星創の道行き version 3
星創の道行き
遠い昔か、或いはどこかの次元にある、どこかの世界。そこに、永遠の命を持った者がいた。彼の者は人として生きていた頃、自らの無力、無能を憎み、また人の業苦に溢れた世界を醜悪としていた。
その果てに彼の者は、ある星の力ーー"星創の核"を自らの手にし、汚濁の世界を洗浄し、清廉な生命の世界にしようとした。その愚かしい挑戦、暴走した願いは確かに叶えられはした。
遠い昔、とある辺境の星に、永遠の命を持った者がいた。彼の者は人として生きていた頃、人の欺瞞と欲望に溢れた醜悪な世界に嫌悪を抱き、それを変えられぬ自らの非力さに嘆いていた。
その果てに彼の者は、ある星の力ーー"星創の核"を自らの手にし、汚濁の世界を洗浄し、清廉な生命の世界にしようとした。その愚かしい挑戦、暴走した正義は確かに叶えられはした。
それまでの彼の者の世界が滅ぶことで。
それまでの彼の者の住む世界が滅ぶことで。
それと共に、彼の者は召し上がられた者達の命と対価に、永遠の命を星創にもたらされた。そしてまた、彼の者はある生命を造ることが出来るようになっていた。それは彼の者が望んだ清廉な生命となり得た者達。彼の者の願いは確かに叶えられてはいた。
それと共に、彼の者は召し上がられた者達の命と対価に、老いる事ない屈強な肉体と永遠にも等しい命を星創にもたらされた。そしてまた、彼の者はある生命ーーエクリプスを造ることが出来るようになっていた。それは、彼の者が望んだ清廉な生命となり得た者達。彼の者の願いは確かに叶えられてはいた。
だがやがて、彼の者の心は虚ろに堕ち、命そのものがわからなくなっていた。自身の命の味わいが、生命が在ることが、その意味が失われた。だが、それが自身の絶望であることも認識しきれない程、彼の者は深く絶望していた。
しかしそれは、彼の者が描いた理想への解が人類全ての否定だったことを意味する。耐え難い喪失に前に何度も涙を流し、自分の信じた正義を見つめ、後悔と葛藤を重ねる中で、彼の者の心は虚ろに堕ちていき、命そのものがわからなくなっていた。自身の命の味わいが、生命が在ることが、その意味が失われてしまった。そして、それが自身の絶望であることも認識しきれない程、彼の者は深く絶望していた。
星創の核は、彼の者が力を手にして世界を滅ぼして以来、その命と深く結びつき、また物質として取り出すことも出来ず、手放すことも出来ない不可逆なものとなっていた。そして永い時を経る中で、彼の者は元の人間からはかけはなれ、その元存在のことも、星創の核のことも忘れていった。そもそも最早自分が元存在と地続きだったことかも怪しいと捉える程には、彼の者はその自我も危うくしていた。
それと共に清廉な生命達も、その存在を異形ーーエクリプスへと変えていった。他者の絶望を喰らい貪る存在に。また彼らから更に眷属の群体ーー影魔が生まれていく。それを見ながら、彼の者は自覚した。
星創の核は、彼の者が力を手にして世界を滅ぼして以来、その命と深く結びつき、また物質として取り出すことも出来ず、手放すことも出来ない不可逆なものとなっていた。そして永い時を経る中で、彼の者はかつて人だったことも、愛を知り美しさのわかる心があったことも、何もかも忘れていった。彼の者に残るは、ただ清廉なる世界へ導こうとしたその信念のみ。
それと共にエクリプスも他者の絶望を喰らい貪る存在となり、また彼らから更に眷属の群体ーー影魔が生まれていく。それを見ながら、彼の者は自覚した。
「ああ、我々は人の絶望から生まれたのだ」
それが、彼の者が"星狩りの賜主"となった時だった。
