さに嘆いていた。
 その果てに彼の者は、ある星の力ーー"星創の核"を自らの手にし、汚濁の世界を洗浄し、清廉な生命の世界にしようとした。その愚かしい挑戦、暴走した正義は確かに叶えられはした。

それまでの彼の者の住む世界が滅ぶことで。

それと共に、彼の者は召し上がられた者達の命と対価に、老いる事ない屈強な肉体と永遠にも等しい命を星創にもたらされた。そしてまた、彼の者はある生命ーーエクリプスを造ることが出来るようになっていた。それは、彼の者が望んだ清廉な生命となり得た者達。彼の者の願いは確かに叶えられてはいた。

しかしそれは、彼の者が描いた理想への解が人類全ての否定だったことを意味する。耐え難い喪失を前に何度も涙を流し、自分の信じた正義を見つめ、後悔と葛藤を重ねる中で、彼の者の心は虚ろに堕ちていき、命そのものがわからなくなっていた。自身の命の味わいが、生命が在ることが、その意味が失われてしまった。そして、それが自身の絶望であることも認識しきれない程、彼の者は深く絶望していた。

星創の核は、彼の者が力を手にして世界を滅ぼして以来、その命と深く結びつき、また物質として取り出すことも出来ず、手放すことも出来ない不可逆なものとなっていた。そして永い時を経る中で、彼の者はかつて人だったことも、愛を知り美しさのわかる心があったことも、何もかも忘れていった。彼の者に残るは、ただ清廉なる世界へ導こうとしたその信念のみ。
 それと共にエクリプスも他者の絶望を喰らい貪る存在となり、また彼らから更に眷属の群体ーー影魔が生まれていく。それを見ながら、彼の者は自覚した。
「ああ、我々は命への絶望から生まれたのだ」
それが、彼の者が"星狩りの賜主"となった時だった。

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目次:リュミエ

その後、ただひとつ残った正義を掲げ、賜主は幾つもの星々や銀河を巡り、絶望を以て清廉なる世界へと浄化の手を広げた。傍からすればそれは滅びとしか言えなかった。そしてその先に、ある"希望"ーーリュミエと邂逅する。彼女は星創の核を携えて人々の前に現れた。リュミエはその星にある人々の優しさと希望に慈しまれ、また彼女自身が賜主への抗いを望んだ。
 リュミエが掲げた正義は賜主と真っ向から対立するものだったが、賜主にとっては論ずるほどの価値もない、他力本願で醜悪な希望であった。しかし、彼女が持つ星創の核の存在は、賜主にある予感を抱かせた。"星創の力こそ自身の虚ろを、永きに渡る苦痛を終わらせうる"。抱えてしまった信念とその一連を、最早呪いとしていた賜主には、それは希望だった。賜主はリュミエの前に降り立ち、両者自分の希望を信じて刃を交える。そしてーー。

対決は賜主が勝利し、リュミエは隙を突かれて最強のエクリプスーーマーニセレーネにその権能を奪われる。権能は星創の核の媒介という意味で、彼女を彼女足らしめていたものだった。リュミエは最期の力で星創の核を守りそこから逃れたが、程なくして彼女のそれまでは全て失われた。残ったのは、彼女の抜け殻としての存在のみ。辿り着いたのは、遥か辺境の星。

