剣人との出会い version 1

2020/12/10 07:37 by sagitta_luminis sagitta_luminis
  :追加された部分   :削除された部分
(差分が大きい場合、文字単位では表示しません)
剣人との出会い
6年生に進級してから、このクラスはどこかざわつきがあった。
クラスの中心にいる生徒たちの声が大きく、みんな周囲に合わせて頷くばかり。
誰かが陰口を言えば、次の日にはその子がいじめの標的にされている。
同じ目に遭うのが怖くて、みんな見て見ぬふり。
私もそう。
クラス全体が重く、ピリピリした雰囲気に包まれていた。

私の家庭は両親不在で、おばあちゃんとたった2人で暮らしていた。
もう80に迫る歳で、私のことを育てるのもそろそろ限界を迎えていた。
だからなるべく心配をかけないように、なるべく元気に振る舞い、中学になったら自立して離れるつもりだった。

そんな私の心の拠り所は、4年生の時に買ってもらった望遠鏡。
なにか辛いことがあった時、単に寂しくなった時、その望遠鏡を持って街の展望台に向かう。
星空を見上げ、どこか遠い星のことを考える。そうするとだんだん自分の悩みが小さいことに思えてきて、また明日も頑張ろうと思えた。
      

6年生に進級してから、このクラスはどこかざわつきがあった。
クラスの中心にいる生徒たちの声が大きく、みんな周囲に合わせて頷くばかり。
誰かが陰口を言えば、次の日にはその子がいじめの標的にされている。
同じ目に遭うのが怖くて、みんな見て見ぬふり。
私もそう。
クラス全体が重く、ピリピリした雰囲気に包まれていた。

私の家庭は両親不在で、おばあちゃんとたった2人で暮らしていた。
もう80に迫る歳で、私のことを育てるのもそろそろ限界を迎えていた。
だからなるべく心配をかけないように、なるべく元気に振る舞い、中学になったら自立して離れるつもりだった。

そんな私の心の拠り所は、4年生の時に買ってもらった望遠鏡。
なにか辛いことがあった時、単に寂しくなった時、その望遠鏡を持って街の展望台に向かう。
星空を見上げ、どこか遠い星のことを考える。そうするとだんだん自分の悩みが小さいことに思えてきて、また明日も頑張ろうと思えた。