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その後、絶望故か、或いは命と死への希求故か、賜主は幾つもの世界や次元、宇宙や星々を旅し、それらを滅ぼしていった。そしてその先に、ある"希望"と邂逅する。彼女ーーリュミエは彼女の世界か、その世界にある、また別の星創の核を以て、その媒介として生み出された。それは賜主の存在への反発故に、世界によって為されたことだったが、リュミエはその宇宙にある人々の優しさと希望に慈しまれ、また彼女自身が賜主との戦いを決めた。
リュミエという希望の存在は、賜主にある予感を抱かせた。"彼女の持つ星創の核こそ自身の虚ろを、不死の呪いを終わらせうる"。持ち得た星創の力とその一連を、最早呪いとしていた賜主には、それは希望だった。そして星を狩る者達と、星の守り手が戦いに相対するは必然。その対決はリュミエにとっても運命だった。そしてーー。
その後、ただひとつ残った正義を掲げ、賜主は幾つもの星々や銀河を巡り、絶望を以て清廉なる世界へと浄化の手を広げた。傍からすればそれは滅びとしか言えなかった。そしてその先に、ある"希望"ーーリュミエと邂逅する。彼女はまた別の星創の核を以て、人の希望から生まれた。リュミエはその星にある人々の優しさと希望に慈しまれ、また彼女自身が賜主への抗いを望んだ。
リュミエが掲げた正義は賜主と真っ向から対立するものであったが、賜主にとっては論ずるほどの価値もない、他力本願で醜悪な希望であった。しかし、彼女が持つ星創の核の存在は、賜主にある予感を抱かせた。"星創の力こそ自身の虚ろを、永きに渡る苦痛を終わらせうる"。抱いてしまった信念とその一連を、最早呪いとしていた賜主には、それは希望だった。賜主はリュミエの前に降り立ち、両者自分の希望を信じて刃を交える。そしてーー。
対決は賜主が勝利し、リュミエは隙を突かれて最強のエクリプスーーマーニセレーネにその権能を奪われる。権能は星創の核の媒介という意味で、彼女を彼女足らしめていたものだった。リュミエは残った力で星創の核を守りそこから逃れたが、程なくそれまでの彼女のそれまでは全て失われた。残ったのは、彼女の抜け殻としての存在のみ。辿り着いたのは、地球。朝憬市と呼ばれた場所にある展望台だった。
対決は賜主が勝利し、リュミエは隙を突かれて最強のエクリプスーーマーニセレーネにその権能を奪われる。権能は星創の核の媒介という意味で、彼女を彼女足らしめていたものだった。リュミエは最期の力で星創の核を守りそこから逃れたが、程なくそれまでの彼女のそれまでは全て失われた。残ったのは、彼女の抜け殻としての存在のみ。辿り着いたのは、地球。朝憬市と呼ばれた場所にある展望台だった。
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抜け殻はリュミエとしての記憶や名前も全て失っていた。抜け殻は孤独と何を失ったかもわからない喪失にうちひしがれ涙を流す。そこに、ある青年が現れる。彼は人の世の無情と虚しさに怒り、だが自身の無力という現実に心を失くしかかっていた。青年は抜け殻の喪失に自身と似たものを見た気がしていた。何か彼女の心に、足しになれないか。そんな思い上がりが彼を突き動かし、青年ーー花森健人は抜け殻に声をかけた。それは燎火を思わせる星が、暗い中に瞬く夜だった。
やがて二人は友となり、互いの内を話していく。いつも夜の暗がりで話す故に、健人からは抜け殻の顔ははっきりとは見えなかったが、彼は抜け殻に美しい羽を思わせる優しい心を見た。故に彼は抜け殻に名前を与えた。"燎星心羽"ーーそれが彼女に与えられた名前だった。心羽は名前のお礼、そしてお守りとして、健人に星創の核ーーブレスレットとなったそれを健人に渡した。もう失われた大切なものだったからこそ、せめて友達に持っていて欲しかった。