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目次:抜け殻

抜け殻はリュミエとしての記憶や名前も全て失っていた。
抜け殻は空っぽになったその身でひとり、ただ寒さに震えているところを近くの農村の者に見つかり保護される。
しかし、名前を聞いてもわからない。何処から来たかもわからない。家族も、引率の者もいない。農村の者たちはこの少女にどう対応したらいいかわからず、困り果てていた。
「私は誰の“家族”?」
抜け殻は村人とのやり取りを重ねる中で、人はみな“家族”というものがあり、それがない自分には居場所がないことを悟る。誰の家族でもない自分がいることでみなが困っている現状に耐えられなくなった抜け殻は、3日も経たぬうちに農村から立ち去る。自分を生み育てた“親”という存在から家族なるものが連なっていることを聞き出していた抜け殻は過去を思い出そうとする。その過程で自身が“魔法”という類のない力の持ち主であることを思い出すと、唯一思い出せた転移の魔法を使って“家族”探しの旅に出た。
抜け殻は数多の星を巡り、いくつもの“家族”を目にしてきた。その温もりは全て、自分に向けられることはなく、悔しさと羨望だけが募る。胸の内に抱いた惨めな感情は長い旅のなかで燻り、吐き出せない苦しさを抱え、やがて抜け殻は“自分に家族などない”という諦念に呑まれる。諦念はその心にぽっかりと穴をあけ、生き甲斐すらをも奪われた抜け殻はついに涙が溢れる。そこに、ある青年が現れる。彼は人の世の無情と虚しさに怒り、だが自身の無力という現実に心を失くしかかっていた。青年は抜け殻の喪失に自身と似たものを見た気がしていた。何か彼女の心に、足しになれないか。そんな思い上がりが彼を突き動かし、青年ーー花森健人は抜け殻に声をかけた。それは燎火を思わせる星が、暗い中に瞬く夜だった。

やがて二人は友となり、互いの内を話していく。いつも夜の暗がりで話す故に、健人からは抜け殻の顔ははっきりとは見えなかったが、彼は抜け殻に美しい羽を思わせる優しい心を見た。故に彼は抜け殻に名前を与えた。"燎星心羽"ーーそれが彼女に与えられた名前だった。心羽は名前のお礼、そしてお守りとして、健人に星創の核ーーブレスレットとなったそれを健人に渡した。友自らが名を与えた“燎星心羽”という存在を、その記憶に刻みたかったから。
 しかし程なく健人は、心羽の喪失が今は埋めようのないものだと知る。健人はそれ以来展望台に来れなくなってしまった。そして心羽も、このことが彼の心にとどめを刺してしまったことを思い、人知れず朝憬市を去ることとなる。彼女が去った展望台で健人は一人涙を流した。

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目次:本編

その後、健人は遂に心身を壊して入院することになったが、その直前までブレスレットを外すことは出来ず、また気が付けば身に付けていた。それは忘れたことを忘れないために、手放しようのない優しさ、大切なことの記憶であるが故に。そのしばしの時間は、ブレスレットに星創の核としての力を蓄えさせていた。

一方エクリプス達は、同時期に朝憬市に蔓延っており、その絶望を喰らうべく人々を手にかけていた。またそのことが社会の明るみに出すことがないよう、政府と密約を交わしていた。またこの時既に状況に気付いた者もいたが、その多くはエクリプス達の手にかかっていた。
 そして朝憬市のエクリプス達は、その活動の事実上の管理者であるバベルが、健人の精神興奮運動から偶発的に少量発せられた星創の核の力を感知。この重大な事象に、バベルは当時病院の保護室にいた健人を襲撃する。その時、ブレスレットは持ち主となっていた健人を守るべく、プロテクトとして自我を持つ術式生命ーーネーゲルを生成。健人とこれを合一させる。これによりバベルを退けた健人は、混乱の中で夢を見た感覚のまま、失踪した状態で退院したこととなる。
 これらの状況はバベルによる襲撃の事実を隠蔽すべく、エクリプスが政府に圧力をかけ、各公的機関等に情報統制をかけた故の措置だった。

またネーゲルはこの時、エクリプスに対し健人の所在を秘匿すべくジャミングをかけており、エクリプスはその存在を再び掴むことが困難だった。
 そして現在。大学二年となった花森健人は、その癒えぬ喪失感と諦観に、遂に自死を図ろうとしていた。だがその強い絶望を、偶然近くで感じた影魔が健人を襲い、冒頭に繋がる。
 事はエクリプスの中でも強者であるエヴルアの管理区域で発生したため、管理区域の近いゾルドーを通じて、バベルからエヴルアに対処が言い渡される。だがブレスレットの破壊は禁じられていた。エヴルアは知っていた。賜主とリュミエの戦いで、星創の核が大きな力を持っていることを。エクリプスという呪われた自身の存在を憎悪していたエヴルアは、ブレスレットの力を以て創造主たる賜主を下し、その力をも啜ることを画策する。
 またバベルはネーゲルとの交戦の経験から、ブレスレットを持ち主から奪い取るのは困難であることを理解していた。だが賜主の呪いを打破し、その望みを叶えるには、リュミエよりも余程小さい彼の力では到底足りない。故に賜主に忠実なバベルとしては、まずはエヴルアを使い健人の星創の力を見極めつつ高めることとした。そして健人が影魔を倒した現場近くにエヴルアとエヴルアの影魔をけしかけてその動向を見ることとなる。

