私がもらうのは version 1
:追加された部分
:削除された部分
(差分が大きい場合、文字単位では表示しません)
私がもらうのは
そもそも誕生日とはそこまで目出度いものなのだろうか。と、二十も半ばを過ぎた今なら思う。
子供の頃の一年は長く、大人になってからの一年は短い。何処かの誰かが「二十代は二秒」と称したのを笑った過去さえ精々三年前の出来事のように感じていたが、調べ物ついでにグーグル先生に聞いてみたところ七年も前の発言らしい。
そりゃ、俺も歳を取るわけだ。
そんな調子で子供の頃に比べて全然違う時間軸で生きる我々社会人にとって、誕生日とはいつの間にか目前に迫り、そしていつの間にか通り過ぎてまた次の誕生日が迫っている。という、年末年始や年度初めとそう変わらない存在にすら成り下がる節すらある。
節目ではあっても、めでたくも特別でもない。
これでも、アイドル事務所のプロデューサーという、一年をまだ長く感じる存在を――つまり年頃の女の子たちを預かる身分である分、まだマシな方かもしれない。下手をしたら一年を短く感じる存在同士でつるむ普通の会社員だと、気付けば誰にも祝われないまま誕生日が終わっている、なんてこともあるのだろうか。
劇場では何人かの社交的なアイドルが劇場スタッフ全員の誕生日を把握しており、全員が大なり小なりプレゼントを貰えるというのが常だから、忘れてしまう。なんてことは決してないのだが。
さて。社交性と言うものを何処かに落としてしまったのではないかと担当アイドルに本気で心配されてしまう身ではあるが、俺とて流石に担当アイドルの、そして大切な恋人の誕生日まで忘れてしまうような頭はしていない。十一月十一日という大変憶えやすい日付に加え、
そもそも誕生日とはそこまで目出度いものなのだろうか。と、二十も半ばを過ぎた今なら思う。
子供の頃の一年は長く、大人になってからの一年は短い。何処かの誰かが「二十代は二秒」と称したのを笑った過去さえ精々三年前の出来事のように感じていたが、調べ物ついでにグーグル先生に聞いてみたところ七年も前の発言らしい。
そりゃ、俺も歳を取るわけだ。
そんな調子で子供の頃に比べて全然違う時間軸で生きる我々社会人にとって、誕生日とはいつの間にか目前に迫り、そしていつの間にか通り過ぎてまた次の誕生日が迫っている。という、年末年始や年度初めとそう変わらない存在にすら成り下がる節すらある。
節目ではあっても、めでたくも特別でもない。
これでも、アイドル事務所のプロデューサーという、一年をまだ長く感じる存在を――つまり年頃の女の子たちを預かる身分である分、まだマシな方かもしれない。下手をしたら一年を短く感じる存在同士でつるむ普通の会社員だと、気付けば誰にも祝われないまま誕生日が終わっている、なんてこともあるのだろうか。
劇場では何人かの社交的なアイドルが劇場スタッフ全員の誕生日を把握しており、全員が大なり小なりプレゼントを貰えるというのが常だから、忘れてしまう。なんてことは決してないのだが。
さて。社交性と言うものを何処かに落としてしまったのではないかと担当アイドルに本気で心配されてしまう身ではあるが、俺とて流石に担当アイドルの、そして大切な恋人の誕生日まで忘れてしまうような頭はしていない。十一月十一日という大変憶えやすい日付に加え、