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創作の原稿、設定置き場

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No.3 3 / 4  

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「…マジか…」
不意に、健人の口からその言葉が零れ出た。しかし震える和明の苦悶の顔が現実を知らしめる。それを見つめると、不意に手足が痺れ、息苦しさがこみ上げてくる。あの苦難に塗れた場所に一年も…関わった者の思いは皆、想像を絶するものだろう。だからこそ...

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No.3 2 / 4  

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「アハトが消えた」
そこは朝憬市内にあるとある廃墟ビルの一室。カイルスはかつて使われていたものであろうビジネス机の上に腰掛け、外に面した窓に背を預けるネーゲルに言った。時間は深夜、深い暗闇の中に人間の作った電気の灯りがポツポツと灯っている。その光景を...

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No.2 2 / 4  

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その後、父の哲也(てつや)や見舞いに駆けつけていた姉たち夫婦とも対面して少し話し、また眠った。幸い背中に受けた傷以外は外傷も少なく、医師曰く極度に疲労していた状態からも回復してきているため、あと二日もすれば退院できるということだった。しかし長らく眠っ...

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No.2 4 / 4  

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「何か起きた…?」
「まさか…!?」
事態が判然としない中、叫びが聞こえた学外の様子を探るべく駆け出す二人。宵闇の中、学外に面する窓を開け、街灯の灯りを頼りにその周囲を見渡す。

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No.3 3 / 4  

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「…警察に行けないのは、何で?」
そう聞いた瞬間、和明が右手の人差し指を立てて口元に寄せながら言った。
「静かに…戸を閉めて中に入ってくれ」

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No.2 3 / 4  

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和明との約束の時間は16時だったが、健人が英道大学に到着したのは15時50分だった。あの後寝坊したのと、自転車が壊されたのを忘れていたのは痛手だった。約束の前に休学届を先に提出するのつもりだったが別の機会にせざるを得ない。ボサボサの頭で身だしなみも最...

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No.3 1 / 4  

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「横尾…横尾…!」
その後、健人はふらつきながらもすぐに和明を横たえた階段の踊り場へと向かい、その意識に呼び掛けた。横たえたその身体を抱え、右腕で支える和明の頭——力の投げ出されたその重さが健人の焦燥を煽る。
「……ぅ…あ、ゆみ…」

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No.2 1 / 4  

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2020年4月16日。花森健人が目を冷ますと、まず視界に入ってきたのは清潔感を感じさせる白い天井だった。ここは…どこだ?続いて感じたのは手に感じる柔らかな温み。まだ半開きの目線が、その温みを辿る。そこには疲れた顔で自分を見守る母、純子(すみこ)の姿が...

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No.1 4 / 4 (Update)  

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”疾雷(しつらい)”―――その強靭な身体における特殊な神経・筋肉の活動電流を一時的に増加させることで、反応速度、運動量等を飛躍的に上昇する技である。だが身体的負担は大きく、この危険性を孕んだ能力のコントロールが可能なのは、雷の属性が宿った輝石と呼ばれ...

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No.1 3 / 4 (Update)  

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自分の内側が塗り換わるような悍ましい感覚。疼くように鼓動が鳴り響く。拡がっていくその陰りは急速に勢いを増していった。一方でそれと比例するように、何も感じない自分も大きくなっていく。だからだろうか…状況が違うとわかりながらも、ふと思ったことがあった。
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