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コメント:ギル1

ギルですw星創の案を踏まえ、健人パートの解釈をしてみましたところ、現状こうなりました。
それで…星創の案にて、"未定"としてくれたところなどにも関わりかねない書き方をしているところもあります。もしマズかったら教えてやって下さい(^-^;


コメント:モル1

モルです拝見しました!めっちゃいい…!!
未設定部分の補完案としても洗練されているのではないでしょうか!
修正点は以下に基いて、こちらで軽く文章の添削を行おうと思います。また確認及び意見等伺えたら…!

1.現在の設定では舞台となる宇宙や次元が複数ある必要性がなく、ややこしくなるため原則ひとつとします。
賜主、リュミエ、健人はそれぞれ同じ宇宙、同じ次元の、別の星に生まれた人々となります。
(「世界」という言葉は宇宙全体という意味だけでなく、各々が生活する空間という意味を含むため変えずに置いておきます。)

2.賜主がかつて望んだ清廉なる世界とは、賜主にとっての正義であり、彼の心が美しかったがゆえに夢見た世界だとモルは解釈しました。
そのため、モル解釈に基いて賜主の動機を大きく変えてしまっています。この改変はギルの目にどう映るでしょうか?人物像の整合性や不都合や表現の方向性など、気になる点があればなんでも教えてほしいです。

3.リュミエの出生は、“星創の力と関連があることは匂わせつつ、詳細は不明”としたいと思います。意図としては、リュミエを人の理解の範疇を超えた存在として描きたく、(星創の核の出自も含め、)どんなに探っても出自を辿れないという状況が持つミステリアスさはモルの表現をうまく叶えてくれているのではないかと思うからです。(宇宙が持つ“謎をいつまでも明かせない”というミステリアスさと同じようなイメージです。) 超越した人外でありながら人の心の痛みを理解し、彼らの希望でありたいと自らが望むような人物像を、モルはリュミエに投影しています。

4.燎星心羽と花森健人の件はとてもいい感じなのですが、これまでに(いわゆる“出会い”において)心羽側の苦悩、葛藤としてあった「自分だけ人と違う、“普通”じゃないことへの疎外感、そこからくる底知れぬ孤独感」への言及ができない設定になってしまっているため、出会いの経緯はある程度練り直す必要があると考えています。ですが、モルにはアイデアが浮かんでいないのでぜひ相談したく…。

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コメント:ギル2

どうも、ギルですwその後の修正等お疲れ様です。
こちらがアップした素案も好評頂いてありがとですw
修正につきましても、モルの良さがよく出ていると思いますし、ギルとしても"良かったぁ"という思いですw
さて、早速ですが上げてもらったポイント4つについてですが…

1について
問題なしですwこの案につきましては、ギルも「ややこしくなる」と思いつつ、あるモチーフを入れてみただけのことだったので。
星創の核が2つあることにつきましても、辿り着いたその結果があるだけで、星創の核の出自を敢えて神秘にしても良いかもですねw

2について
結論から言うと…是非とも今の賜主で行きたいですw
実は当初、ギルは賜主のことや、その正義をもっとエゴイスト的に考えていました。あくまでギル個人の捉え方ですが、正義や優しさというのは、存在したとして維持するにはものすごいエネルギーが要ると、ギルは思っていて。
賜主はそれをあまりにも永い間続けているという状況…なもので、「こいつ、色々面倒臭くならないのかな」って思ってたのです(^-^;
もちろん賜主自身、そのエゴのツケーー即ち具体的には"召し上げた命に対しての精算"はせねばならんでしょう。ただ、何というか…そうした辻褄を合わせようとする程、ある意味純粋というのは、正直大変良い意味で意外でした。また上の言い方をしてて思うのですが、もしかしたら賜主は"辻褄合わせに死にたい"のもあるですかね?
それと上の賜主の台詞だけ、ギルの感覚で修正させてもらってます…心苦しいのですが、出来ればここはご容赦を(^-^;