しかし程なく健人は、心羽の喪失が今は埋めようのないものだと知る。健人はそれ以来展望台に来れなくなってしまった。そして心羽も、このことが彼の心にとどめを刺してしまったことを思い、人知れず朝憬市を去ることとなる。彼女が去った展望台で健人は一人涙を流した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後、健人は遂に心身を壊して入院することになったが、その直前までブレスレットを外すことは出来ず、また気が付けば身に付けていた。それは忘れたことを忘れないために、手放しようのない優しさ、大切なことの記憶であるが故に。そのしばしの時間は、ブレスレットに星創の核としての力を蓄えさせていた。
一方エクリプス達は、同時期に朝憬市に蔓延っており、その絶望を喰らうべく人々を手にかけていた。またそのことが社会の明るみに出すことがないよう、政府と密約を交わしていた。またこの時既に状況に気付いた者もいたが、その多くはエクリプス達の手にかかっていた。
そして朝憬市のエクリプス達は、その活動の事実上の管理者であるバベルが、健人の精神興奮運動から偶発的に少量発せられた星創の核の力を感知。この重大な事象に、バベルは当時病院の保護室にいた健人を襲撃する。その時、ブレスレットは持ち主となっていた健人を守るべく、プロテクトとして自我を持つ術式生命ーーネーゲルを生成。健人とこれを合一させる。これによりバベルを退けた健人は、混乱の中で夢を見た感覚のまま、失踪した状態で退院したこととなる。
これらの状況はバベルによる襲撃の事実を隠蔽すべく、エクリプスが政府に圧力をかけ、各公的機関等に情報統制をかけた故の措置だった。
またネーゲルはこの時、エクリプスに対し健人の所在を秘匿すべくジャミングをかけており、エクリプスはその存在を再び掴むことが困難だった。
そして現在。大学二年となった花森健人は、その癒えぬ喪失感と諦観に、遂に自死を図ろうとしていた。だがその強い絶望を、偶然近くで感じた影魔が健人を襲い、冒頭に繋がる。
事はエクリプスの中でも強者であるエヴルアの管理区域で発生したため、管理区域の近いゾルドーを通じて、バベルからエヴルアに対処が言い渡される。だがブレスレットの破壊は禁じられていた。エヴルアは知っていた。賜主とリュミエの戦いで、星創の核が大きな力を持っていることを。エクリプスという呪われた自身の存在を憎悪していたエヴルアは、ブレスレットの力を以て創造主たる賜主を下し、その力をも啜ることを画策する。
またバベルはネーゲルとの交戦の経験から、ブレスレットを持ち主から奪い取るのは困難であることを理解していた。だが賜主の呪いを打破し、その望みを叶えるには、リュミエよりも余程小さい彼の力では到底足りない。故に賜主に忠実なバベルとしては、まずはエヴルアを使い健人の星創の力を見極めつつ高めることとした。そして健人が影魔を倒した現場近くにエヴルアとエヴルアの影魔をけしかけてその動向を見ることとなる。
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ギルですw星創の案を踏まえ、健人パートの解釈をしてみましたところ、現状こうなりました。
それで…星創の案にて、"未定"としてくれたところなどにも関わりかねない書き方をしているところもあります。もしマズかったら教えてやって下さい(^-^;それで…星創の案にて、"未定"としてくれたところなどにも関わりかねない書き方をしているところもあります。もしマズかったら教えてやって下さい(^-^;
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モルです拝見しました!めっちゃいい…!!
未設定部分の補完案としても洗練されているのではないでしょうか!
修正点は以下に基いて、こちらで軽く文章の添削を行おうと思います。また確認及び意見等伺えたら…!
