No.2 2/2 version 19

2021/07/23 17:06 by someone
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No.2 2/2
その太刀を挟んで白銀の淡く光る眼と烏の赤目とが交錯する。二組の眼光は、互いを射貫くかのように鋭い。
太刀を巡って力を掛け合う両者。その膂力が拮抗しているこの状況において、一瞬でも力の掛け方を間違えば即座に隙が生じ、相手に得物を与えてしまうことになる。このまま
十秒ほど続いたその拮抗は一瞬にして崩れた。とうとう力が掛け違ったことで生じたその一瞬。
太刀を巡って力を掛け合う両者。その膂力が拮抗しているこの状況において、一瞬でも力の掛け方を間違えば即座に隙が生じ、相手に得物を与えてしまうことになる。そんなと、冗談ではない。そ脅威に駆り立てられながら十秒ほど続いたその拮抗は一瞬にして崩れた。とうとう力が掛け違ったことで生じた一瞬。
「…らぁっ!」
その一瞬の虚を突いた白銀の右足が、悪魔の身を掃うように蹴り飛ばし、自身の胸に沈んでいた太刀を奪取したのである。白銀は沈んでいた太刀を自身から引き抜き、順手に持ち変える。そうして脳裏に浮かんだイメージに従い、右手で握ったその柄から自身の念を込めた。それに呼応するかのように、太刀は刀身の色をそれまでの漆黒から白金へと変える。そのまま白銀が視線を改めて悪魔に向けると、悪魔はその様を憎々しげに見つめていた。
「の光…お前がぜ持ってる…」
その一瞬の虚を突いた白銀の右足が、の身を掃うように蹴り飛ばし、自身の胸に沈んでいた太刀を奪取したのである。白銀は沈んでいた太刀を自身から引き抜き、順手に持ち変える。そうして脳裏に浮かんだイメージに従い、右手で握ったその柄から自身の念を込めた。それに呼応するかのように、太刀は刀身の色をそれまでの漆黒から輝く銀へと変える。その様を烏が憎々しげに見つめていた。
「の光…お前がぜ持ってる…」

















      

その太刀を挟んで白銀の淡く光る眼と烏の赤目とが交錯する。二組の眼光は、互いを射貫くかのように鋭い。
太刀を巡って力を掛け合う両者。その膂力が拮抗しているこの状況において、一瞬でも力の掛け方を間違えば即座に隙が生じ、相手に得物を与えてしまうことになる。そんなこと、冗談ではない。その脅威に駆り立てられながら十秒ほど続いたその拮抗は、一瞬にして崩れた。とうとう力が掛け違ったことで生じた一瞬。
「…らぁっ!」
その一瞬の虚を突いた白銀の右足が、烏の身を掃うように蹴り飛ばし、自身の胸に沈んでいた太刀を奪取したのである。白銀は沈んでいた太刀を自身から引き抜き、順手に持ち変える。そうして脳裏に浮かんだイメージに従い、右手で握ったその柄から自身の念を込めた。それに呼応するかのように、太刀は刀身の色をそれまでの漆黒から輝く銀へと変える。その様を烏が憎々しげに見つめていた。
「あの光…お前がなぜ持っている…」