3について
これに関しては是非、モルの案で行ってください。
モルの思う美しさみたいなものを、ガン積みしてもらえたらw
ただ、一つだけ提案があります。それは下の4についてで…

4について
お悩みの点についてですが、アイデアがあるにはあります。劇物かもしれませんが、詳細は以下にーー

燎星心羽にリュミエの反動を持たせるのはどうでしょうか?具体的にはーー

「人の希望から生まれた。リュミエはその星にある人々の優しさと希望に慈しまれ、また彼女自身が賜主への抗いを望んだ。」

「彼らの希望でありたいと自らが望むような人物像を、モルはリュミエに投影しています。」

これの反動として、普通に生きられなかったことによる疎外感、普通そのものへの憧れ、希望足ることへの強迫観念、そう生まれた故の孤独感を心羽に持たせることは不可能ではないかと思います。
(余談ですが、上にありますギルが元々書いた表現は、場合によってはモルと擦り合わせが要るかもと少し思ってました(^-^;)

リュミエ時代にはそうした感情そのものが、あり得ないことだったかもしれません。リュミエが真に美しい存在であることは、ギルも承知しているつもりです。ですが、いざリュミエとしての全てを失った時、出てくる感情の一つとしてはおかしくはないかも…と。またリュミエであった記憶は無くとも、心羽という一人の人間、その命が反動としてこうした感情を抱くのは、表現としては個人的にはアリかと。

ですが心羽という人を、モルがどう描写したいかが最優先です。

これは、ある意味心羽の人間としての悲哀を出すなら、一つ演出が出来るプランとしてのそれなので。
心羽にこうした負の側面をあまりに積む格好となるのがモルの本意でなければ、即このアイデアは廃棄としてください。

p.s.
ちなみに最初こそ限界ギリギリの健人を、出会い当時はああしましたが、心羽の悲哀の側面を知ったら、健人はまずのめり込みますね…ギルとしてはそう思います。


コメント:モル2

モルです。概ね好評でよかったです!

1について、星創の核がいくつあるのかは作中で言及しないようにしようと思います。誕生の経緯が未知ならば、いくつ存在しているのかを推測不可としても問題ないでしょう。

2について、モルにはギルの言うツケや精算というワードの意図を汲めませんでしたが、賜主にとって信念を手放すということは、これまでの努力も絶望も全てを手放すことに等しく、ひいては自分そのものの否定に繋がります。信念とは今や賜主を賜主たらしめる唯一の要素であり彼の軸です。別の言い方をすれば、賜主は掲げた正義を今でも追い求めていて、たとえそれがどれだけの絶望を喚び、信念の先に理想が見えなくなっても、信じて進み続けるしかないという状態なのではないかとモルは考えます。
「醜悪な人類から絶望に堕とすことで“欲する”傲慢さを奪い、清廉なるエクリプスで支配すれば真に美しい世界を作れる」と、賜主は本気で思っているでしょう。

…ここまで来ると、賜主にとって自死は二の次になってくるかも知れません()
この案はやはり賜主の性格が大きく変わってしまうので、ギルの意見もまた聞いてみたいです。

4について、ギルからの提案を受けこちらでいろいろ考えてみましたが、「燎星心羽が自ら掲げた正義を重荷に感じる」という展開は心羽で描きたいテーマにどうしても噛み合わなかったため、せっかくの提案ですが廃案とさせて欲しいです。
モルとしては、前までのように朝憬市以外の場所に逃避し、そこで抜け殻としての人生をある程度過ごして悩みや葛藤を貯えてから朝憬市を訪れ、抜け殻として抱えたつらさを健人の前ではき出す形に戻そうかと思っています。健人が命名する下りは残したいのでそれまでは名無しの抜け殻として過ごしてもらおうかと()

コメント:ギル3

お疲れ様です、修正ありがとう。ギルです。

1について
すみません、星創の核についてですが…一部だけ書き換えました!その特異性から、星創という神秘を幾つあるとかするのは、確かにギルからしても違和感があったのです。有形か無形かも敢えては論じませんが、そういう神秘に辿り着く原理や理論があったというニュアンスで上記を書いてます。まずかったら、また教えてもらえたら…イレギュラーなことしてたり、あまり設定しすぎない方がいいかもなのに、しつこく考えてしまってたらホントごめんです。