1.現在の設定では舞台となる宇宙や次元が複数ある必要性がなく、ややこしくなるため原則ひとつとします。
賜主、リュミエ、健人はそれぞれ同じ宇宙、同じ次元の、別の星に生まれた人々となります。
(「世界」という言葉は宇宙全体という意味だけでなく、各々が生活する空間という意味を含むため変えずに置いておきます。)
2.賜主がかつて望んだ清廉なる世界とは、賜主にとっての正義であり、彼の心が美しさがゆえに夢見た世界だとモルは解釈しました。
そのため、モル解釈に基いて賜主の動機を大きく変えてしまっています。この改変はギルの目にどう映るでしょうか?人物像の整合性や不都合や表現の方向性など、気になる点があればなんでも教えてほしいです。
3.リュミエの出生は、“星創の力と関連があることは匂わせつつ、詳細は不明”としたいと思います。意図としては、リュミエを人の理解の範疇を超えた存在として描きたく、(星創の核の出自も含め、)どんなに探っても出自を辿れないという状況が持つミステリアスさはモルの表現をうまく叶えてくれているのではないかと思うからです。(宇宙が持つ“謎をいつまでも明かせない”というミステリアスさと同じようなイメージです) 超越した人外でありながら人の心の痛みを理解し、彼らの希望でありたいと自らが望むような人物像を、モルはリュミエに投影しています。
4.燎星心羽と花森健人の件はとてもいい感じなのですが、これまでに(いわゆる“出会い”において)心羽側の苦悩、葛藤としてあった「自分だけ人と違う、“普通”じゃないことへの疎外感、そこからくる底知れぬ孤独感」への言及ができない設定になってしまっているため、出会いの経緯はある程度練り直す必要があると考えています。ですが、モルにはアイデアが浮かんでいないのでぜひ相談したく…。
遠い昔、とある辺境の星に、永遠の命を持った者がいた。彼の者は人として生きていた頃、人の欺瞞と欲望に溢れた醜悪な世界に嫌悪を抱き、それを変えられぬ自らの非力さに嘆いていた。
その果てに彼の者は、ある星の力ーー"星創の核"を自らの手にし、汚濁の世界を洗浄し、清廉な生命の世界にしようとした。その愚かしい挑戦、暴走した正義は確かに叶えられはした。
それまでの彼の者の住む世界が滅ぶことで。
それと共に、彼の者は召し上がられた者達の命と対価に、老いる事ない屈強な肉体と永遠にも等しい命を星創にもたらされた。そしてまた、彼の者はある生命ーーエクリプスを造ることが出来るようになっていた。それは、彼の者が望んだ清廉な生命となり得た者達。彼の者の願いは確かに叶えられてはいた。
しかしそれは、彼の者が描いた理想への解が人類全ての否定だったことを意味する。耐え難い喪失に前に何度も涙を流し、自分の信じた正義を見つめ、後悔と葛藤を重ねる中で、彼の者の心は虚ろに堕ちていき、命そのものがわからなくなっていた。自身の命の味わいが、生命が在ることが、その意味が失われてしまった。そして、それが自身の絶望であることも認識しきれない程、彼の者は深く絶望していた。
星創の核は、彼の者が力を手にして世界を滅ぼして以来、その命と深く結びつき、また物質として取り出すことも出来ず、手放すことも出来ない不可逆なものとなっていた。そして永い時を経る中で、彼の者はかつて人だったことも、愛を知り美しさのわかる心があったことも、何もかも忘れていった。彼の者に残るは、ただ清廉なる世界へ導こうとしたその信念のみ。
それと共にエクリプスも他者の絶望を喰らい貪る存在となり、また彼らから更に眷属の群体ーー影魔が生まれていく。それを見ながら、彼の者は自覚した。
「ああ、我々は人の絶望から生まれたのだ」
それが、彼の者が"星狩りの賜主"となった時だった。