2について
賜主のツケについては、大勢を手にかけ、殺めるようなことをしておいて半端には出来ない思いという意味で書かせてもらいました。あとはギルとしては、モルの言ってくれた認識とほぼ同一です。
自死の件につきましては、賜主自身、死によって解放もされたがっているでしょう。だが上述の信念のこともある。であれば、絶望の世界を磐石にするまでは事を成し、健人を闇落ちさせて賜主としての後を継がせ、その上で自身は滅びる。これを賜主の目標とすれば、話の筋は通せるかと。

4について
モルのプランよきですね。こちらも心羽の疎外感、孤独感をどう描くか考えてみていたのですが…モルが考えてくれた案以上のものが、なかなか出てこなくて。
モルとしてはどうでしょうか?引き続きギルはこの部分、考えた方がいいでしょうか?思いがあれば窺えたら。
それ次第でボチボチ、ここで記した事を元に、既存の健人パートを修正にかかろうと思ってます。


コメント:モル3

モルです。
1について、星創の核の神秘を神秘のままとするため、そこにたどり着くための理論や手段があったという描写はなるべく避けたいです。
また、修正後の表現だとリュミエの誕生が自然的にでなく、人々の思惑によって作為的に生まれた存在のような描写になっています。これはリュミエという命を戦いの道具として使うために人々が創ったと解釈でき、『存在意義』を以てリュミエ自身の主体性を否定してしまうこの描写は確実に避けたいです。
そのため、こちらで当該部分をぼかしておきました。
(かつて、“リュミエは人の希望から生まれた”という表現を使っていましたが、これは当時賜主に“我々は人の絶望から生まれた”という台詞があったため、その対比として用いた比喩表現であり、文字通りの意味ではないです。)
モルとしては、当時のできごとは歴史上の話として大まかな筋書きだけをなぞり、細かな描写はせず敢えてぼかしていく方針をとりたいです。
ただ、今後このようなギルとの食い違いが起きないようにする為、星創の核とリュミエのモル的解釈を一応伝えておきます。(これらは正式な設定ではなく、作中にこの話が出てくることはありません)
・リュミエについて、彼女はエクリプスによる侵略がある前の平和な街に、ここと次元を異にする世界から遊びに来た旅人で、街の人々のなかで暮らすうちに彼らと街に愛着を持ち、やがて住民たちはリュミエを親しき隣人のひとりとして扱うようになります。エクリプスの侵攻が始まると、愛した人々が次々と絶望に堕ちていくのを見るに耐えられず、抗戦を決意します。この時点でエクリプスに抗戦できるのはリュミエただ一人であり、街の住人たちはリュミエを親しき隣人でかつ絶望に抗うヒーローだと認識するようになり、『希望を捨てないことが最大の協力だ』と、リュミエのもとに希望が集いはじめます。最終的に賜主との直接対決では負けてしまいますが、それまでのエクリプスたちとの戦いでは多対一でありがながら全勝しています。
・星創の核について、これはリュミエの持ち物としてこの世界に持ち込まれ、リュミエが抗戦を始めることで人々の絶望に希望の光が灯ると、それを魔法に変換したリュミエが力を引き出す際にその力の根源として機能します。その権能がリュミエからマーニセレーネに渡ると、リュミエはそれ以上力を引き出せなくなり、その時点で引き出せていた力のみで転移を行い、核を賜主から遠ざけることに成功します。

これらを公式設定ではなくモルの個人的解釈に留めるのは、物語のテーマや創作を通して描きたいことを守るためです。
リュミエにしても賜主にしても、“そんな人物がそこにいた、そして星創の核がそこにあった”というただそれだけの話で済むのではないかとモルは考えます。

2について、殺めた命に対する償いという視点は思いつきませんでした。たしかに、賜主なら(賜主の思う)美しい世界を作ることで、殺めたことに対する償いを果たしたと満足しそうな気がします…()
信念を叶えた上で後継ぎをこさえて死ぬ…、モルとしては、賜主が自殺願望を抱かなさそうな脚本になってきた気がします。真に美しくなった世界で、自死を選ぶ理由がモルには思いつきません。強いて言えば、殺めてしまった彼らに逢いたいとかでしょうか? (その場合滅びの前の記憶を覚えていることになりますが…)

4について、ある種元の設定をそのまま用いてるだけなのでギル側に問題なければこれでいこうかと!
もっとスマートな案があればいいですが、燎星心羽としての心情には燎星心羽としての人生経験がどうしても不可欠なのでこれ以上のものはないでしょう。


コメント:ギル4

ギルよりモルへ
お疲れ様です。モル、いつもありがとう。ギルです。

1についてですが、モルの思いはわかりました。寧ろ勝手な改変、すみませんでした。ただ、一つだけ確認ですがモルの文章を拝見するにーー
"リュミエの星創の核と賜主の持っていたそれは、違うもの"という解釈で構いませんか?

2についてですが、このままだと賜主に関する表現を、ギルが乗っ取ってしまいそうなので、あくまでこれはギルのイメージですがーー

償いという高尚さというよりは、"これだけ殺めておいて、傷つけておいて、自分だけが自分の思う綺麗な世界でのうのう生きるなど…"という思考かなと。何よりそうまでしないといけなかった自身と世界に辟易して自殺したいのかなと。結局荒んだエゴで、償いですらないかもしれません。
そして、そうまでして実現した世界も、死して尚手放すわけにもいかないから、賜主は健人に自分を理解させて跡継ぎとし、"自分はもう世界とさよならとしたい"というイメージで、健人跡継ぎ案は書きました。

…ギルはどうも、賜主を気持ち悪く描きそうになりますね(^-^;
もしモルの思いと違ったらすみません。その時は手間かもですが、また全然教えてもらえたら…


コメント:モル4

モルです。1の質問にお答えします! それぞれが持っていた星創の核について、性質的にはどちらも同じものです。ですが、星創の核はいくつあるのかと言われると明確な回答はできなくなります。性質的には同じもので区別がつけられないのと、それぞれ出現していた時期も違うので、同一のものである可能性も違うものである可能性もどちらも残っているというのがモルの解釈です。ギルの言う“違うもの”という解釈でいいかの解答になっているでしょうか?

2について、ギルの賜主像はとても優しい人なんだなと思いました。モルのイメージする賜主は、より“信念しか見えていない”タイプで、清廉でない人間は悪だとし、それを殺すことは正義であるというような。例えば、賜主は星創の力で故郷を皆殺しにしましたが、その時の絶望は「大勢を手にかけてしまったから」ではなく、「家族や友達や恋人など、自らが掲げた正義で愛したかったものを殺めてしまった」が故の絶望で、同時に「(親しかった人も含め)清廉なる人間など一人もいないという事実を目の当たりにした」から絶望した、とモルは考えています。(後者は賜主が星創の力の代価を「清廉でない人間の命」と引き換えたという仮定での考察になります)

コメント:ギル5

1については、やはり星創の核の殆どを敢えて伏せる、という状況ですね。了解です。また手にした力(或いは力を持つ者)に希望を見出だすのも、それを絶望の道としてしまうのも、人や命の為す術(或いは業)といったところでしょうか。リュミエや心羽、彼女らに連なる人間たちにしても、賜主やエクリプスにしても。
恐らくモルの演出のイメージは掴めましたし、ギルも違和感なく捉えるように調整出来てきたと思います。

2についてはモルとの相談等を受けて、ギルとしては賜主の行動原理を二本柱にしたく思います。
一つは互いに語ってきた"既存の世界を生命の絶望と滅びで浄化し、その上で世界を清廉な者たちのものにすること"。
もう一つはやはり、賜主自死案。単純に賜主の自殺しようとした理由の一つに、"ここまでした自分もまた清廉な命、人間ではまずあり得ない。故に全ての仕上げに自分も死ぬ"というのはあるのではないでしょうか?
逆に言えば、最後に健人と心羽を手にかけつつ、賜主自身も死ぬための舞台装置が必要になるでしょうが…

ちなみに、健人跡継ぎ案は少なくとも保留でいいかも。それとモル、ここでの話がもし長くなってしまったらすみません(^-^;

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