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その後、ただひとつ残った正義を掲げ、賜主は幾つもの星々や銀河を巡り、絶望を以て清廉なる世界へと浄化の手を広げた。傍からすればそれは滅びとしか言えなかった。そしてその先に、ある"希望"ーーリュミエと邂逅する。彼女はまた別の星創の核を以て、人の希望から生まれた。リュミエはその星にある人々の優しさと希望に慈しまれ、また彼女自身が賜主への抗いを望んだ。
リュミエが掲げた正義は賜主と真っ向から対立するものであったが、賜主にとっては論ずるほどの価値もない、他力本願で醜悪な希望であった。しかし、彼女が持つ星創の核の存在は、賜主にある予感を抱かせた。"星創の力こそ自身の虚ろを、永きに渡る苦痛を終わらせうる"。抱いてしまった信念とその一連を、最早呪いとしていた賜主には、それは希望だった。賜主はリュミエの前に降り立ち、両者自分の希望を信じて刃を交える。そしてーー。
対決は賜主が勝利し、リュミエは隙を突かれて最強のエクリプスーーマーニセレーネにその権能を奪われる。権能は星創の核の媒介という意味で、彼女を彼女足らしめていたものだった。リュミエは最期の力で星創の核を守りそこから逃れたが、程なくそれまでの彼女のそれまでは全て失われた。残ったのは、彼女の抜け殻としての存在のみ。辿り着いたのは、地球。朝憬市と呼ばれた場所にある展望台だった。
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抜け殻はリュミエとしての記憶や名前も全て失っていた。抜け殻は孤独と何を失ったかもわからない喪失にうちひしがれ涙を流す。そこに、ある青年が現れる。彼は人の世の無情と虚しさに怒り、だが自身の無力という現実に心を失くしかかっていた。青年は抜け殻の喪失に自身と似たものを見た気がしていた。何か彼女の心に、足しになれないか。そんな思い上がりが彼を突き動かし、青年ーー花森健人は抜け殻に声をかけた。それは燎火を思わせる星が、暗い中に瞬く夜だった。
やがて二人は友となり、互いの内を話していく。いつも夜の暗がりで話す故に、健人からは抜け殻の顔ははっきりとは見えなかったが、彼は抜け殻に美しい羽を思わせる優しい心を見た。故に彼は抜け殻に名前を与えた。"燎星心羽"ーーそれが彼女に与えられた名前だった。心羽は名前のお礼、そしてお守りとして、健人に星創の核ーーブレスレットとなったそれを健人に渡した。もう失われた大切なものだったからこそ、せめて友達に持っていて欲しかった。
しかし程なく健人は、心羽の喪失が今は埋めようのないものだと知る。健人はそれ以来展望台に来れなくなってしまった。そして心羽も、このことが彼の心にとどめを刺してしまったことを思い、人知れず朝憬市を去ることとなる。彼女が去った展望台で健人は一人涙を流した。
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その後、健人は遂に心身を壊して入院することになったが、その直前までブレスレットを外すことは出来ず、また気が付けば身に付けていた。それは忘れたことを忘れないために、手放しようのない優しさ、大切なことの記憶であるが故に。そのしばしの時間は、ブレスレットに星創の核としての力を蓄えさせていた。
一方エクリプス達は、同時期に朝憬市に蔓延っており、その絶望を喰らうべく人々を手にかけていた。またそのことが社会の明るみに出すことがないよう、政府と密約を交わしていた。またこの時既に状況に気付いた者もいたが、その多くはエクリプス達の手にかかっていた。
そして朝憬市のエクリプス達は、その活動の事実上の管理者であるバベルが、健人の精神興奮運動から偶発的に少量発せられた星創の核の力を感知。この重大な事象に、バベルは当時病院の保護室にいた健人を襲撃する。その時、ブレスレットは持ち主となっていた健人を守るべく、プロテクトとして自我を持つ術式生命ーーネーゲルを生成。健人とこれを合一させる。これによりバベルを退けた健人は、混乱の中で夢を見た感覚のまま、失踪した状態で退院したこととなる。
これらの状況はバベルによる襲撃の事実を隠蔽すべく、エクリプスが政府に圧力をかけ、各公的機関等に情報統制をかけた故の措置だった。
またネーゲルはこの時、エクリプスに対し健人の所在を秘匿すべくジャミングをかけており、エクリプスはその存在を再び掴むことが困難だった。
そして現在。大学二年となった花森健人は、その癒えぬ喪失感と諦観に、遂に自死を図ろうとしていた。だがその強い絶望を、偶然近くで感じた影魔が健人を襲い、冒頭に繋がる。
事はエクリプスの中でも強者であるエヴルアの管理区域で発生したため、管理区域の近いゾルドーを通じて、バベルからエヴルアに対処が言い渡される。だがブレスレットの破壊は禁じられていた。エヴルアは知っていた。賜主とリュミエの戦いで、星創の核が大きな力を持っていることを。エクリプスという呪われた自身の存在を憎悪していたエヴルアは、ブレスレットの力を以て創造主たる賜主を下し、その力をも啜ることを画策する。
またバベルはネーゲルとの交戦の経験から、ブレスレットを持ち主から奪い取るのは困難であることを理解していた。だが賜主の呪いを打破し、その望みを叶えるには、リュミエよりも余程小さい彼の力では到底足りない。故に賜主に忠実なバベルとしては、まずはエヴルアを使い健人の星創の力を見極めつつ高めることとした。そして健人が影魔を倒した現場近くにエヴルアとエヴルアの影魔をけしかけてその動向を見ることとなる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ギルですw星創の案を踏まえ、健人パートの解釈をしてみましたところ、現状こうなりました。
それで…星創の案にて、"未定"としてくれたところなどにも関わりかねない書き方をしているところもあります。もしマズかったら教えてやって下さい(^-^;
モルです拝見しました!めっちゃいい…!!
未設定部分の補完案としても洗練されているのではないでしょうか!
修正点は以下に基いて、こちらで軽く文章の添削を行おうと思います。また確認及び意見等伺えたら…!
1.現在の設定では舞台となる宇宙や次元が複数ある必要性がなく、ややこしくなるため原則ひとつとします。
賜主、リュミエ、健人はそれぞれ同じ宇宙、同じ次元の、別の星に生まれた人々となります。
(「世界」という言葉は宇宙全体という意味だけでなく、各々が生活する空間という意味を含むため変えずに置いておきます。)
2.賜主がかつて望んだ清廉なる世界とは、賜主にとっての正義であり、彼の心が美しさがゆえに夢見た世界だとモルは解釈しました。
そのため、モル解釈に基いて賜主の動機を大きく変えてしまっています。この改変はギルの目にどう映るでしょうか?人物像の整合性や不都合や表現の方向性など、気になる点があればなんでも教えてほしいです。
3.リュミエの出生は、“星創の力と関連があることは匂わせつつ、詳細は不明”としたいと思います。意図としては、リュミエを人の理解の範疇を超えた存在として描きたく、(星創の核の出自も含め、)どんなに探っても出自を辿れないという状況が持つミステリアスさはモルの表現をうまく叶えてくれているのではないかと思うからです。(宇宙が持つ“謎をいつまでも明かせない”というミステリアスさと同じようなイメージです) 超越した人外でありながら人の心の痛みを理解し、彼らの希望でありたいと自らが望むような人物像を、モルはリュミエに投影しています。
4.燎星心羽と花森健人の件はとてもいい感じなのですが、これまでに(いわゆる“出会い”において)心羽側の苦悩、葛藤としてあった「自分だけ人と違う、“普通”じゃないことへの疎外感、そこからくる底知れぬ孤独感」への言及ができない設定になってしまっているため、出会いの経緯はある程度練り直す必要があると考えています。ですが、モルにはアイデアが浮かんでいないのでぜひ相談したく…。